comcastについて(続報)

 6月26日

 今日はアメリカのインターネットプロバイダーについて私の経験をふまえて、記載したい。なるべく簡潔に書きたいと思う。

 ここミネソタでは主な選択肢はComcastかQwestの二つだ。それ以外にもUSI wirelessなどの無線LANサービスがあったり、複数のプロバイダーが存在する。固定電話、ケーブルテレビ、インターネットサービスの3つをひとつの会社でそろえようと思うと、ComcastかQwestのいずれかになる。

 私は4月上旬にcomcastに依頼して固定電話、ケーブルテレビ、インターネットサービスを設置してもらった。そして毎月、支払いの小切手を送るのも面倒なのですぐに自動引き落としの手続きをネット上で行ったのだ。いずれのサービスもまずまずの質で満足していた。時々、インターネットの通信速度が低下するがそれほど苦痛に感じるほどでもなく、今測ってみるとyahoo!BB ADSL speed checkerで下り4376 Kbps、上り2057 Kbps出ている。
speakeasy-speed test
http://www.speakeasy.net/speedtest/
で測定すると恐ろしい結果が出る
download speed 29117kbps, upload speed 9408kbps
私が利用しているのは光ファイバー回線ではなくDSL 15Mbpsのプランだ。公称値の約2倍の速度が出ている。このスピード測定サイトの精度に疑問を抱くほどすごい。

 その後も、サービスに不満は感じていなかったが、ひとつ問題があった。5月の引き落としが行われていないのだ、ネットで確認してみると自動引き落としは確かに手続き済みになっている。そして引き落としが行われないまま、6月になった時やっと自動引き落としAuto payの明細書が届いた、自動引き落とし日は6月27日になっていた。請求額も5月分を含めて$279になっている。なんで自動引き落としの開始に1ヶ月以上かかった(手続きから実際の引き落としまでは2ヶ月以上かかっている)のか疑問に思ったが、これで支払いも問題なくいくと思った。

 6月24日
 問題はこの日に起きた。6月24日に突然、comcastから請求書が届いたのだ。その請求書の発行日は6月14日、なんで6月24日に届いたのか疑問に感じながらも文面を読んだ。自動引き落としAuto payの手続きは完了し、6月27日に引き落としをする旨の書類が既に届いているのに、この24日に届いた請求書には”$293の未払いがあり、6月26日までに小切手を郵送するか直接出向いてpayment centerにて支払わなければサービスを停止する、もしその後再開を希望するのならば再開にかかった費用を負担せよ”と書いてある。なんじゃそりゃあ!。すぐに請求書に書いてあるcustomer care representative 24 hours a dayに電話したら電話がつながらない、携帯から電話してもつながらない!!24 hoursじゃないじゃないか!!24 minの間違いか?ふざけるな!!もうひとつ番号が書いてあるのでそこに電話したら確かにカスタマーサービスにつながった。しかし、自動案内システムで、自動音声に従って番号をなんども押したがオペレーターにつながる事無く、実りの無い音声案内が流れるばかりだ。まるで詐欺にあったような感覚だった。
 電話では解決しないと判断し、comcastのchatによるカスターマーサービスを開始した。6月27日に自動引き落としが行われるのが決まっているのになぜ26日までに支払うように請求書が届くのか聞いてみた。そうしたら突然インターネット回線がとまった。全くインターネットが使えない状態になった。モデム、ルーター、パソコンの電源を落とし再起動したがやはりつながらない。ブラウザを立ち上げるとwelcome to comcastと書いたページが表示されactivationをしろと案内が出た、それにしたがいアカウント番号を入力すると確かに私の住所が表示され、この住所で間違いなければボタンを押せと書いてあるので押したら"現在サービスは提供されていない"(正確に書くと”提供中のインターネットサービスは見つけられない”)と表示された。なんで?。もう自宅では通信手段が無くなってしまった。再度、カスタマーサービスに電話をかけ音声案内に従って番号をおすと”モデムを再起動してください”と自動音声が流れて電話が切れた。電話が切れた瞬間、私の理性の糸もぶちっと音を立てて切れた。
 このままでは仕事にも支障が出る。仕事の予定の変更等すべてメール連絡なのだ。緊急の用事や飲み会の誘いの場合は携帯電話が鳴るが。そうでない場合は明日の予定の変更でさえメールなのだ。何としてでも早くネットが使える状況にしなければならない。そう考えアパートのオフィスへ向かった。オフィスでは無料で無線LANが使えるのだ。
 オフィスへ向かう途中、子連れの親が私を威嚇してガーガー鳴いている!!(ちなみに鴨の親子だ)。思わず捕獲してやろうかと思ってしまった。まあまて冷静になれ。かわいい鴨の親子じゃないか。子供達を守るため親ガモは必死なのだ。
 オフィスの無線LANを使用し、再度chatを始めた、今までの経過を詳細に説明したところ、私のアカウントの状態を確認したようで"未払いの料金があるのでサービスが止まったのだ"と言うのだ。何度も”自動引き落としの手続きは4月に行っていて6月27日には引き落としが行われるのにどうなっているのだ”と尋ねても、"この問題を解決したければ金を払え"と打ち返してくる。”それなら何故今この瞬間にネットが突然使えなくなるんだ”、と聞くと"そんなはずは無い、使えるはずだ"、と矛盾した返信だ。"実際使えなくなっている、activationの画面が出てそれに従いactivationを行ったがサービスが提供されていないと表示された"、と書くと、"それなら以下の手順に従ってモデム、ルーター、パソコンの電源を入れ直してくれ"、と返信されたので、もうそれは試したのにと思いつつも妻に電話してその通りにしてもらった。結果は変わらなかった。すると"いずれにしてもこの問題の原因は支払いがされていないからで、解決したければ明日、payment centerに行って金を払え"と返信があった。"私が今日の事を会社に報告してうまく行くように説明しておくから"とも返信があった。
 釈然としないが、このchatは1.5時間も続いている。それなのに"原因は支払いにある"としか言わない。もう私もあきらめる事にした。これまで丁寧な文章でchatを行っていたが、"今回の問題の責任は私にあるとは思えない。支払いが遅れているのは貴社のauto paymentのシステムに問題があるからだ"、と入力したところ"comcastを使用してくれてありがとう、また何かあったらこのchatサービスを利用してください、ありがとう"、と返信があり強制的にchatが閉じられた。 二度と使うか!!ばかやろう!!
 日本の企業であればこんなカスタマーサービスはありえない。日本で、カスタマーサービスとのやり取りでここまで不愉快な思いをした事は無い。

