歯科ではなく鹿にご注意

 6月9日、ミネソタ雨のち曇り

 子供たちの夏休みが始まり、日本から両親が遊びに来てくれているので今週はバケーションをとった。

 いつも無給であほみたいに何時間も時間外労働しているので最近は私がバケーションをとるというと中ボスをはじめとして誰も文句を言わなくなった。むしろ、”どうぞ、どうぞ”って感じになっている。

 本当はイエローストーン国立公園とラピッドシティーに行くはずだったが・・・・・、先週歯が欠けてしまったのですっかりいろんな意味でやる気をなくし・・・・・、日帰りで行けるところを攻めている。

 名付けてショットガンバケーション。近距離をバンバン攻めようってことです。

 そんなわけで今日はDuluthへ行ってのんびりと遊んできた。

 その帰り道、35を南に向かって走っていたら・・・・・・・・・。

 前方で小さなセダン(もしかしたらクーペだったかもしれない)が車線を大きくはみ出し、北向きと南向きの車線の間にある雑草の生えている未舗装路を爆走している・・・・・・・・・。

 ???????、なじぇ???????

 危険を感じたので制限速度時速70マイルのフリーウェーだったが時速50マイルまで減速して何が起きてもよいように全神経を集中。

(ちなみに、Nissan Armadaは車体重量2.5tを超える巨漢で、今日は7名乗車。全体重量約2.8tである。それでもブレーキはよく効く。タイアがP265/70R18とワイドなのもあるが、こちらの予想よりもはるかに良くブレーキが効く。ただ、あくまでも一般道を普通に走る限りはである。サーキットのように何度も何度もブレーキを強く踏むような状況では試していない。)

 するとなんと、雑草の中を爆走していた車が舗装路まで戻ってきた!!!!!!

 私の前を走っていた車の前方に強引に割り込んだ車は何を思ったかそのまま右側の路側帯(注:アメリカは右側通行である)まで一気に車線を変更し停車した!!!!

 まるで映画のワンシーンのような光景が目の前で起きていた。

 その暴走する車の行動を見ながら私の視野の右側に飛び込んできたのが、鹿の姿。

 鹿が走行車線に横たわり脚をバタバタさせてもがいていた。

 そう、その暴走していた車は追い越し車線を走行中に鹿に激突していたのだった!!!!

 その車は鹿をよけようとハンドルを左に切ったがよけきれず右フロントで鹿をはね、車両の安定を失い左側にある雑草の生えた未舗装路に突っ込み、フラフラとかなりの速度で走り、何とか舗装路にもどり、そして路側帯まで車を移動させて停止したのだった。今考えてみたら、その車のドライバーはかなりいい腕をしていると思う。雑草の中に突っ込んだ時点ではおそらく時速100kmを超えていただろうに。しかもその未舗装路は決して平坦ではないのだ。

 その暴走している車に気がついた直後に、路面に赤く光る物体を見たがそれはおそらく車のウインカーランプの破片だろう。

 今回の事故の被害としては鹿一頭とその車の軽度の破損だと思うが、状況によっては複数の車が絡むような大事故につながっていたと思う。

 ミネソタには鹿などの比較的大きな野生動物がたくさん棲んでいる。そこに人間どもが自分たちの都合で道路を作り、彼らの生態に悪影響を与えている。道路脇に動物除けのフェンスなんか全くなし。たくさんの野生動物が車に引かれて毎日死んでいる。悲惨だ。

 この状況をどうしたら改善できるのだろうかと考え込んでしまった。


 ただ、もしも鹿が突然、目の前に現れたらどうするか?

 ハンドル操作とブレーキ操作でよけれそうであればそうするが、ハンドルを切って車両が不安定になると判断したら、ハンドルを切ることなくブレーキだけを踏むだろう。その結果、鹿に重度の外傷を負わせ、車も大きく損傷してしまうことになるとしても。

 いくら制限速度を守って走っていても鹿をよけられない事態になる可能性は少なからず誰にでもある、ミネソタに住む限りは。今日、事故にあったドライバーを悪くいう人はミネソタ人にはいないだろう。よくやったと私ならほめてあげる。そして鹿さん、ごめんなさい。あなたをはねたドライバーと同じ人類としてお詫び申し上げます。


 さて、旅行記を書くつもりでしたが、予想外の事態が帰路時に起きたのでこんな記事になりました。

 今日撮影した写真をいくつか載せておきます。とても楽しい小旅行でした。


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