クラウンの治療費

 11月22日

 いま、欠けた歯の治療費を支払うため、小切手を書いていた。

 左下顎第2大臼歯の欠損の治療:根管治療、ビルドアップ、ハイブリッドクラウン
 左下顎第3大臼歯の抜歯

 以上の治療で自己負担金、約1000ドル。

 私の購入している歯科保険は1年間の上限額が1500ドルなので、今回、治療費総額2200ドル。保険会社の負担が1200ドルだったことになる。

 これは日本と比較して高いのか?って話になるが、どうも日本ではハイブリッドクラウンは保険適応外で自由診療になるらしい。

 なので比較は不可能。

 ただ、日本で保険適応になるクラウンを使用して治療を受けた場合と比較するとビックリするぐらいの高額自己負担。

 日ごろから決して安くはない保険料を払い、そして限度額が設定されているアメリカの歯科保険。

 今年はもう、もしも歯に何かが起きて治療が必要になっても全額自己負担しなければならない・・・・・・・・・・。


 知り合いの日本人の方の中で何人か、歯科保険に入っていないのでアメリカでは治療を受けず、日本に帰るときまでその歯の異常をやむなく放置している方がいる。


 資本主義、小さな政府、低福祉国家、貧富の差、高額な治療費、それがアメリカの医療の現実です。

 お金持ちはとてもすばらしい医療保険を購入し、もしものときもほとんどが保険会社によって支払われ、しょぼい保険しか購入できないか全く保険が購入できない貧民は、もしもの時には自己破産。

 アメリカでの個人の自己破産の原因の半数が高額な医療費が支払えないことによるって皆さん知ってますか?

 医療保険を購入していても、自己負担金が高額となり払えない状況になる人も沢山いるのです。保険会社も当然、資本主義にのっとって運営されていますから、赤字になるようなことはしないわけです。

 それと、日本での医療の保険適応の有無は国が決めていますが、アメリカでは保険会社が独自に決めているのです。

 私がアメリカでかかわっている治療が時々、延期もしくは中止になることがあります。その原因のほとんどが保険会社による支払い拒否によるもです。

 アメリカで高額医療を受けるとき、あらかじめ患者が保険会社に連絡して交渉する必要があります。

 そして、保険の適応とならないと判断されてしまったら、裁判を起こして保険会社に対して保険の給付をするように求めるか、あきらめて自分で払うか、さらにあきらめて受けるべき治療を断念し死んでいくか、それとも自己破産を覚悟で治療を受けてしまいそして確信犯的に自己破産するか、もしくは善意にすがり寄付金を集めるかのいずれかです。

 This is America.