 6月25日、朝から体調が悪い。消化器系の症状だ。ストレス性胃腸炎と判断し、症状が改善した夕方にcomcastのpayment centerに出向いた。窓口では穏やかな口調の小柄な黒人女性が対応してくれた。横柄な態度を取る人に対応されていたならそれこそ我慢の限界を超えていただろう。しかし、この女性は丁寧に対応してくれ、きっぱりとその小柄な体からは想像もつかないような力強い澄んだ眼差しで"これは支払いが原因のトラブルではありません!"と言い切った。そして"6月27日に引き落としがされるのならばそれで全く問題はありません"、とも言った。何だったんだ、昨日のchatは!!。しかも昨日のchatで対応した人物からは何の情報ももたらされていないという。彼女はすぐにcable guy(space alcで検索してみると”テレビの修理屋”と表示される。私なりに訳すと”ケーブルテレビ会社の現場作業員”だ。各種設備の設置、修理を行ってくれる)の手配をしてくれた。

 6月26日、PM4-6時の間にcable guyが来るのでいつも以上に集中して仕事を終え、同僚および上司に事情を説明し帰宅した。上司は”いいよ!全く問題ない。今日もいい仕事だった。ありがとう”と言ってくれた。
 そして彼はやってきた。全身入れ墨で頸部にはカタカナで入れ墨をしている。いつも通り、申し訳ないが玄関で靴を脱いでくれと頼み部屋に入ってもらった。彼は本当に手際が良かった。プロの仕事だ。私のパソコンのLANの状況を確認し、無線LANルーターからLANケーブルを引き抜きモデムとパソコンを直接接続。私のパソコンは日本語環境なので隣で翻訳しながら作業をしてもらった。firefoxを起動するとwelcome to comcastの画面が表示された。私がしたようにactivationをしている。やはり”現在サービスは提供されていない”、と表示された。彼は独自の携帯端末PDAを用いてどこかと通信している。その直後、あっさりとインターネットにつながり、私の方を振り返り笑顔で"You are online !!"と言った。私も笑顔でありがとうと素直に言った。
 何が問題だったのかを彼に尋ねるとこのアパートのLANとcomcastのネットワーク間のブリッジに問題があったらしい。そこで、今までの経過を説明したところ、支払いは原因ではない事、auto paymentには手続き後、通常2週間長くて1ヶ月かかるため5月の支払いはkick outされてしまったのだろう事を教えてくれた。彼と握手を交わし、この一件は解決した、はずだ。明日、自動引き落としが正常に行われていれば。

 以前も記事に書いたが、こちらでは相手を良く選んで依頼や相談をしなければならない。comcastカスタマーサービス(電話およびchat)は本当にひどい。いつまで話をしても全く解決策は見えてこない。実はcomcast導入直後にネットに問題が発生し、chatで相談したが1時間相談しても解決せず(ド素人とやりとりしている感じだった)、結局自分で調べてネットの設定を変更し問題を自己解決した事がある。こいつはダメだめだなと思ったら深追いをせずそうそうに切り上げた方が良い。そうかと思えば今日来てくれたcable guyの様にあっという間に問題を解決してくれるプロもいる。

 アメリカ企業は上下左右の連携がとれていない事がこの一件でよくわかった。自動引き落としの明細を送ってきながら、未払い通知の請求書も送ってくるのだ。しかも、カスタマーサービスは詐欺師張りの応答をする。

 これはcomcastに限った話ではない。先日、同僚のアメリカ人が物品の発注をネットで行った。その直後、不要な物品があることが判明し、すぐにキャンセルしたが後日、キャンセルした物品が届いてしまった。電話でどうすればいいか問い合わせをしていたが、部署をたらい回しにされ頭に来た彼は、電話をたたきつけ私の方を振り返りため息をついた。私も一緒にため息をつくしかなかった。

 本当に今日来てくれたcable guyが有能で良かった。そして再開通後、インターネットのレスポンスが以前より良くなった。おかげで良い休日が過ごせそうだ。ありがとう。

 今日、妻が私の今月の運勢を本で確認したところ、”最悪”だった。風呂がつまり、角膜にはガラスが刺さり、そして今回の一件。運勢なんてこれまで信じた事は無かったが、今月はおとなしくしていようと思う。

 長文を読んでくださった方、ありがとうございました。そして汚い言葉を使った事をお許しください。