37歳で医者になった僕~研修医純情物語~

 4月20日、雨

 雨が降る中、ジテ通。

 ブレーキが利かない・・・。

 ロードバイクにとって雨は点滴、じゃなくて天敵。


 さて、先日から放映開始されたテレビドラマ ”37歳で医者になった僕~研修医純情物語~

 主人公
 紺野 祐太 (37) - 草?儒剛
ある事情により帝光食品会社営業開発本部のエリート社員を捨て、30歳で辞職する。1年間勉強したのち医学部に入り直し、37歳にして東央医科大の研修医となる。「患者が本当に求めている医療サービスを提供したい」という信念を持つ。自身の理想とは異なる、大学病院の旧態依然とした体制や、その現実を目の当たりにする中で、信念のもと懸命に行動を起こしていく。

 そんなドラマなわけだけど、この主人公に賛同する点もあれば、そりゃあかんやろ!と思う点もある。


 なんでこのドラマのことを記事にしたかというと、日本に帰って来てから強く思う事があるからです。

 それは ”日本の医者は阿呆だ” です。

 常日頃、日本の外科医の”技能”と”診療能力”は世界最高と言ってはばかりませんが、人間性は幼稚で、社会性に乏しく、組織を運営していく能力に欠ける人が多い、そう感じる事が頻繁にあります。

 日本の医者は、医学部に入学し6年間、医学を勉強し医師国家試験を受験して合格したらいきなり医者になれる。

 そして国家試験に合格したら病院に就職し、医者として働く。そして、そのままずーっとこの医療の世界しか知らずに年老いていく。

 その姿は私の目には、”井の中の蛙”、”裸の王様”、と写る訳です。

 4月になり、1年目の医者=研修医がうちの病院にも来ましたが、とても社会人とは思えない。

 平和ぼけした阿呆。

 そして、そのままこの小さな世界で暮らし続けたおっさん、おばちゃん医師達も、阿呆。

 そりゃ、この世界最高の長寿命を誇る日本の医者の”診療能力”は世界に誇れる物ですが、それ以外があまりにも稚拙。


 今も昔も、医療以外の世界の人とも交流する機会があるのだけれど、優良企業の就職競争率は数百倍から数千倍。

 一方、医者は就職出来ない事はまず、ない・・・。


 なにが言いたいのかうまく伝わらない文章ですが・・・。

 患者の治療に関してはあまり問題を感じないのですが・・・。

 その組織の運営能力があまりに日本の医者は乏しいのです。

 組織をうまく動かしていく能力がないのです・・・。

 リスクマネージメント、ヒューマンエラーの管理が出来ない。

 よりシンプルでエラーも減らしつつ、収益を上げる為の組織運営。その知恵がない。

 自己流で、思いつきで、思い込みで組織を翻弄する。それが現状。

 特にヒューマンエラーの管理や業務の効率化に関する知識、能力に乏しい。

 そして、高度な専門職として誇りを持ち、品格を持ち、自らの存在価値をアピールする能力がない・・・。

 結局は事務方にうまい事だまされて、良いように使われている・・・。

 ”患者さんの為ですから” なんて言われてだまされて。

 勤務医=阿呆=奴隷。 そんな感じかな。

 そう、阿呆って書いていますが、診療レベルは極めて高いんです。

 でもそれ以外の事に関して、阿呆・・・。

 だから日本の医療はコンビニ化したんじゃないかと思う。

 社会保障の充実をうたい、財源もないのに愚民に大盤振る舞い。そのしわ寄せを医療従事者が受けているのに、”患者さんの為ですから” にだまされてお互いの首を絞める医者達。


 アメリカのように医者になる為にはいったん社会人になって経験を積んでから医学部に入る方が良いと思うよ。

 世間の厳しさを経験し、そして医者の尊厳を理解し大切にする気持ち。

 安売りしすぎなんだよ、日本の勤務医は。

 その安売りが日本を救うのなら良いが、そうではないんだから。

 医療のコンビニ化、少子高齢化、国家に寄生し依存する愚民の増長、沸き上がる福祉国家亡国論。

 まさにこのコンビニ化した医療が日本人を堕落させ、命の重みを忘れさせ、自己管理の重要性を忘れさせ、愚民のご機嫌とりをし続ける日本国の財政は困窮し亡国へ向かって突き進んでいる。


 社会保障と一体化した税制改革には反対です。

 そんなもん必要ない。

 金がないなら社会保障を縮小するのが当然だよ。

 高齢者の1割負担をやめろよ。

 とっとと高額療養費制度をやめろよ。

 高額療養費制度なんて、世界的に見てあり得ない制度なんだから。



 さて、話を戻します。

 何か職場で問題が起きた時に、先輩医師が ”そんなんこうしたらええやんか。それが一番確実や。” と思いつきで言う事があります。

 え????? それでこの問題は解決するのか? 医者の業務が増え、看護師の業務が増え、個人の責任のみが増え、そして全体としてはリスクが増すだけじゃないか・・・。

 でも、この世界だけしか知らず、MBAの資格も当然なく組織運営を系統だって学んだ事がなく”自分は常に正しい”と思い込んでいる井の中の蛙を説得するのは容易ではありません・・・。


 私もかつてはその井の中の蛙の一人でした。

 しかし、渡米し巨大なラボで働いて学んだ事はあまりにも多い。

 さまざまなタイトルの人がお互いに協調しながら巨大組織を動かしていく。

 その巨大組織の底辺の研究者として働いた経験。

 それは辛く、そしてかけがえのない経験でした。

 そんな私には今の日本の医療が抱える問題がより鮮明に見えます。


 重ねて言います。

 日本の医者の皆さん。

 あなた方は阿呆です。

 特に勤務医の皆さん。いちど医者をやめてシャバで働いてみませんか? 通用しませんよ、その考え方。そして、世界最高の医療集団として、自分たちの存在価値をもっともっと強く主張しませんか?