山があれば登りたくなり、雪があれば走りたくなる

 12月11日、ミネソタ猛吹雪!!!!

 激しい吹雪です。

 朝起きて、アパートの窓から外を見てみると駐車場は雪、雪、雪。

 私の車、赤い奴も半分以上雪に埋もれてしまってる。

 そして、こんな吹雪なのに無謀にも外出しようとした普通車がスタックして動けなくなっていた。スコップで雪を取り除き、なんとかガレージに戻った車もあれば、どうしても外出したいらしく、1,2m進んでは雪かきをして、さらに1,2m進んでは雪かきをしている人もいるし、あきらめて駐車場にスタックしたまま放置してある車もある。

 さて、どうしましょう。こんな日はおとなしく家でのんびりしましょう。

 さて、お昼ご飯を食べました。外は猛吹雪。

 どうしましょう・・・・・・・・・・。

 もう、我慢できない・・・・・・・・、行こう、この猛吹雪を身を持って経験しよう。

 好奇心に従います。

 さて、Armadaに乗り込み、出発。地下駐車場(ガレージ)の電動シャッターを開け、地下駐車場から車を出し、屋外駐車場には30cm程度の雪が積もっていましたが、難なく突破!

 一般道に出ます。
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 除雪車が多数走っていますが、除雪が追いつかず路面には10cmの雪。

 外気温は-7℃。フロントガラスの雪がいったん融けて、再び凍結。
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 道路の中央に人影が!!!!
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 何をしているのかと思いつつ、慎重に追い越しつつ、この人物を観察。なんと!!!この吹雪の中、ランニングしていました。ちなみに、中年男性。こんな吹雪の中、興味本位で出かけた私もどうかと思いますが、この人物にはかないません。

 さて、フリーウェーの様子を確認するために、フリーウェーの入り口に入ります。すると、こんなことになっていました。
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 バンが真横を向いて道路を完全に塞いでいます。そこで、私もおりて雪かきと車を押すのを手伝いました。こんなこともあろうかと、屋外活動に耐えられる装備を持っていました。このバン、後輪駆動ですが、そのタイアを確認すると溝がほとんど無く、こんな車でこの状態で走るなんて・・・・、と少々あきれました。

 フリーウェーを走っていると、200m間隔で、複数の車がスタックしています。どこを見ても、雪に捕まった車だらけ。そして、視界は300m程度、車の流れは20mph程度。

 フリーウェーの状況はよく分かったので、再び下道を進みミネソタ大学のセントポールキャンパスの様子を見に行きます。

 主要な道路は除雪されたらしく、深いところでも15cmの雪。

 うーん、つまらん。

 そこで、周辺の住宅地の道路にArmadaを進めます。全く除雪されておらず、走っている車は皆無。路上駐車された車には雪が大量に積もって身動きが取れない状況になっています。

 明らかにこれまでの道路とは状況が違います。それでも、走れます。

 でも、かなりの距離、新雪の上を走った末に、ついに、スタック!!!!

 ゆっくりと慎重に進んでいたのが裏目に出たようです。

 通常の4輪駆動モードでは前にも後にも進めなくなりました・・・・・・・・。

 ついに、このときが来たか。そこで、儀式を始めます。

 ブレーキを踏み、シフトレバーをニュートラルにいれ、四駆モードを4Loに切り替えます。

 ピーピーピーと電子音が聞こえた後、車の床下で、ガコ!っと何かがつながるような音がしました。

 これで4Loになりました。4Loにすると強制的にVDC(車両姿勢制御システム)はオフになります。

 (VDCがオンの状態だと、タイアが空転すると自動的にエンジン出力を抑え、空転しているタイアにブレーキがかかります)

 さて、発進。

 だめです。前後にわずかに動くだけで、未だ問題解決せず。

 降りて状況を確認。この時、こりゃまずいなと初めて思う。予想以上に雪が深い。50cmぐらいあります。そして、Armadaはラダーフレームのボディーが雪に乗り上げて、4輪すべてが浮かんでいる状態です・・・・・・・・・・。

 猛吹雪の中、一人ぽっちでたたずむ私。周辺の路面状況を再度確認し、一人戦略会議開始。

 この雪の深さ、そしてボディーが乗り上げた状態。

 これほどひどい状況は初めてです。

 なぜ、雪にボディーが乗り上げたのか? それを考えます。深い雪だから当然といえば当然だが・・・・・・。これでもしも雪かきして車を動かそうと思ったらボディーの下の雪を除去しないといけないのか????

