ルンバ故障(詳細)

 11月6日、ミネソタ晴れ

 今日は暖かかったです。最高気温17℃、最低気温8℃。

 大学を歩いていても、短パン、Tシャツの学生がいました。

 私もこれだけ温かくて天気がいいと嬉しくてにやにやしながら歩いていました。


 それでは昨日、軽く記事を書いたルンバの故障について。

 まず、先日、メインブラシにリング状の糸が絡まり、メインブラシの回転が止まった。ルンバにとって輪ゴムとか輪になった糸は天敵のような物でかなりの確率でメインブラシに絡まりそして先日書いたくし状の部分に糸が引っかかってブラシの回転が止まる。これはモーターを保護するために自動的にブラシの回転が止まるようになっているからだ。
 いつもならブラシを掃除して、再度ルンバを走らせるとしばらくしてブラシが回転しだすのだが、今回はいつまでたってもブラシが回らない。

 ブラシが回らないとファンの回転によって小さな埃を吸引するのみになるので紙くずや髪の毛、お菓子のくずなどの大き目のゴミは全く取れないので、ルンバはほとんど役に立たないことになる。

 そんなときは分解しましょう。

 ひっくり返して、サイドブラシをはずし、底面のカバー(ボトムプロテクションプレート)をはずす。
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 iRobot Roombaと書いてあるのがバッテリー。タイアの周辺に埃が大量にたまっているので掃除する。
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 埃を除去してクリーニングヘッドモジュールをはずす。
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 クリーニングヘッドモジュールを見てみると、埃が大量に詰まっている。
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 とくにモーター周辺に埃が多い。
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 これだけ取れた。
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 埃を掃除した後。これだけ埃がたまるにもかかわらず、モーターにはスリットがあいており、ここからモーター内に埃が混入する。よってエアダスターで中の埃を吹き飛ばす。この穴をテープで塞ごうと思ったがやめておいた。
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 フロントホイール
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 ホイールを引っ張ると抜ける。ここにも埃がたまっている。
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 埃を除去したところ。ここにはホイールの回転を検出するためのセンサーが内蔵されている。最近、ルンバの挙動が不振(なんだか自信なさげにうろうろする)だったのはこの埃のためだ。
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 全ての掃除を終えていったん組み立てる。これでメインブラシも回転するようになった。OK
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 しかし、以前見たレビューでクリーニングヘッドモジュールのギアボックス内に埃が詰まってギアの回転が悪くなり、最終的にはギアが破損して壊れてしまうというのを呼んだことを思い出し、再度分解。
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ちなみにそのレビューはこちらの動画

irobot Roomba 570 problem
Roomba 570なので私の560とはちがう。しかし、基本構造は同じ。私のルンバのギアボックスケースにはギャップはなかったが。
ちなみに、彼の追加の動画を見てみると、ギアボックス内にはギアとギアボックスとの隙間からごみが入ると説明している。これは私のルンバでもありえることだ。

 はずされたクリーニングヘッドモジュール
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 プラスティックの製のフレームをはずす。このフレームを固定しているねじは4個あるが、非常に柔らかいねじなので注意。
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 ギアボックス
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 ギアボックス内。一番右のギアの軸に髪の毛が絡まっていたので除去。
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 ギアボックスのカバー。特に異常なし。グリスも残っている。
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 結論から言うとギアボックスは開けなくてよかったと思う。それと青色のフレームを固定していたねじのひとつのねじ山をつぶしてしまった。それぐらい柔らかい素材でこのねじは出来ている。フレームがプラスティック製のためだろう。

 再度、組み立てる。
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 サイドブラシを取り付けて完成。
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 以上の作業はiRobot Roombaのサポートサイトの内容をもとに行っている。


 これを見てみるといろんな部品の換え方とかメンテナンスの仕方が載っている。消費者が自分でメンテナンスするのが当然といわんばかりだ。 

 一方、アイロボット日本総代理店のサポートページhttp://www.irobot-jp.com/faq/failure.html
 これを読むと、”一般的な掃除機のすき間ノズルなどでルンバ裏面のすき間 (取扱説明書を参照) に付着したホコリを吸い取ってください。”と書いてある。掃除機を掃除機で掃除してくださいってことか?



 はっきり言ってルンバは分解掃除が必須であると考える。それとモジュールの交換がいつかは必要になる。バッテリーも1年ぐらいでだめになるとレビューで書いている人が多い。


 現在のメンテナンスは以下のとおり。

 1) 毎日、ごみを捨ててブラシの掃除を行う。これは3日に1回でも良いと思う。
 2) 週に1回、エアダスターでフィルターや本体の埃を吹き飛ばす。
 3) 2ヶ月に1回、今回のような分解掃除を行う。

 当然、本家のiRobotのホームページにはメンテナンスの仕方が書いてある。しかし、日本総代理店のページにはそんなことは書いていない。定期的な分解掃除が必要な家電なんて日本ではありえないからだろう。
 日本でルンバを使っている人はどうしているんだろう。自分で分解掃除が出来るならよいが、そうでない人は毎回、サポートに送るんだろうか? 
 日本総代理店のページには”なお、ルンバをお買い上げで、ユーザー登録をしていただいたお客様を対象に、ご購入から約10ヵ月後に無料メンテナンスを実施させていただいております。”と書いてあるけど、10ヶ月、異常なしに稼動する確率って結構低いと思う。

 なんだかルンバが日本で高い理由が分かったような気がする。

 まだ断定的なことはいえないが、日本のサポートを期待して高いルンバを買うよりも、海外から個人輸入して自分でメンテナンスしたり、モジュールやバッテリーがだめになったら自分で部品を購入して交換したほうがいいように思う。

 こういったことから言ってもルンバは日本人にはあまり受け入れられないだろう。

 定期的な分解掃除が必須の家電なんて日本ではありえない。

 本家のiRobotのサポートページを見てアメリカ人は ”そうか、分解掃除や自分で部品の交換が必要なのか。その方法を詳細に記載してくれるなんてなんてiRobot社はすばらしい会社なんだ” と肯定的に受け取るであろう。
 しかし、日本の会社がこんなサポートページを作ったら、日本人はこう思う ”なんだ、分解掃除や自分で部品の交換が必要なのか、だったら買うのやめておこう”
 そして購入した人は故障したときにはすぐにサポートに文句を言って修理を依頼し、高額の修理費用を請求されてさらに怒るんじゃないか。

 日本製品の質の高さはにはこういった背景があるのではないかと思う。

 国民性の違いがここにも見て取れる。これは家電に限ったことではなく、医療においても同じことが言えると思う。

 それと今回のメインブラシが回らなかった原因は特定できなかった。とりあえず分解掃除をしたら直ったと言うだけで。

 そして日本にもルンバの修理を自分で行っている方々がいて、その情報も使わせていただいたことに、この場を借りて謝辞を述べたいと思う。

 他にもこのルンバ、ホームベースに帰ってこれず行き倒れていたり、ライトハウスを設置していても、各部屋をちゃんと掃除しなかったり、いろんな不満はある。しかし、なんだかそこらへんがかわいくて、嫌いになることはない。ルンバがホームベースに戻れずに、隣の部屋で悲鳴を上げて停止したりすると、それを聞いていた子供たちが救出に向かう。ルンバはただの家電ではなくなんだかペットみたいだ。


追記:
 このような製品のことについて記事を書いてみて思うのだが、あまりにも製品の不具合の情報が少なくて、推測でしか記事がかけない。 不具合の発生率とかのデータがあれば”思う”とか”だろう”とか書かなくてすむんだけれど。