ほら吹きとの戦い

 6月15日、ミネソタ晴れ時々曇り

 休暇が終わると良い天気、皮肉なものです。

 今日は久しぶりに印度人との戦いが起きた。

 これまでその印度人の若い研究者と一緒に大動物実験を行い非常にうまくいっていて我々の実験は非常に再現性が高く安定していた。

 時々、若いアメリカ人外科医と大動物実験をするのだが、たいてい何かトラブルが起きる。

 それはなぜか? 若い印度人は技術に乏しく積極的には手を出さないので私がほとんどを仕切って行い、必要な時だけ彼の手を借りるようにしているから、問題が起きない。一方、アメリカ人外科医は何かと手をだし自分でやろうとして実験をめちゃくちゃにしてしまうからだった。

 そんな印度人の若い研究者が、今日突然、”臨床の仕事の時も臓器を処理する作業をさせて欲しい” と言い出した・・・・・・。

 こんなど素人がヒトの臓器を触っていいわけがない。

 ”実験での作業でもっとトレーニングを積んでからしたほうがいいよ” というと、突然表情を変え

 ”私のことを信用できないのですか? いいですよ、だったら臨床の仕事は手伝いません!!”

 ああ、いいさ、手伝うなよ。迷惑だよ。患者さんにとって。と思ったが、そんなことは口にはしなかったが。

 ”信用していないわけではないけれど、君にはもっとトレーニングが必要だよ” とだけ言った。

 すると自尊心を傷つけられたと判断した彼は、中ボスの同じく印度人のところに文句を言いに行った。

 ”アルマダさんが私のことを信用できないというので、今後一切臨床の仕事は手伝いません!!” ってね。

 あきれ果ててしばらく呆然としてしまった・・・・・・。お前は子供か?

 結局、彼と中ボスと私で1時間ほど話し込むこととなった。

 なにせ勘違いやろうの印度人達を相手にしているので、非常に話をするのが困難。はっきり言ってお話にならない状態。まるで馬鹿で聞き分けのない子供と話しているような感じだった。

 彼の話をしばらく聞いていたが、彼はどうやら印度の医学部を出て外科のコースをしばらくとっていたらしい、しかし実際印度で外科医にはなっていない。それなのに、外科のコースをとっていたことをことさら強調し、自分にもヒトの臓器を取り扱う資格が私と同様にあると言い出した・・・・・。

 お話にならないよ。糸も結べない、鑷子やハサミの使い方も変、持針器なんかろくに持てないのに・・・・・、印度の外科医のレベルってそんなもんかい?自国の恥をお前はいまさらしているのだぞ・・・・・、と思ったが当然そんなことは口にはしない。

 まあ、結局、私がつきっきりで彼の挙動を観察し問題があったら指摘するという形で話はおさまったが、それでいいとは到底思えない。

 動物実験で私と一緒にやっていてうまくいっているので調子に乗っている節もあるので、今後は先日の若いアメリカ人外科医と同様に教育的指導をしようと考えている。

 それにしても、外科医の世界ってのはほんと素人には理解してもらえないよなと思う。例えば、ワールドカップのサッカーを見ていて本当にその選手が優れているか、その一挙手一投足が本当に適切かどうかを判断するにはサッカー経験者でなければできないと思う。しかもそれなりのレベルにまで達した選手でないと。それと同じことが手術の世界にも言える。素人にはその難しさが理解できないのだ。こちらが当然のように行っている動作に、非常に繊細な注意を持って行っていることなんかまったく理解できない。実のところ、外科医になりたての頃の私もそうだった。ベテランの先輩の助手をさせてもらうとすらすらと手術が進む。あるとき、私にもできるんじゃないかと尊大な考えを抱くようになる。そして、修行を重ね、ある日突然、”やってみなさい” と言われ、術者として手術を始めると何と手術の難しいことか!!!!
 いずれにしても、先輩から”やってみなさい”と言ってもらえるまで、とんでもなく苦痛に満ちた研修を送っていたのは間違いない。よその大学の外科はどうか知らないが、私の所属する外科は、若い外科医に容赦なく厳しかった。

 そんな思いをして身に着けた技術を印度人に教えるのさえ本当は嫌なんだけどな。

 それにしても、私の知る印度人たちは全員がこんな調子だ。自己中心的で尊大で自信過剰で嘘つき。自分が一番賢いと勘違いしている。おかげで自分のことを客観的に評価することなんか一切できない。

 たとえばこうだ。今日例に挙げた印度人以外にも、もう一人若い印度人の研究者がいる。彼が中ボスから仕事を命ぜられる。すると彼は、年配の人の好いイラク人のベテラン研究者に仕事を丸投げする。先日、イラク人の研究者からその仕事について印度人の若い研究者に電話がかかってきた。すると印度人の彼は尊大な態度で ”とやかく言わず、やってくれ” と言っていた。さすがに驚いた私が、”その仕事はもともと君の仕事でイラク人の彼は君の仕事を手伝ってくれているんだよね” と聞くとこう言われた。

 ”違う、私が手伝ってあげているんだ!!!!”

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、はあー???????????????????????

 もっと印度人の醜態を説明できるような経験はたくさんあるが、今日はこれぐらいにしておく。

 日本では ”印度人は数学が得意” とか肯定的に考えている人がいると思うが、それはごく一部の限られた人間であると断言しよう。

 人を国籍で評価するつもりは全くない。ただ、私の知る複数の印度人はみんな酷い。

 ぜひ、品行方正な印度人に出会ってみたいものだ。そうすれば少しは印度人に対する印象が良くなるかもしれない。

 そう、ついでにもう一つ。私の知る印度人研究者たちは、口先ばかりでろくにデータを分析できない。

 仮説ばかり偉そうにしゃべり続け、それを実証するための実験系を作ることもせず、自分の仮説が正しいと言い続ける。

 中ボスもそう。おかげで3か月分の実験をすべて無駄にすることになったのだった。自分の仮説が正しいと、読み噛った知識を並べあげてスタッフたちをだます。そしてその仮説が正しいかどうかを実証することもなく、中ボスの仮説が正しいということが前提となった実験系を作り続け、行いつづけていたからだ。

 これまでこの職場で働いていた日本人外科医の方たちの言っていたことが今更ながらよくわかる今日この頃です・・・・・・・。