表六甲 ヒルクライム

 さて、昨日の続きを書きましょう。


 脚の喚きを抑えきれず、ロードバイクの整備をしてレーパンを履いてサイクルジャージを着て、ビンディングシューズを履いて。

 出陣。

 まず、自宅から出て激坂を下り、六甲山に登れる所までひたすら移動。

 やっぱ気持ちがいいわ、ロードバイクは。

 ただ、1ヶ月以上乗ってなかったので怖かった。

 あの前傾姿勢。こんなに前のめりだったけな・・・・・。

 そして、SPD-SLが・・・・・。

 アメリカで使っていたが、帰国してからは数回使ったのみで、この2年間は全く使っていなかった・・・。

 両面モデルのSPDだと、足下を見なくてもビンディングがはめられるが、このSPD-SLはペダルの向きを確認してからで無いと、填められない・・・・・(ただし、勘を取り戻したら大丈夫だったが)。

 途中、思い出した。

 Heart rate monitor、着けてこなかった・・・。あがががが、しまった。

 まあ、いいか。心拍数は気にせんと走ろう。


 そして、辿り着いたぜ。

 ジョリパ。

 弓木町4交差点にあるジョリーパスタ、これがとりあえずの目印。

 ここからひたすら六甲山に向かって走れば良いとだけ考えてここまで来た。

 六甲山牧場に行く時に使っている道なので車では何度か走った事がある。


 さて、ヒルクライム開始。

 ああ、なんでこんな斜度の道がずーっと続くわけ・・・。

 8%ぐらいの勾配が延々と続く。

 神戸大学のキャンパスを通過。

 鶴甲を通過。なんでこんな所に団地があるの? 住民はみんな坂馬鹿か??? すごいのう。


 ここら辺で、ペース配分が間違っている気がしてくる。

 ガンガンに踏んでいたから、もう脚が残ってない・・・、と言っても良い状況になってしまった。

 ジテ通していた頃は帰宅するとき、平坦路を走った後、約2kmの激坂を登りきればゴールだった。

 が、ジョリパから六甲ケーブル下駅まで、距離2.9km、全体平均斜度7.8%、最大標高差224m(すべてルートラボでの値)。

 そう普段と同じノリでこいでしまったので、六甲ケーブル下駅についた頃にはもうやばいやろって状態。

 ここで気持ちを切り替えて、なるべく脚を残して走る事に決定。

 当然、ここまで一切休憩無し。

 六甲ケーブル下駅を通過しそのまま川沿いの道を走り、新六甲大橋下交差点に辿り着く。

 きっつーーーーーーー。六甲ケーブル下からここまで平均斜度9.7%

 思わず笑いがこみ上げて来た。

 めちゃめちゃおもろい。

 あっはははーーーー、これや、これ。この感じがたまらんのよ。


 そして、新六甲大橋下交差点で信号待ちをした後、青になったので発進しようとした。

 バキ!!! なんと急坂での発進で左足のビンディングを填め損ない、体が右に傾いた。

 こんなとき、SPD-SLのビンディングはとっさに外す事は出来ない。そう、右足が外せず、そのまま右側に立ちごけしてしまった!

 何年ぶりの立ちごけでしょう。

 後続車に ”すんません” のジェスチャーを送り、すぐに立ち上がって交差点を渡った。

 100mほど走って、路肩に停まり、被害状況を確認。

 まず、右手首ねん挫。右手をついた時にかなり強い力が右手関節にかかったようだ。骨折はなさそう。

 そして、左大腿打撲。ハンドルで打撲したようだ。

 右下肢、擦過創。

 バイクの被害。右端のバーテープの軽微な破損。ディレーラー問題無し。

 サドルがちょっと擦りむいている。


 右手首はかなり傷む。そして、擦過創はどうでも良いが、打撲した左大腿部にペダルを踏むと痛みがはしる。

 まあ、いいや。

 よく考えたらここまで楽しすぎて、カロリー補給を一切してなかったな。

 ジャージにつっこんであった、アミノバイタルゼリーを飲む! 200kcalなり。

 後日、調べて知ったのだが、表六甲ヒルクライムのスタート地点はここ新六甲大橋下と考えている坂馬鹿の皆さんがほとんど。私はそのスタート地点で立ちごけしてしまったわけだ・・・。恥ずかしくて、人には言えない。


