コンタミとの戦い
11月8日、ミネソタ晴れ
あー、温かい。
これでいいのかミネソタ。
今年の冬は寒くなるといわれているが・・・・、今のところとても温かい。
さて、数週間前から突如出現したコンタミネーション。
その対策会議が何度か開かれ、いったいどうするのか見守っていた。
当然、何らかの対策を聞かれたら複数の対応策を提案できる状態にあったのだが・・・・・・。
今日は、本来なら通常の会議とデスクワークをする予定だったのだが、急遽、ラボのクリーニングとなった。
そのクリーニングの規模が尋常ではない。
細胞を培養するインキュベーターはもちろんのこと、細胞の操作を行うクリーンベンチ、デスク、椅子、床、天井、壁、遠心分離機、顕微鏡、全ての試薬のボトル、フラスコ、チューブ、パイペットエイド、秤等の外装など、その全てをクリーニングしていく。
実際は70%イソプロピルアルコールを噴霧して消毒薬のしみこんだワイプで拭いていくのだ。(天井、壁、床は別の強力な消毒薬を用いる)
1ガロンのイソプロピルアルコールのボトルが次々と消費されていく。今日だけで6ガロンは消費しただろう。
ただ、頼もしいのが新人の研究者。彼はラボのクリーニングに関して講義を受けてきてくれていて、次々と適切な指示を出してくれる。
そして、スプレーボトルにアルコールを注ぎなおしこう叫ぶのだ。
”誰か、アルコールの追加がいるかい!!”
でも、今日はラボにアルコールが充満していた。
あまりにも高濃度のアルコールが室内に漂うので、各種、電気製品はプラグを抜いておいた。もしも、火花が散れば・・・・、大爆発間違いなし。
そんなイスラム教徒の彼に、”このアルコールの臭いは苦痛じゃないかい?” と聞くと・・・・。
”たぶん、これが酔っ払っている状態なんだと思う” と答えてくれた。
室内に漂うアルコールの影響で軽く酔っ払っているそうな・・・・・・。
それにしてもこのクリーニング。まさにじゅうたん爆撃的。
コンタミの原因をピンポイントで特定することなく、疑わしきものを片っ端からやっつけていく。
これぞ、アメリカ。そう思った日だった。
イソプロパノールで殺せる菌が原因菌だったのか? 少々疑問を持ちならが同僚たちと話をしつつクリーニングをしていた。
そして、ある同僚がこういった。
”何もしないよりましさ”
今日のクリーニングで今回のコンタミ騒動が解消されることを願う。
これでもおさまらなかったときは私の出番かな。