今の日本の医療の問題

 9月23日、晴れ

 秋晴れ!!!

 It's a beautiful day!!!

 さて今日は休日ですが当然のように、朝回診するために出勤。

 入院患者全員絶好調!!! 続々軽快退院!!!


 さて、回診を終えてから医局で新聞を熟読。

 日経新聞産經新聞、スポーツ新聞・・・・・を熟読。

 朝日新聞は流し読み。まったくなあ、読む価値のある記事が無いよな、朝日は。むしろ読んだらアホになる(思考力が失われる)ような記事が多い。


 さて、そんな新聞記事の中でもじっくり読んだのが産經新聞の以下の二つの記事。



 多分、しばらくしたら読めなくなっちゃうので今のうちに読んでみてください。

 朝日にはこんな記事ないからね、特に朝日読者の方にはお勧めです。

 上の記事で取り上げられている国保田老診療所所長、黒田仁医師。

 お疲れさまでした!!! 今までのご苦労、報われる事無くその場を去らねばならぬ無念、察するに余り有ります。

 たった一人の医師としてこの有床診療所(診療所になる前は病院だった)を4年間支え、月1回、代診の医師が来る28時間が唯一の完全なオフだった・・・・・とは・・・・・・・・。

 まさに奴隷。

 そう、黒田医師、あなたは奴隷なんだよ。

 それに気がついていましたか? それともやりがいをなんとか見つけて自分の不安をごまかしてましたか? いつかは行政が分かってくれると信じていたんでしょ? でも、分かってくれませんでしたよね・・・。

 この記事の中の以下の一文。

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 幾度となく医師の増員を市に要望したが、かなえられなかった。「ずっと田老にいてもいいと思っていたが、昨年2月、市長は市議会で『診療所の医師数は充足している』と答弁したんです。何度か市側と面会しましたが、話し合いにならなかった」
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 だろ、これが日本の医療行政だよ。

 特にな、公的病院で働くとな、こういう目によく遭うんだよ。

 まず一つ、あなたが上記のように”奴隷のように働いた”からこうなったんだよ。

 地域住民の為に俺は死んでも良いから頑張る!!! 自分が頑張ればいつかはこの状況も改善される!!! って信じていたんだろ。

 そんなわけ無いんだよ。むしろ逆だよ。

 頑張れば、頑張るほど行政は”医師=奴隷”って構図を確信しこういう動きをとるんだよ。今の日本は。

 さて、それでは今の地方の行政がなんでこんな非道な事を医師に強要するか? それを考える必要がある。

 それは、田舎の小中規模の公的病院はそのほとんどが大赤字。財政的には地域行政の大荷物なわけだ。

 なので、少しでも経費を削りたい。

 そこで、医師=奴隷ってなわけであなたを限界まで酷使するわけだ。実情を受け入れずにね。増員したら人件費がかかるからね(人件費がかかると言っても日本で働く医師の年収はアメリカで働く医師の2、3割ってことを忘れないで欲しい!!!!! 時給にするとさらにひどい給料なんだぞ!!!!!)。

 だから頑張れば、頑張るほど状況はひどくなって行くんだ。

 なぜ地域医療を守るべき地方行政がその地域医療を支える医師を軽視し、奴隷視するのか??????? 今の行政を行っている奴らってのはそんなもんなのかな? 福島県の医療行政がひどいってのは以前から有名だったけど、岩手県もそうなのかな・・・。


 次に、なぜ田舎の小中規模の病院は大赤字になるのか。

 これにはいくつかの要因があるのだけれど、その最も根本的な原因は診療報酬にある。

 特に田舎の公的病院は不採算部門を削る事も出来ず、高齢者の相手を沢山しないといけない。

 高齢者の相手を沢山して、地域が必要としている医療を提供しても大赤字になってしまうのは、今の診療報酬に原因がある!!!

 ではなぜ診療報酬がそんなに安いのか? まじめに頑張っても、薄給で働き続けても赤字の田舎病院。

 高福祉、高度医療、低負担。これがさらに根本的原因。

 高度な福祉や医療を受けても、患者(自己負担)および国民(医療保険料)の負担は超激安。では誰が払うか? 国だよね。保険者だよね。

 今や医療は財政赤字の大問題。

 なんでそんな事になったのか?

 それは日本国民にちゃんとまともな額の負担を求めていないからだよ。

 高額療養費制度なんて世界的に見てあまりにも馬鹿げた制度があるしな、この日本には。


 え? なんでそうなるかって? 衆愚政治だからだよ。

 愚民を満足させる為に、福祉の充実、医療の充実なんて詐欺師政治家どもは連呼し、そして医療関係者から搾取する事でそれを実現しようとしてるのだから。

 最後に、この記事の最後の部分を引用
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城西大学の伊関友伸教授(行政学)の話≫

働きたくなる「物語」が必要

 「病院の再編はやむを得ないが、市町村合併前の自治体規模に一つは『まちの病院』と呼べるような医療機関が必要だ。最先端の大きな病院でなくてもいい。高齢者が通える距離に生活を支える医療機関がないと、安心して地域で亡くなることができず、人口流出が進む。診療所でも、入院機能があれば複数の常勤医の配置が必要だ。医療に理念のある医療機関には若い医師が集まる。高齢者医療が学べるとか、在宅医療が習得できるとか、医療機関としての特徴を作ることが必要で、研修を充実させ、過酷すぎない勤務態勢を整える必要がある。医師を呼ぶのは給料の多寡ではなく、そこに医師が勤務したくなる『物語』があるかどうかだ。首長は地域の医療のあり方に理念を持つことが必要で、それがなければ、医療機関も存続しないし、町も存続しない」
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 この部分を読んで皆さんはどう思っただろうか?

 私はこう思う。

 物語????? あんたアホか? その物語で医師を働かせようってのか??? ”物語”で医者をだまして”やりがい”を生む??? 勤務したくなる物語??? 理念???

 そんな平和ぼけした事ばっかり言ってるからどんどん地域医療が崩壊していってるんだろうが!!!

 馬鹿野郎!!!!!

 地域医療を担う野戦病院の医師達、医療関係者達に必要なのは”物語”ではない!!!  ”インセンティブ”だ!!! それが理解出来ぬ限り、地域医療に明るい未来は無い!!! その事を日本国民達も理解せよ。

 なあ我欲よ・・・・・。