Caribou Coffeeからのつぶやき

 4月13日、ミネソタ快晴

 仕事を終え諸事情にてアパートの近くのCaribouからつぶやいている。ちなみに頼んだのはラージ モカ。ラージは初めて頼んだけれどかなり重い。


 今日も朝から10時間ぶっ続けで働いた。週のうち4から5日、早朝から夕方まで働き続ける日々が続く。

 いったいこんな生活をいつまで続けるのだろう。

 同僚の誰もが気になっている。中堅のスタッフや中ボスに聞いてみるが誰もいつまでやるのか良くわかっていない。

 我々のしているのは大動物を使って行う実験なのだが、なんと驚く事なかれ、1匹、30,000ドルもするのだ・・・・。

 時には一日で3匹使う事もある。実験に用いる各種試薬も驚くほど高額な物を大量に使っている。

 私達研究者の年収を遥かに超えたお金を毎日湯水のように使っているわけだ。

 今日も同僚達とその話になり、annual salaryよりも遥かに多いじゃないか!と誰もが驚いていた。

 日本ではもちろんの事、この手の実験をここまで大規模に行っているのは世界を見渡してもここだけだ。

 そう言う意味では非常に恵まれた職場で働いていることになる。

 まいにちー、まいにちー、ぼくは鉄板のー。じゃないけれどほんとに毎日毎日同じような事を繰り返している。

 日本にいたときは臨床の仕事をしながら、ラボのボスが獲得した研究費をありがたく使わせてもらい身の丈にあった必要最小限の実験を行っていた。せいぜいn=5程度の数を各群で揃えて行えばまともな実験になるはずだ。大抵の実験ってのは。

 ここは違う。ちなみに今日でn=852となった。

 あー、アメリカ。超大国アメリカ。

 特に研究施設につぎ込まれる公的費用、そして寄付金の額は日本のそれを遥かに上回っている。

 私が日本にいた頃1年間で使っていた研究費をここではたった数時間で使ってしまう・・・・。

 最近いろんな意味で恐ろしくなって来た。

 それでもこの研究がFDAによって認可され、いつの日か、とある難病に苦しむ人たちの光明となる事を期待して、毎日、毎日働くのだ。


 まあ、ぼやきもこのぐらいにしておこう。カフェでのんびりとしていると、そんな事はどうでも良いような気がしてくる。

 こうして夕方、日が沈んでいくのを見ながらのんびりとコーヒーが飲める生活なんて日本ではした事がない。

 今を大いに楽しむべきだよと夕日がこっちをみて笑っている。