バリカン

 6月29日
 今日は仕事から帰宅後、妻に手伝ってもらい散髪をした。先日、購入したVIDAL SASSOONのバリカン(型番VSCL881C)を使用して。なぜ散髪屋に行かないかはご想像にお任せします。

 結論から言うとこのバリカンは買わない方がいい。非常に切れが悪い。なぜバリカンを購入したかというときれいな刈り上げを作りたかったからなのだが、このバリカンではうまくいかない。かなり強く髪の毛が刃に当たらないと切れない。そして大量の髪が刃に当たると一瞬動作が止まってしまう。それぐらい切れ味が悪いので思いどおりに散髪が出来ないのだ。いろいろと調節したり、注油してみたが全くの徒労に終わった。ばいーんと音だけ勇ましいが全く切れない。結局、日本から持参していたPanasonic社製のシェーバー、ラムダッシュのキワゾリ刃を用いて刈り上げをした。

 
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 これだと髪が刃に触れた瞬間にチュインっと鋭い音がしてきれいに切れる。まさに日本刀の切れ味だ!。このラムダッシュのことを今日から”ムラマサ”と呼ぼう。この切れ味をバリカンにも期待していただけに残念だった。Amazon.comの口コミを調べてみるとVSCL881Cは評価が一つしか無く3つ星だった。この口コミでも私と同じようなことが書いてある。もっと調べてから買えば良かったと反省した。安さに誘われて思わず購入してしまった自分が恥ずかしかった。そして妻に八つ当たりをしてしまったことをお詫びしたい。

 切れない道具(はさみや包丁)ほど嫌いなものはない。自宅でも1週間に1回、包丁を研いでいるぐらいだ。最近は仕事をしていてもはさみが切れないと渡米直後のように我慢せず、すぐに別のはさみを出してもらうようにしている。3個ぐらい出してもらうとそのうち一つは何とか使える状態のものがある。今では職場でも予備のはさみを何個も用意してくれるようになった(本当は始めからよく切れるはさみを出しておいて欲しい)。おかげで今日はあごひげの同僚Biが”今までの中でfastestで経過もbestだ”と大喜びしてくれた。彼の笑顔はすてきだった。このfastestってのはとても響きがいい、”なんぴとたりとも俺の前は走らせねー”って叫びたくなる。

 日本には”弘法筆を択ばず”ということわざがあるが、私の世界にはその言葉は当てはまらない。8年前のことだが、私の上司が手術中に調子の悪い鑷子をだされ、うまく組織が把持できず、頭に来てその鑷子を壁にたたきつけたことがあった。私の顔の横を音を立てて鑷子が飛んでいったのだ。すぐに別の鑷子が用意されたが、結局鑷子が3本壁にたたきつけられることになった。彼はとんでもなく手術が上手な人だったが、道具に対するこだわりも激しかった。道具が悪ければ悪いなりの仕事しかできないのだ。べつにどんな器械でも手術は出来るよって人がもしもいたらその人の技術はたいしたことがないと断言してもいい。

 ここアメリカでは日本では考えられないような安値でいいものが買えるときがある。しかし、それ以上に安かろう悪かろうの商品もあふれている。賢い消費者にならなくてはいけない、そう反省した一日だった。


 ラムダッシュに散髪をさせるのも酷なので、別のバリカンを検討しようと思う。