尖閣諸島中国漁船衝突事変から1年

 9月7日、晴れ

 秋晴れの美しい日。

 いつものように産經新聞を読む。

 1年前に起きた尖閣諸島中国漁船衝突事変が特集されている。

 そう、あえて事故ではなく、事変と言わせてもらおう。

 1年前、この事変の事をアメリカで知った。

 激しい憤りと、政府の弱腰の対応に情けなくなった事を思い出す。

 そして、1年後の今日。

 日本に住む日本人達はいつも通り、偽りの平和を楽しんでいる。

 なんだか、私も平和ぼけした愚民の一人になってしまったのかもしれないなと思う・・・。

 アメリカにいた頃は、いろいろな国の人間と仕事をしていた。

 特に、印度人たちの厚顔無恥に呆れ、こんな危険な人間達もいるんだと驚き、世界ってのは危ない奴らが沢山いるんだと知った。そう、そんな危険な奴らと席を並べて働いていた。保身の為なら嘘をつく事も正当化されるという生まれつきの詐欺師たち。嘘もしゃべりまくれば事実になると思っている奴ら。そんな危険な奴らと共存し、叩きのめし、支配し、自分のやるべき事を行い、正論を守り、自分の主張を説明し、科学的に証明し納得させる。

 それはまさに闘いだった。


 一方、今の生活。

 平和だ。

 職場のオフィスで私を囲むのは誠に紳士的な、日本の医師達。

 ヤバい奴なんか一人もいない・・・。

 嬉しい話なんだが、平和ボケしてしまうに十分な環境のような気がする。

 話せば分かるし、話さなくても阿吽の呼吸で万事がうまく行く・・・。

 しかし! 世界ってのはそうじゃない!

 今の中国のように、尖閣諸島を堂々と自国の領土と言い張るようなふざけた輩が沢山いるってのに。

 先日、中国の調査船が尖閣諸島周辺で領海侵犯した。

 新聞を読み、この事を知った時、近くにいた若い内科医に私はこう言った。

 ”なあ、中国が領海侵犯したぞ。しかも、日本国の領土を自国の固有の領土とほざいている。これはもう、戦争になるかもな。”

 しかし、その若い内科医はこう言った。

 ”ええええ??? なんでそうなるんですか? 話の流れが良くわかりません・・・”

 ・・・・・・・・・・。

 日本は第二次世界大戦に負けた後、北方領土を理不尽にもソ連に占領され実行支配され、現在に至る。そして、竹島、これも終戦後に韓国に武力制圧され、実行支配されたままだ。

 敗戦後の日本人は、日教組およびアメリカ主導の自虐的歴史観を植え付けられ、政府も謝罪ばかりを続けている。一方、中国は国民に徹底的に反日感情を植え付ける教育を行っている。

 こうして日本人の誇りは損なわれ、情けない国民となった。

 我欲、物欲、性欲を中心とした思考。

 いかに国家、国土が大切な存在であるかは忘れ去られてしまった。

 命の重みさえも、軽んじられるようになった。

 先日も、大量殺人未遂が起きたよな。

 ”誰でもいいから殺そうと思った。そして死刑になろうと思った。” ってか?

 ふざけるなよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 (死刑執行が出来ない、昨今の腰抜け法務大臣にも同じ事が言いたい!!!)



 今でも忘れない。父から聞いた話を。

 当時、私の祖母は腎不全を患い血液透析をしなければ生存する事は出来ない存在だった。

 しかし、当時、血液透析は保険適応になっておらず、父が貯蓄を切り崩し家族が貧困に苦しみながらも毎月数十万の治療費を払い続けていた。

 父としては必死だったろう。母親の命を守る為に、日夜働き、家庭を守り、それでも毎月大赤字の生活を送らねばならぬ状況。

 そう、命を守るには金がいる。母の命を守る為に、自らの命を投げ打ち日夜激務を続ける。

 これが当時の私の父の生き様だった。


 一方、今の日本。

 数十万円必要な血液透析を受けて患者の自己負担はたったの1万円(一定以上の所得のある人は2万円)・・・・・・・・・。

 病院が受け取る数十万ってのも安すぎると思うが、自己負担がたったの1万円・・・・・・。

 良い時代、良い国になったもんですなー!!!!!


 祖母の命を守る為、家族の生活を守る為に自分の命を投げ捨て私の父が血ヘドを吐きながら働いていた時代と、たった1万円で数十万の治療が受けられる今の時代。

 いったい、どちらの時代の日本人が強いんだろうな。


 行き過ぎた社会保障

 大赤字の財政状況の日本国。

 それでも医療は激安。

 そう、世界的に見て今の日本の医療は激安なんだぞ。

 自己負担の額だけを言っているんじゃない。診療報酬そのものも激安なんだぞ。

 日本の医療機関が受け取る診療報酬は、アメリカのそれと比較してたったの10%程度である事実を忘れないで欲しい。


 高福祉、高度医療、低負担。

 こんな状態が長続き出来るわけが無い。

 それとも、ここからさらに医療機関、医療従事者の首をきゅっと閉めようとするのかな? 今の日本人達は。

 今でさえ、窒息寸前の日本の医療現場にとどめを刺すのかな?

 医療費の削減? 医療の無駄の排除?

 いい加減にしろよ。

 現状でさえ、赤字の病院が多数を占めるってのに、これからさらに医療費の削減?

 するべきはそんな事じゃない。

 国による社会保障の縮小。これこそが今の日本政府が遂行すべきことだ。

 まあ、出来ないだろうかな。今の衆愚政治では。



 以上が、日夜、同朋の命を救い続ける日本人外科医の主張です。