どんだけ実験したいのよ

 4月23日、ミネソタ晴れ

 さて今日も7時出で仕事。

 昨日の実験が非常にうまくいったので、今日はのんびりできるかと思っていたら昨夜、職場からメール連絡が

 ”明日はいつもの2倍やります。ごめんなさい・・・・・。”

 はぁああああぁぁああぁあ? なんでやねん!!!!

 どうも話を聞くと、昨日の大成功に大喜びした大ボスが計画に追いつくためにさらに実験をしようと言い張ったためこうなったらしい・・・・・。どこまで強欲なんだ!!。まあ、これほどまで強欲で強引でなければこんな巨大研究所の教授になんかなれないわな。これから大ボスのことを”強欲のグリード”と呼ぼう。

 確かに当初の予定よりもかなり遅れていることは間違いない。働けど働けど実験の結果が満足のいくものでなかったので計画が遅れていっているのだ。

 だからって・・・・・・、金曜日にいつもの2倍の実験をしなくてもいいのではないか?

 と私は軽く思っていたが、朝職場に集合してみるとスタッフ全員が殺気立っていた。

 こんな人権を無視したようなむちゃくちゃな仕事量は許せん!!! と皆が息巻いていた。

 そして夕方になり、中ボスがこう言った。

 ”もうこれ以上おとなしく言いなりになるのはやめよう。みんなで声を上げよう、拳を上げよう。来週の月曜日の会議の時に、みんなで一斉に異論を唱えよう。さもなくばこの激務が当たり前になりとんでもない状態になってしまうぞ!”

 おっしゃる通りですが、まさかあなたの口からそんな言葉が出てくるなんてね。

 その直後に、大ボスがラボに出現。先ほどまで大きな声で謀反の企てをしていた中ボスが急にトーンダウン・・・・・・。なんじゃそりゃ、今こそいいチャンスじゃないか、今言ってしまえよと思ったが。

 まあ、今日もうまくいったので私は満足。大ボスとも楽しく話をして健闘をたたえあった。

 日本にいた時からだが、12時間とか20時間とかぶっ続けで仕事をするのには慣れているのでそのこと自体はあまり苦痛ではない。ただ、アメリカではそれを当然のように強要されると激怒するようにしている。助けて欲しかったらいつでも助けてくれと言ってこい!だが、手当も払わんくせに助けるのが当たり前のように思うのだけは許さん!!と。

 さて朝から12時間ぶっ続けの実験も終わりに近づき、ラボから出ようとしたらこんなものが目に飛び込んできた。

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 ラボは清潔区域になっていてラボに入る途中に部屋が二つありそこにホワイトボードが掛けてある。いつもは必要な物品のメモが描かれていたり、連絡事項が描かれていたりするのだが・・・・・。
 あまりにも殺気立ったスタッフを和ませるために、スタッフの誰かが描いたのだった。アメリカ人たちのこういう所が好きなんだよな。

 さて仮のオフィスに向かう。

 これが現在の仮住まいの私のオフィス。
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 あくまでも本当のオフィスのリノベーションが終わるまでの仮のオフィスなのだが、ここはアメリカ。仮のオフィスをいつの間にかほんとのオフィスとして使えなんて言われるのではないかと予想している。まあ、それでもいいけど。
 右から私物のMacBook液晶モニター、職場から支給されているDell Latitude E6400。液晶モニターはLatitudeと接続されていて、Dual Displayで使用している。大きな液晶モニターを買ってもらえるはずなのにいまだに発注されていない。どうなっているのか聞くのもばからしくなってきたので、そこらへんに転がっていたボロボロのモニターを見つけてきて使用していた。すると同僚の若いインド人のスタッフが、”それ私のなんですが・・・・” と言うので、”返して欲しかったらいつでも返してあげるから言ってよ。” と言い、今も使っている。
 ちなみに、この液晶モニターDell社製で見た目はぼろいが発色は非常に良い。Latitude E6400本体ののモニターよりもはるかに色が良くて見やすい。

 実験中に撮影した画像を表示し、Excelを表示し、Powerpointを表示してと、いつも3つ以上のアプリケーションを切り替えながら表示して仕事をしているのだが、このモニター2台体制は非常に便利。Latitude E6400のグラフィックスチップは2画面同時出力(同じ内容も表示できるし、異なる内容も表示できる)ができるので使わない手はない。私はこの2つの画面に満足して気に入っていたが、先日、他の部署のPIに話をする必要があったので、その人のオフィスに行ってみて驚いた。彼は4つのモニターを使用していた。馬鹿でかい、たぶん30インチぐらいのワイドモニターを中心に、その左右にその半分の大きさのモニター(たぶん15インチ)を縦長にして設置していた。そしてさらにその中間ぐらいのモニター(20インチ)をその右に設置していた。まるで、ゲームおたくの部屋のようだった・・・・・。

 こちらは、毎日デスクを拭き掃除するのに使用しているSuper Sani-cloth
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 もともとは病原体を殺すための物でラボの中で使っているのだが、オフィスのデスクもきれいに掃除、消毒できるので使っている。まあ、強力な殺菌効果を持った丈夫なウェットティッシュみたいなもの。

 こんな面白おかしい生活も、アメリカならではかなと思う今日この頃。

 しかし、いったいどんだけ実験してもいいのよ。今日は私の年収の3倍ぐらい使っただろうに・・・・・・。