 ゼリーを飲み終わり坂を見上げる。

 すげえな。こんな所、自転車で登ろうってアホがいるんだな。あ、俺もか。

 さあ、行くか相棒。って、誰が相棒やねん。あ、こいつか、各地の坂をともに攻めたTrekか。

 ごめんな、こけてキズをつけちゃって。


 Armada、行きまーす! って、ガンダムかよ。


 ああ、六甲、表六甲。

 いったいどこまで続くのよ。この坂。

 まあ、すごいわ。

 10%を超える所多数。

 この普通のクランクではかなりきつい。

 ああ、コンパクトクランクー、欲しいー。

 と、汗だくで物欲丸出し。

 一桁の斜度で脚を休めつつ、10%を越える坂では気合いで踏む。

 その繰り返し。


 そして、思った。

 やっぱり神戸のドライバーは、ロードバイクに優しい。

 フラフラになって坂を登っている坂馬鹿を十分な距離を持って優しく追い越してくれる。

 ありがとね、皆さん。


 フラフラで登っていて気になるのが、他の坂馬鹿の存在。

 前方に見えてしまったら、追いつきたくなるし。後方から迫って来たら、意地でも抜かれたくないし。

 が、誰にも会わず。

 そんな感じで、もうあかんやろこの坂、と弱気になっていたら。

 凄い物が視界に飛び込んで来た!!!

 ??????????????????

 激坂を自転車で下ってくるおじさんが!!!!!

 えええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!

 ママチャリ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 なんでやねん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 この表六甲の激坂をママチャリで下ってくるってことは、おっちゃん、登ったんか??? それでか???

 ママチャリでか???

 それ、普通のママチャリやん。バッテリーついてへんやつやん!!!

 ああ、どうなってんねん。

 まてよ、こうして俺が汗だくで登ってるこの坂って、ママチャリでも登れる程度ってことか?

 その程度の坂か? これが?

 そんな坂を、俺は必死こいて登ってるわけ?

 なんか、アホみたいに思えて来た。

 なんだー、ママチャリでも登るんだー、だったら余裕じゃん。だって、こっちはロードバイクだもん。

 そう思うとずいぶん気が楽になった。

 って、ホンマにママチャリで登ったんか? こんどあのおっちゃんに出会ったら聞いてみよう。


 そんなこんなで、フレームやEdge705の画面に大量の汗を落としながら登り続けた。


 ついに丁字ヶ辻交差点に辿り着いた。

 ありゃ、ここ右折? 左折?

 どこに行きたいの?

 そう、六甲山山頂に行くと言う目標を持っていたが、どこが山頂か調べもせずに出かけて来ちゃった・・・。

 看板を見ると右折らしい。

 そして、5%ぐらいの緩い坂を登り、山頂らしき所に辿り着いた。

イメージ 1

イメージ 2

 良い眺めだ。

 さあ、帰ろう。

 途中、鉢巻展望台で記念撮影。
イメージ 3



 汗だくのまま、表六甲を下る。

 さむーーーーー!!!

 だれか新聞紙をくれ!!!

 バスは当然、追い越す。

 ポルシェについていく。

 ヒルクライムも好きですが、ダウンヒルも好きです。

 そして無事下山し、自宅に到着。

 こちらが、GPSログ
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 データを見てみると、ヒルクライムにかかった時間は新六甲大橋下から丁字ヶ辻のゲート下まで35分でした。

 ネットで調べてみると20分前半で登りきっている人が沢山いる。

 とりあえず、俺も20分台を目指そう。


 初めての六甲山ヒルクライム

 3年以上も神戸に住んでいて、いつか決行しようと思っていた六甲山ヒルクライムをこんな時にする事が出来た。

 仕事で忙しく、疲労もそれなりにたまっているが、やはり外科医の溜め込む疲労は、スポーツ選手の疲労とは全く違う。

 外科医でマラソントライアスロンにはまっている人を複数知っている。

 ”そんなに働いていて、休みの日に、そんなしんどい事が良く出来ますね” と言われた事があるが、そういう事なんだよ。

 普段、頭脳と心を酷使し働いているが、この肉体、筋肉は一切満足していない。

 それを改めて確認する事が出来た。

 だってさ、楽しかったんだよ。

 表六甲ヒルクライム

 また行こう!!!

 I'm still alive!!!!!!!