冬の雨

 1月8日、雨

 雨、雨、雨

 6時頃に目が覚めた。

 お手洗いに行った。

 やな音がする・・・。

 そう雨音がする。

 外を見ようかと思ったが見ても仕方が無いと思い、再び布団に潜り込んだ。


 外気温は4℃程度と暖かい。

 ただ、雨の中ジテ通すると、お尻と太ももがびしょ濡れになってナイフで刺されたような痛みが皮膚全体を襲うのだ。

 職場についてびしょ濡れになったアンダーウェア(アンダーアーマーcold gearのレギンス)を干しておいて帰るころには乾いてくれる事を期待して仕事をするわけだが、濡れたままのレギンスを着る事になる・・・。これって結構がっかり感が強い。

 今朝、6時に布団に再び潜り込んでそんな事を考えていた。

 そして、一念発起してある事を実行した。

 それはレギンスの上に履いているショートパンツに防水スプレーを塗布してみるってこと。

 塗布してから使用するまで10分ぐらいしかなかったので、まだ十分に乾いていない気がしたが、どうだろう。

 そして、激坂を下り始めた。

 水たまりを通過する。

 気前よく後輪が雨水を巻き上げお尻を濡らす。

 冷たい!!!

 お尻の部分が濡れて冷たい、が、中まで浸透する水がゼロでは無いがかなり少ない。

 職場に着いた。

 いつもなら、下着までびしょびしょになるのだが、今日は大丈夫だった。

 Nice!!!

 それでも車輪が巻き上げた泥水で顔面砂だらけ。

 バックパックのレインカバーも泥だらけ。

 全部タオルで拭いて、シャワーを浴びる。

 ここら辺が、病院勤務って良いなって思う瞬間。

 当直室の横に、暖かい温水が勢いよく出るシャワー室があり、バスタオルも何枚もおかれているのだから。

 まあ、私のように年がら年中、雨だろうがなんだろうがロードバイクでジテ通するような医者に今まであった事は無く、坂の上に住む医者は素敵な車で通勤している人が多い。



 そして帰路も雨。

 口に砂が入る。

 靴がびしょ濡れ。

 上には防水のウィンドブレーカーを着ているから体は蒸れまくって汗だく。

 そんなわけでそのままお風呂に直行。

 暖かいお風呂に入れる事がこんなに幸せに感じられるのも、この自転車馬鹿人生ならではかな。

 さて、びしょ濡れになった泥だらけのサイクルシューズを奇麗に拭いて新聞紙をつっこもう。




 そう、今日新聞を読んでいてびっくりした。


 ジテ通していても毎日、車の運転手のマナーの良さに感謝している。

 ちゃんと自転車と安全な距離を置いて追い越してくれる。左折したい時に、前方を私がロードバイクで走っていても無理に追い越して左折する事も無い。逆に追い越したとしても、巻き込む恐れがある場合は一旦停まって私がどう進行するかを確認してから左折してくれる(そのとき、私は絶対に左折車両の左側を通過しない。私もその車の左後方、ドアミラーで見える位置で停まって、手でどうぞ曲がってくださいってジェスチャーをする)。

 そんな自転車を大切にしてくれている県民なのに、交通事故死亡者数が全国ワースト2位とは。

 これが主観と客観的データとのずれの恐ろしさだ。

 そんなはずは無いって思いたいが、客観的データは主観が間違っている事を冷酷なまでに教えてくれる。

 まあ、この神戸、歩行者や自転車のマナーは良くない(本当のロードバイク乗りはマナーが良い)。高齢者も多い。おじいちゃん、おばあちゃんが、横断歩道では無い所を堂々とよぼよぼと暗闇の中、渡っていく姿を良く見かける。すぐそこに信号機のある横断歩道があるってのに。

 歩いている時や車を運転している時は信号を守るけど、自転車に乗っている時は信号を守らないって人もかなり多いと思う。貴方もそうではないのか??? 赤信号なのに車が来ていないからって無視してませんか??? 30-40歳ぐらいのご夫人が平気で赤信号を無視して子供用の椅子がついた電動アシスト自転車をこいで行くのを見ると、日本の未来(=こんな親に育てられた子供達)は大丈夫か???とさえ思う。

 stop signを守らない車も多い。見通しの悪い路地からいきなり鼻先を幹線道路に出す車も多い。stop signを完全に無視して交差点を通過していく車も良く見かける。そんな車の運転手は大抵、ご老人なのだ。高齢化社会。高齢者が被害者となり加害者となる。

 交通安全、これは人を思いやり、自らを律し、自己防衛を心がける。これが大切なんだけど。言ってもわからない人も多い。

 医者の言う台詞じゃないかもしれないが、あえて言おう。

 ”馬鹿は死んでも治らない”

 これが自転車馬鹿にも当てはまらないように安全運転します。

 これが今年の抱負か???