朝から会議

 8月5日、ミネソタ曇り

 朝はずいぶん涼しくなってきた。早朝は気温がやっと華氏70度を下回るようになってきた。昨年と比べるとそれでもかなり暑い。

 今日は8時からビジターの皆さんたちと会議。2,3時間で終わってのんびり食事をして、午後から重要な用事があったので職場を後にする予定だった。

 そう、予定だった。

 珍しいことに職場のスタッフ全員が各々、テーマを振り分けられて訪問者にプレゼンテーションをする予定だ。

 各人持ち時間は5分で、私は3番目。 なので朝の早い段階で私の話は終わって後はのんびりとみんなの話を聞こう、そう思っていた。

 しかし・・・・・・・、プレゼンする人は何とか5分で終わらせようとするのに・・・・・・・、大ボスがつっこむつっこむ・・・・・・。おかげで一人話し終えるのに1時間もかかっている。大ボスが毎回私にどう思うと意見を求めるので私も言いたいことがたくさんあるのでしゃべるしかないし・・・。

 しかも、当初の予定と順番が全く違う・・・・・・・・。あーーーーー、どうなるーーーー。

 結局、昼食のために休憩をとることになったもののいまだに私のプレゼンは終わっていない。

 昼休憩のときに全員で記念写真を撮ったが、少し苛立っていた私の笑顔は少し引きつっていた。いらちはいけませんな。それともっと笑顔の練習をしないといけない。なんつったってアメリカ人の同僚たちの笑顔はまるで俳優かと思うぐらい素敵なんだ。

 結局、1時30分から会議を再開し、無理やり昼一番でプレゼンをした。今日は中ボスが気を使ってくれ、一番にプレゼンを済ませて退席できるようにしてくれたのだった。

 ありがとね。

 しかしね、たった5分で私のしていることを説明するのは無理なんだよ。たとえ、日本語でプレゼンしたとしても5分では無理。納得いくまで説明したら最低でも1時間はかかる。

 そんなわけで、かなり要点を絞って話したが、かなり不完全燃焼。

 ただね、昨日見学してくれたいたときにそのビジターの研究者とかなり話ができたので私のしてることが分かってもらえたようだ。

 私の実験内容に、”異常なまでに洗練されている” と驚いていた。

 そう、クオリティーには異常にまでにこだわっていますからね。これが日本人のこだわりですよ。匠ってやつです。

 それと、彼らも私たちと同じ分野の研究をしていて実験内容も類似している点がある。対象としている大動物も同じ。そんな彼らが昨日私たちの仕事を見て今日会議中にこう言っていた。

 ”我々の研究施設にはこんなエキスパートはいないのでこんな高等な技術を使って実験をすることができない。以前やろうとしたが失敗して問題が頻繁に起きるのでやめてしまった。あなた方の仕事はとても高度だよ。”

 この話を聞いた同僚が、私をむいて小さな声でこう言った。

 Good job.

 ただ、彼らのプレゼンを見る限り、施設の設備は彼らのほうがはるかに洗練されている。我々のように猛暑に耐えながら働くような施設ではなく、非常に清潔でヘパフィルターで浄化された空気を循環させるクリーンルームで仕事をしている。ちょっと、うらやましかった。それにしてもアメリカは広い。日本だったらこの我々が現在やっているような実験にここまでの資本を投入するなんてありえない。しかし、アメリカでは我々だけでなく、他の施設も同様もしくはそれ以上の資金を用いて仕事をしている。うーん、すごい。


 さて、明日は仕事、休みます。理由はたぶんうまくいけば記事にできると思います。