見学者で盛り上がる日々

 9月16日、ミネソタ曇り

 今日、臨床。

 今日は先日から見学に来てくれている韓国の医師とさらにもう一人別の施設からの見学者が来ていた。

 韓国の医師は私たちの作業の邪魔にならないように、非常に気を遣いながら質問をする。

 一方、もう一人の医師はいつであろうがお構いなしに、質問を続ける・・・・・。

 私が、”どこから来たのですか?”と聞くと、”カリフォルニアだよ”と答える・・・・・。

 うーん、どう聞いてもドイツかそこらへんの東欧訛りのきつい英語なんだけど。

 まあここで考えた。出身国を聞いたからってどうこうなるわけではないか、と。

 この二人の見学者はいずれも私と同業者で、やっていることも同じかもしくは非常に近いことをしている。

 ただその見学の姿勢は全く違う、カリフォルニアから来た見学者には少々呆れてしまったが、その強欲な姿勢には学ぶべき点もいくつかあった。

 彼の英語はかなり変なのだが、彼は全く臆することなく質問を続ける。

 質問したいときに、気にせず質問し、自分の必要としている情報を強欲に収集し続ける。

 今の世の中、こういった強欲な人が生き残っていくんだろうかな、とも思ったのだった。

 そして彼は冗談も言いたい放題だった。

 韓国の医師に、いつまでミネソタに滞在予定か聞いた後、”雪が降り出す前に帰ったほうがいいですよ。ミネソタの冬は危険だからね。”

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 そして、とある組織の輸送の話になった時に、ここでは特に冷却せずに室温で移送することがあると言うと、”ミネソタ寒いですからそれで大丈夫なんですね。カリフォルニアは暑いからクーラーボックス使わないといけないんだ。”

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 非常に陽気で調子の良いおっさんだった。

 ただそれなりに有名人なようで、論文もいくつか書いているので後日読んでみようかと思う。

 いつもは粛々と作業を続けていくのだが、今日はこの二人の見学者のおかげで、説明をし続けながら作業をしないといけなくなり、いつも以上に疲れてしまった・・・・・。

 なんつったって、臨床の仕事である。

 ちょっとした失敗や過ちも許されないのだから。