今年のツールはまさにchaos

 7月6日、ミネソタ晴れ、曇り

 さて3連休も終わり今日から仕事、朝から会議・・・・・・。

 昼過ぎになり同僚が私のオフィスにやってきた。

 同僚 ”今日のツールの結果知っている?”
 私 ”知らないよ”
 同僚 ”だったら黙っとくよ・・・・。自分で見たほうがいいよ。”
 私 ”何があった!!!、ランスはどうなった!!!!”
 同僚 ”今日はcobble stone(敷石、石畳の路面)だよ。もうめちゃくちゃ。chaosだよ。ランスもね・・・・・。”

 そう、今日はツール4日目、第3ステージの日。

 おいー、仕事の邪魔しに来るなよ。気になってしょうがない。てなわけで順位だけ確認。ありゃ・・・・、ランスはどこ?

 その後は、どうもデスクワークに気が乗らず、ほかのラボの連中と熱い討論会を2時間ぐらいしていたら、帰宅時間でございます。ほんとね、研究者ってのは自分たちのしている研究の話になると異常に加熱するんだよな。


 さて、帰宅。

 録画しておいたツール第3ステージを見始める。

 おー、すごい路面を走ってますな。まるでシクロクロスみたいだ。

 そして落車多発・・・・・・。

 が、が、があぁぁぁ、フランク・シュレクがぁぁぁ・・・・・、落車して地面に仰向けのまま動かない・・・・・、やばいぞこれ。

 ”兄さーん!!!!”ってアンディの声が聞こえた気がした。

 彼は左鎖骨骨折でリタイアしたそうな・・・・・、残念。

 さて、弟、アンディは快調にカンチェラーラと走る。

 一方、ランスは大混乱の影響で後方に置き去りにされる。そしてチームメイトの28番ヤロスラフ・ポポヴィッチに引いてもらい、先頭集団を目指して走っていた。そして木の陰に二人が入って見えなくなり、そして再び見えたときにはヤロスラフしかいない・・・・・。

 おーい、ランス、どこ行った。

 どうもフロントタイアがパンクしたらしい。

 その後、ヤロスラフが停車してランスを待つ。そして再びランスを引いて走り出す。そう、これがツールだ。チームリーダーを勝たせるためにチームメイトはサポートに徹する。

 昨日なんか、落車して自転車の壊れたアンディ・シュレクに後方から来た、チームメイトのマッティ・ブレシェルが自分の自転車をアンディにあげていた・・・・・・。うーん、熱い!

 さて、ヤロスラフと前方を目指して走るランス。ヤロスラフの脚が切れてきたため、単独で加速し始める。一人旅の始まりだ。

 砂に覆われた石畳の路面。前方を走る車が巻き上げる砂埃をまともに受けながらランスは一人走り続ける。

 顔中真っ黒・・・・・。しかし、その表情には闘志がみなぎっていた。

 ツールが私たちをひきつける理由はここら辺にあるのかもしれない。

 血と汗と涙の男たちの戦い。

 ランスは先頭第2集団まで追いつき、カベンディッシュ達とともにゴールした。

 総合順位を18位まで下げたが、これからまだやらかしてくれるだろう。

 マイヨ・ジョーヌを着ていたシャヴァネルは何と2回も自転車の故障で結局3台自転車を乗り継ぐ羽目になった・・・・・・。2回目の時は怒って壊れた自転車を放り投げていたな。あぁぁ。


 結局、総合1位はカンチェラーラ。あの太い脚でも持続するスタミナ。おそるべし。

 コンタドールはいまいち冴えない。ゴール手前まで散々引いてもらいながら、結局置き去りにされちゃった。
  (7月7日、追記:今日同僚とこのコンタドールの話をしていたんだが、どうもゴール直前でパンクしたらしい。)

 さあ、ますます面白くなってきたツール・ド・フランス。選手たちの体も4日目でかなり傷んでしまったんじゃないかな。

 こんな混沌の中から誰が抜け出すのか!!!!

 それにしてもサクソ・バンクが強い。ただ、フランクがリタイアしてしまった影響は決して軽微なものではないだろう。

 ああ、どうなる。