20年目

 2015年1月17日、曇り、時々、雨、雪

 そう、あれから20年が経ちました。

 もうそんなに経つんだ。20年か、、、、、、

 昔のことはほとんど忘れて記憶にないが、あの時のことは忘れないな。

 テレビで見た惨状。高速道路が倒壊し、街が燃え、ビルが倒れ、家屋は潰れ。

 あの街に今、住んでいる。

 ここで何人もの人が亡くなった。

 小さな子供も亡くなった。

 家屋に潰された友人を助けようとしたが、助けることができず火の手が迫る中、命からがら生き延びた人もいた。

 そして生き延びた方々は、理解した。

 亡くなった方の分まで力強く生きなければと。

 命の儚さを知った人たちは、強い命を手にいれた。

 強い心を手に入れた。


 半壊した病院で負傷者の治療を続けた知り合いの病院長。

 半壊した病院で普通には病室にアプローチできず、病室の天井を突き破って入院患者の救助に当たった消防隊員が見たもの。

 この数年間でも様々な話を聞いた。


 昨日からこの1995.1.17阪神淡路大震災関連のテレビ番組が続いている。

 新聞でも数週間前から当時のことを伝える記事が続く。

 それを見ながら、読みながら思った事がある。


 子供達。

 子供達の力。

 子供達の愛。

 そう、子供達の存在を強く感じた。


 普段から思う。

 こどもってすげーなあ、と。

 たとえ日常が完全に崩壊し、住む家、着る服、食べるものが失われても、子供達は前を向く。

 大災害を受け入れ、それを前提に生きていくことを何の躊躇いもなく決意し、自分がどんなに苦しい状況に置かれても希望を持つ。明日に向かって生きて行く。

 それができるんだな子供達は。それを改めて思った。

 環境適応能力が高いと言えばいいのだろうか?

 ぜひ専門家の方にここら辺のことを伺いたい。

 大人たちが、希望を失い、自暴自棄になり、世を恨み、地球を恨み、明日を夢見ることができない。そんな状況でも子供達は力強く逞しく今を生きていく。

 それを見て、私たち大人は目を覚まし、前を向きなおし、今を生きることを再び思い出す。

 子供達に勇気をもらい、希望を持ち直し、力を振り絞り生きていこうと思うことができるようになる。

 子供達って大切だよね。ありがたいよね。



 なあ、娘たちよ。

 お前たちも頑張れよ、父さんも頑張るからな。

 って時々言うけど。

 いや、逆なのかな、、、、

 お前たちがこうして頑張っているから、父さんも頑張れるのかな。