雪の舞う中

 1月26日、晴れのち雪

 今日は土曜日。

 今朝、AM6時過ぎにiPhoneがけたたましくなった。

 そしてすぐに病院に向かった。

 外気温は-1℃だった。

 そして患者の診察をして各種検査オーダーをした後、手術室の看護師さん、麻酔科医に連絡を入れ緊急手術の段取りをしつつ、上司と後輩に手術の手洗いをお願いする為に電話をかけた。

 いつなんどき、誰の挑戦でも受けるって訳でもないが、あらゆる状況に即座に適切に対応し、そしてためらう事無く、緊急手術を行う事を決断する。

 その迅速なる対応、決断が患者の生死を分ける事が良くある。

 それが求められるのがこの外科医って立場。

 後手に回っちゃいかんのだよ。

 つねに一歩でも良いから先を見越して生きて行かねばならぬ。

 入院患者の異常にすぐに気付いてくれた非常に優秀な病棟看護師さん。適切に対応してくれた当直の先生。即座に駆けつけてくれた上司、後輩。そして、手術の準備を迅速に行ってくれた手術場の看護師さん、麻酔科の先生のおかげでその患者に最適な対応が出来た事を誇りに思うとともに、皆様方に感謝したい。


 そして、緊急手術を終えて昼過ぎに帰宅した。


 仮眠をとった後に、家事に勤しむ。

 三女を風呂に入れ、キッチンを磨き、長女・次女とボードゲームを楽しんだ。


 すると、外では雪が舞っていた。

 それをみた三姉妹は寝間着のままサンダルを履いてランタン片手に庭に飛び出した。

 庭には5mmほど雪が積もっていた。

 外気温-0.5℃。

 よくもまあ、サンダル履きで寝間着のままで遊べるもんだ。

 コロンビアスポーツのウィンタージャケットをクローゼットから持って来て着せた。

 うっすらと積もる雪をかき集めて来てちび雪だるまを作っていた。

 ズボンの裾には雪が付着し、足はサンダル履きなので冷たいはずなのに、キャーキャー言いながら走り回っている。

 -30℃の世界で生きて来たミネソタ帰りの三姉妹には-0.5℃なんて何ともないのだろう。

 久々に積もった雪を前に、あのころの楽しい記憶がよみがえり無邪気に遊んでいた。


 あ! 三女が転んだ。ジャケットもズボンも雪に埋まった。

 立ち上がった。そして、笑顔で再び庭を走り始めた。

 こんな姿を妻とともに見守っていたのだった。


 ただ、その後、寝間着が濡れて汚れてしまったので御着替えをしなければならなくなった。

 洗濯物が増えたな・・・。

 まあ、あの笑顔をみられたから少々洗濯物が増えたって気にはしない。