三女がまた発熱

 12月18日、ミネソタ曇り

 さて、本日、西岡選手の入団会見がありましたね。


 最初に自己紹介を英語で簡単に行って、その後もえらい流暢に英語でしゃべっているなと思ったら吹き替えだった・・・・・。自己紹介の部分は吹き替えではなかった。

 それにしても、彼の真摯な言動。好感が持てますな。ただ、ちょっと姿勢が低すぎるようにも思う。謙遜しすぎ。やはり日本人だなーっと思うのだった。それと、彼のファッションは某メディアでは”ロックスター”と表現されたようだ。やっぱりね、ちょっと違和感を感じるよね。



 さて、我が家、昨日午前中から三女が発熱、咳、鼻汁で苦しみ始めた。

 38℃後半の発熱があり、アセトアミノフェン坐薬で37℃台まで解熱が可能。固形物の摂取はしないが、ミルクは普段の2倍ぐらい良く飲む。そして、おしっこもしっかりと出る。

 ただ、咳がひどい。ミルクを飲んで眠くなって横になり眠る。30分ぐらい経過すると、げほげほと咳き込んで泣きながら目を覚まし、ぜーぜーと苦しそうな息をする。そして、抱っこすると呼吸も楽になり、また寝る。そして30分後に激しく咳き込んで再び起きるの繰り返し。

 長女や次女も、苦しそうにしている三女を見て心配そうにこういう。

 ”ねえ、死んじゃったりしないよね”

 三女のことを心配するとても素敵な長女、次女であるが。私はこう言った。

 ”ばか者!!! 死ぬかどうか自分でよく観察して考えてみろ!! 心配するだけなら、他の動物でも出来るだろうが!!! お前たちは愚か者なのか”

 実は先週こんなことがあった。

 妻がハンバーグを夕食にフライパンで焼いていた。こちらの肉は非常に脂肪が豊富で、フライパンに油をしかなくても肉から大量の油が染み出してくる。そして、その大量の油がはねて顔面に飛び散った。思わず妻は悲鳴を上げる。そして、私はやけどの具合を確認し、すぐにお風呂で顔面を流水で30分程度冷却するように指示した。ここミネソタの水道水の温度は氷水に匹敵するぐらいつめたいのでやけどを冷やすにはもってこいである。

 そして、次女が泣き出す・・・・・。”えーん、えーん、おかあさーん、大丈夫ーーーー” 長女も心配そうな顔で私を見てこう言う。”ねえ、お母さん大丈夫なの?”

 私はこう言うのだった。

 ”泣くんじゃない!!それに”大丈夫なの?”だと!! お前たちには眼がある、手があるだろう。その眼と手でしっかりとお母さんのやけどの状態を観察してきなさい。そして、お父さんに報告しなさい。そして、大丈夫かどうかお前達がどう思うかを教えなさい。”

 そして、長女と次女が泣きべそ顔を我慢しながら妻の状態を観察に行きかえってきてこう言った。

 ”うん、大丈夫。今のところ赤くもなってないし、どこに油が飛んだかも分からないぐらいだから冷やせば大丈夫だよ”

 よろしい。合格だ。

 何事も、よく観察することが最も重要だと思う。たとえそれが医療にかかわることでなくても、たとえば研究においても観察が最も大事だし、野球でもそうだろう。


 一方、三女。

 この状態だと、日本だったらまず迷わずすぐに小児科にかかるだろう。そして、医師に診察してもらって薬を出してもらって親としての責任を果たしたと判断するわけだ。でも、ここはアメリカ、親の責務はもっと重い。まず、十分に子供の状態を観察し、自分達で治療が出来るのかそれとも専門家の治療を受ける必要があるのかを真剣に自分達で判断しなければならない。これは私のような外科医だからできるってことではなく、医療関係者でなくてもしなければならない。

 哺乳量、尿量、そのバランス。もし厳密に計算したければ、飲んだミルクの量を測り、オムツの質量を測って記録をつければよい。

 呼吸状態。咳や痰や鼻汁がひどくて呼吸が十分にできていないのかどうか。鼻閉はどうか。これらは子供の顔色や指先の色をよく日ごろから観察していれば、その程度は判断がつく。呼吸時の音も重要。鼻閉に関しては鼻を吸ってみれば分かる。

 まあ、結局のところ、アセトアミノフェン坐薬で解熱を図りながら面倒を見れば大丈夫と判断したわけだった。

 さらに、加湿器を調節し、湿度を55%以上になるようにする。ちなみに、加湿器は毎日水道水で洗浄し、毎週、漂白剤で消毒している。それと、外気温が-5℃以下のときに室内の湿度を55%に保つのは非常に難しい。窓の温度が非常に低いので加湿された室内の空気が窓で大量に結露してしまうからだ。それとなぜ55%を目標にするかというと、これまで毎日、自分の起床時ののどの状態と湿度を比較検討した結果、55%を超えていたらのどの調子が良いからだ。

 昨夜は1時過ぎまで私が面倒を見た。30分おきに咳き込んでは泣いて苦しそうな呼吸をする。そして、抱きかかえると鼻水だらけのお顔を私の胸元にこすりつけてすやすやと落ち着いて寝る。これの繰り返し。

 そして、私も眠くなっちゃったので、先に寝ていた妻を約束どおり起こして看病を代わってもらった。

 これまで飲んだミルクの量、尿量、呼吸状態等を申し送りした後、妻はこう言うのだった。

 ”よーし、朝まで付き合うよーーー!”

 さすが、三姉妹の母親である。

 そして、今朝、妻こういうのだった。”すこしは、(三女も)眠れていたし。私も少し眠れたから大丈夫よ”


 そんな三女。今日もほぼ同様の症状が続く。でも、昨日と比較するとわずかだが活動性も高まり、呼吸状態もすこし改善傾向にある。

 女の子ってやっぱし丈夫じゃのうと感心するのだった。