トヨタは叩かれる、でもフォードは

 2月6日、ミネソタ曇り

 この数日間天候が不良で、雪が降り、気温が上がり道路はどろどろの雪と水たまり。おかげで車は白く汚れてしまった。よっていつも通り2時間かけて洗車した。

 車を洗いながらトヨタのことを考えていた。実はNissan Armadaを買うかTOYOTA SEQUOIAを渡米当初に悩んだことがあったから。もしもセコイアを買っていたらたぶん今回のリコールの対象になっていただろう。Armadaにしておいて良かったなとも思った。

 ただ、単純に喜んでもいられない。トヨタのガスペダル(アクセルペダル)の問題、そしてプリウスのブレーキシステムの問題。いずれも大規模なリコールが発表されたが、これまでアクセルペダルの問題はその本質がなかなかわかるような報道がなかった。インターネットで調べてもコンピューターに問題があるとかいろんなことが言われる一方で、トヨタははっきりとその原因を発表してこなかった。最近の発表ではアクセルペダルそのものに欠陥があってペダルが戻りにくくなると発表されているが、ほんとにそれだけなの?と思ってしまう。

 そしてプリウスのブレーキシステムの不具合。初発の報道を聞いたときABSの制御システムの不具合だろうなと思ったが、ABS制御システムプログラムの不具合によって回生ブレーキと油圧ブレーキとの切り替えにタイムラグがあるとのことだった。ブレーキを踏み増しすればちゃんと車は止まるとトヨタは言うが、たとえ一瞬でも空走感を感じることは非常に不快だし、危険だと思う。そしてその症状を具体的に発表してほしいと思う。映像と実際のデータ(制動距離の変化等)を見せて欲しい。

 日本人の私から見ても、ちょっと今回の一連のトヨタの対応はまずいと思う。リコール対象車に乗っている人はそのほとんどの人が、”どこがおかしいの?全くこれまで問題ないんだけれど?”と思っている(5newsでRAV4のオーナーがインタビューされていた)が、対応が遅すぎたように思う。さんざんアメリカ議会や報道にたたかれまくった後になって対応策を発表したのは。

 しかし、もう一つ不思議なことがある。今日もアメリカのテレビのニュース番組でトヨタプリウスのリコールが何度も放送されている。しかし、フォードのブレーキシステムの不具合のことはほとんど放送されていない。


 フォードが作っているハイブリッドカー、マーキュリーミランとフォードヒュージョンにもトヨタプリウスと全く同じ不具合があり、ブレーキを制御するプログラムのアップデートを行うというもの。この対応策をフォードはなんと"customer satisfaction program"と呼んでいる・・・・・・。物は言いようってか?

 アメリカは言ったもの勝ちの国。同じ不具合でもうまく表現しつつ発表したもの勝ち。

 トヨタはリコールに追い込まれ、フォードは同じ不具合を”顧客満足計画”で対応するのだ。

 怖いよアメリカって、そこらへんが。

 なんやかんや言っても、日本を叩く口実が欲しいんだよアメリカも。

 アメリカでうまくやっていこうと思えば、ある意味、二枚舌をうまく使ったほうが良い。しかし、私は絶対にしない。”うそは泥棒のはじまり”などど、うそをつくことは非常によくないことであると考えている日本人として誇りを捨ててまでこの国でうまくやっていきたいとは思わない。
 でもね、うそをつくことは別に悪いことじゃないって国民性の国って結構あると思う。


 そんなことを考えながら今日は洗車をしていた。