 こんな時、Youtubeで見ていたArmadaやHummerが深い雪を豪快にラッセルして進んでいた様子を思い浮かべます。

 ここでひとつの仮説が頭に浮かびました!

 これまでArmadaが走行して出来たわだちにそって何度も前後移動を繰り返した結果、わだちが深くなり、ボディーが乗り上げてしまったのではないかと。

 よし、その仮説を検証しよう。

 ハンドルを大きく切り、新雪へ突き進む方向へ向けて、アクセルを強く踏み込みます。咆哮をあげる5.6L V8。ゆさゆさと身震いしながら定置旋回を始め、そして徐々に新雪の中へと進みだしました。

 その結果、スタック状態解除!!!!!!!!!!!!!!!

 そのときの状況がこちら。
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 新雪の上に、ちゃんとタイアが乗っています。

 さて、のんびり、じっくり、吹雪の中で記念撮影。
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 まさに、ビーストの貫禄。ランクルより大きいです。

 楽しそうに吹雪の中で写真を撮っている私を付近住民の人はどう思っていたのでしょう?

 でも、これで安心できる状態になったわけではありません。その深い雪の中をしばらく走り、除雪されて普通に走れる道まで戻らないといけないのです・・・・・。

 さて、再び、作戦会議。

 決めました、この4Loの状態でアクセルを決して緩めることなく、豪快にラッセルして進んでやろうと。

 スノーアタック敢行です。ぱっさぱっさの軽い雪なので、50cmの積雪でもこのArmadaなら豪快に吹き飛ばせる、はずです。

 もう、雪の上を走るって言うよりも、滑走しているような状態。当然、車が左右に揺れます。でも、前に進む。こうなればこっちのもの、ドリフト状態、大万歳。交差点も他の車両や歩行者がいないことを十分確認しつつ、速度を殺さぬよう、ドリフトで曲がります。雪かきをしていた付近住民の皆さんが、歓声を上げているのが見えます。VDCもオフなのでこちらの思いのままです。気分はもう、パリダカ状態。いや、北欧で開催されるときのWRCか!!!

 Armadaはその巨漢からアンダーステア傾向かと思ってしまいますが、実際は弱オーバーステアの特性で旋回性能抜群です。軽くアクセルを戻して、ハンドルを切ったらすっと向きを変えます。そしてすかさずアクセルを踏み込めば面白いほどのドリフトアングルで雪を豪快に巻き上げながら曲がっていきます。これぞ、我等がNissanの作るフルサイズSUV!!! 当然、VDCオフの状態での話です。

 さて、そんな素敵な体験を終えて、幹線道路へ戻ってきました。
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 除雪車二台が前方に見えます。この除雪車の前方では普通車が2台、交差点付近でスタックしていましたが、除雪車はそのまま通過・・・・。

 近くのショッピングセンターで一休み。
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 こんな状況になりました。


 家に帰ってまずすることは、そう、洗車です。 
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 うちのアパートのガレージには、洗車スペースがあり、温水も出ます。

 外も中もエンジンルームもぴかぴかにして完成。洗車時間2時間。お湯をかけてボディー全体や下面の雪を落とすのに時間がかかりました。洗車しながら、スタックしたことによる悪影響が無かったことを確認しました。雪に突っ込むと、ライセンスプレート(ナンバープレート)がよく変形するのですが、それもありませんでした。(アメリカのライセンスプレートは日本のそれと比べて柔らかいです)

 さて、部屋に帰り、道路状況を確認してみたら、こんなことになっていました。2010年12月11日、午後5時ごろの状況です。(画像右下クリックで拡大可)

 ツインシティー周辺。
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 赤札だらけ・・・・・。

 こちら、ミネソタ州全体。
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 州の南半分は赤札と通行止めだらけです。通行止めのところにはblowing snow とか white outとの記載がありました。


 どうも、ツインシティー以南がこの猛吹雪に襲われているようです。

 さて、今夜はおとなしく、家で過ごします。

 くれぐれも、良識のある大人や、良い子の皆さんは今日の私の行動を真似しないでください。