3連休は当直で
9月25日、晴れ
秋晴れの夕方。そう、昨日の夕方、出勤した。
そう、3連休のど真ん中。当直だった。
夕方の5時から当直業務は始まる。
ちょっとぐらいのんびり出来るかと思ったが、引き継ぎの為に日直の医者に電話したら緊急手術をしていた・・・・・。
ちょっくら応援に行きましょか、と思った瞬間。
救急外来用の院内PHSがピロピロと鳴った。
それから深夜まで休む間もなくぶっ続けで急患の治療を続けた。
救急車もひっきりなしに来る。
救急外来の入り口に各地の救急車が3台とか並んでいる姿を見ると、馬鹿げているかもしれないが、闘志が湧いてくる。
地域住民の皆さん、ごめんなさい。
深夜にけたたましくサイレンを鳴らして走っていた救急車達はそのほとんどすべて、私が受け入れたのです。
眠りを妨げましたか?
今、病院のそばに住んでいるので救急車のサイレンの音がもろに聞こえる。
そんな時、妻、長女、次女は、”お父さん頑張ってんのね”っと思ってくれるんだが、三女は”こわい、こわい”と言って妻に抱きつくのだった。
昨夜だけで緊急手術を3件やった。
なるべく救急外来を止める事無く、緊急手術を続けてやろうと思ったが、さすがにこれだけあると無理で、3件目の手術のときは救急外来を止めた。
そう、救急隊からの受け入れ要請もこの間はすべて断りました。
地域住民の皆さん、許してくれますか?
基本的に救急外来当番の医者は手術には参加せずに”休日および夜間であって休むべき立場の外科医”を無理矢理呼び出して手術をしてもらい、救急外来当番は救急外来の運営を続けるのだが、さすがに昨夜は無理だった。
さて、今日午前3時頃、すべての緊急手術が終わった。
手術場当直の看護師さん達にこう聞いた。
”ねえ、この調子で朝まで手術が必要な患者を受け入れ続けていいかな???”
夕方から午前3時まで全く休む事なくぶっ続けで緊急手術に参加していたオペ看達がどんな返答をするか興味があって聞いたみたんだが。
私と同い年ぐらいの看護師さんにはあっさりとこう言われた。
”どうぞ。それが私達の仕事ですよね。先生もそのつもりでしょ。”
でも、若い看護師さんはさすがにこの深夜3連続緊急手術に疲れたのか無口だった・・・。
近くの病院やクリニックから手術が必要な患者の紹介を受けた場合、もしくは救急搬送されて来た患者が緊急手術が必要であると判断した場合どうするか?
私、一人で手術が出来るわけではない。
いやもちろん技術的には可能で、私にはオペ看と二人で大抵の手術は出来る能力と気合いと勇気と根性と度胸はある。
でもね、病院の方針としてそれはしてはならない事にしてある。
まあ、その方針がある方が、私達も助かるわけだわ。
要するに、外科医を二人、呼び出すわけだ!!!
大抵、私の上司一人と、部下一人を呼び出す事になる。
しかしこれまで、いつでもどんな状況でも、この呼び出しを断られた事が無い!!!
むしろこう言われる。
”今夜、何かありましたら、呼んでください。喜んでお手伝いします!!!”
”手術するんやったら、呼んでやー。手伝うでー!!!”
どうよ。
この姿勢。
自己犠牲=美徳
人生=献身的医療
とでも思っているのか?
いや、そんなうがった見方や評価なんかしたく無い。
一言だけ言わせてもらおう。
”おまえら、最高だぜ!!! これぞ、世界最高の能力を誇る日本人外科医の心意気だ!!!”
っと、こんな文章を書くと、またブログ倫理審査委員長から苦言を言われるな・・・・・・・。
”言葉遣いが荒い” ってな・・・・・・。
こうして日本の医療は医療従事者の献身によって支えられているってことを言いたいだけなんだけどね。
それと、マジでね、うちの外科医達はみんな手術がうまい!!!
さて、今日はゆっくり寝よう。
緊急の呼び出しが無ければ。
万歳!!!!!