クリスマスイブ - 自転車馬鹿の外科医のブログ

　12月24日、ミネソタ雪

　今日も雪、ただ外気温が華氏32度（＝摂氏0度）とかなのでとても温かい。

　まず、クリスマスソングをどうぞ。

*NSYNC - The First Noel

Christmas Songs - Amy Grant - Jingle Bells Rock

　ミネソタ、今日は大雪警報が出ているが、それほど降っていない。このぐらいの雪はたいしたことはない。日本の豪雪地帯と比較したらへでもない。気温も高いので凍結の心配もない。

　そんなわけで、今日はクリスマスイブなので、食材の買出しに某スーパーへと向かった。

　しかし、アルマダはよく走る。VDCさまさまである。後輪が滑り出しオーバーステアになってものんびりとカウンターを軽く当てれば綺麗に曲がってくれる。もちろんカウンターなんか当てなくてもVDCが車両姿勢を制御して普通に曲がれるので、ただ単に遊んでいるだけなんだけれど。

　のんびりと買い物を済ませ、その帰り道、なにやら渋滞が発生している。　対向車線で何かが光っている。

　車が横転していた。

　私の推論はこうだ。

　ここは右側から合流してくる車線がある。その合流してくる車を避けようととっさにハンドルを左に切ったこのバン。後輪が右に滑り始め、反時計周りに急速に回転し始める。そして90度回転する手前で横転する。そして横転したままさらに90度回転しごらんのような結果となった。
　合流地点から考えてもちょうどこの推測どおりの位置でこの車は停止する。そしてこのバン、どこかにぶつかったような外傷は無かったし。
　事故原因は、急に左にハンドルを切ったことであり、さらに急にハンドルを切らないといけない状況を生み出した事象が、根本的な原因である。と推測する。
　まあ、”通りすがりのおじさん”の推論なので当たっているかどうかは知らない。

　横転したバンの運転手さんはお気の毒に、クリスマスイブだってのに。

　この時期の運転はいわゆる”防衛運転”が非常に重要であると思う。前方で何かが起きても回避できるような運転が。

　そして今の日本で必要なのは”防衛医療”　・・・・・・、やな話だけど。前や後ろや横から刺されそうになってもよけられるような医療行為が必要。いろんな意味で。”理不尽”に対応できるような姿勢が必要。

　私が学生時代、空手道部に入部した頃、6年生の先輩からこう言われたことがある。
　”医療の世界は理不尽なことが頻繁に起こる！！！、だから、お前たちも今のうちからその理不尽になれておけ！！！！”　と。そして1年生だった私たち同級生5人は4,5,6年生から毎回、ぼこぼこにされ、痛みと衝撃に耐え切れず床に倒れこんだらさらにサッカーボールキックを受け、そして立ち上がった瞬間、突きを受けさらに倒れていた。そんなこんなで、理不尽に慣れさせてもらったような気がする。そして同級生5人は誰一人として脱落することなく、空手道部を卒業した。（医学部を卒業したことよりも、実は、空手道部をちゃんと卒業できたことのほうが当時は嬉しかった）。もちろん、今、母校の空手道部ではこんなことはしていない。今は昔である。

　昔話ついでに、空手道部の話をしよう。書ききれないほどの逸話があるが、笑える話だけを。いわゆる”武勇伝”は書かない。

　当時は、毎年冬になると、大山にスキー合宿にいっていた。1年生のとき、なぜか先輩に道着をもって行くように言われた。そしてスキー場につくと、スキーウェアではなく、”道着に着替えろ”と、そして空手道着一枚を来てスキーを履いて　”頂上まで行き、直滑降をしろ”　と。いろんな意味で寒かった。転倒したら大変、なので転倒するわけにはいかない、でも先輩たちは大ごけすることを期待しているので、転倒しないわけにもいかない。どうしようか考えながら、滑り降りていたら、そのままリフト乗り場まで普通に直滑降してしまった。先輩からは　”つまらんなー”　と言われた。それでもその後は普通のスキーウェアに着替えさせてもらったが。
　そして2泊のスキー合宿が無事終わり、帰り道、湯原温泉の”砂湯”と呼ばれる川沿いの露天風呂に連れて行ってもらった。温かい風呂に入っていると、先輩がまた無茶を言う、”川を泳いで向こう岸までいって帰って来い”　・・・・・・。まじで・・・・・、同級生、お互いを見つめあい、そして　”押忍！”　といって、裸のまま水温0度の川を泳いだ。これは本当にやばかった。なにがやばいって、男の大事なあそこが極度に冷却されて激しく痛い。途中までいったところで命の危険を感じて先輩にその旨大声で伝えると、満足したのか大喜びで帰ってこいと言ってくれた。

　さらに、この冬の時期も裸足で走ったりしていた。旭川まで走っていってそこで練習をしたりする。ここでも同じようなことを言われる、”旭川を泳げ”　と。”えー、今、冬だぜ”、と思いながらも、泳ぐしかない。それが、空手道部だから。
　この、旭川寒中水泳には笑えない話がある。ある年、寒中水泳をしていたら（＝させていたら）、通りかかった人が警察に通報し、パトカーが来て警察官が二人降りてきたことがあった。そして、いわゆる職務質問を受けた。しかし、”我々は医学部空手道部で、ただいま練習中であります！！”と言ったら、さすがに警察官も感心して　”怪我や事故の無いようにだけ気をつけて、練習に励んでください、押忍！”　と言って敬礼してくれた。話の分かる警察官でよかった。

　ここに書いた事は実際に私がしたことであり、私も後輩にさせたことである。こんなもんよ、体育会系武道系部活動ってのは。おかげで、後輩諸君も医療の世界で逞しく働いている。
　余談だが、私の後輩に水泳経験者がいた。彼に”旭川を泳いでこい！”　というと、”押忍！”　と言ってなんとバタフライで泳ぎきってしまった。空手道着を着たまま。そんな彼も今は立派な整形外科医。

　さて話を戻して、今日買ってきたのは、ロブスター。