まさにポピュリズム

 7月14日、快晴

 暑い日が続きます。

 手術室も温度、湿度が高すぎて、夕方にすべての手術を終えてみると軽い熱中症に。

 ミネソタ暮らしで極寒にはめっぽう強くなりましたが、一方で蒸し暑さには弱くなりました。

 ちなみに我が家では、蒸し暑いことをバグホットと言います。この表現は長女が冗談で言い出した表現法ですが、英語と日本語が話せる人にはその理由が容易に理解出来ると思います。


 さて、今、産經新聞を読んでいて釘付けになった記事。

 "オピニオン、宮家邦彦のWorld Watch" です。

 表題は ”選抜主義か平等主義か”

 その記事の中のごく一部を抜粋

 ”民主主義の本質は平等主義だと誤解している日本では、優秀な若者を選抜してエリート教育を施す事は非民主的だと考えられているからだ”
 ”その通り、しかし米国では民主主義とエリート主義は両立する。民主主義は結果の平等ではなく、機会の平等を保証する制度にすぎないからね”

 この記事では現代日本にはなぜまともな政治家(政治エリート)がいないのかを論じている。

 でもね、この文を読んで思うんだよ。

 日本の勤務医達がなぜもここまで虐げられているのか?

 人の命を救う為に四六時中、いつでも三千円程度の時給で働いている日本の勤務医達。

 人の命を救う為に自らを研鑽し続ける日本の外科医達。

 世界最高の技能を持つ日本の外科医達。

 それがなぜにこんなにも惨めな労働環境、雇用条件に置かれているのか・・・・・。

 その答えがこの文にあるんじゃないかって思ったんだよ。

 我々、日本人外科医は世界最高のエリートなんだけど、そのエリートをエリートとして評価してあげようなんて、日本国は考えてくれないんじゃないかってね。


 最近、外科医としての生活に戻ってから、当然の事なんだけど時間を見つけては手術の勉強をずーっと続けている。

 当然、世界最高の外科医集団の一員であるのでかなりの技能である事は自分でも確信しているし、諸先輩方からも高評価をいただいている。そして、その先輩日本人外科医達の手術には学ぶべき点が豊富で日々、刺激と好奇心に満ちあふれている。

 それではどんな勉強をしているかというと、ネットで日本や諸外国の外科医達の手術のビデオを見ているんだ。

 今の時代、いろんなサイトがあって手術のビデオを供覧出来るサイトがいくつもある。

 そんな時思うんだ。

 日本人外科医の手術は芸術的だ・・・・・、ほれぼれするほど美しい。

 だって、ほとんど出血する事なく、確かな解剖学的知識により確実に血管を処理し、適切な層を見分けて手術をしている。

 一方、アメリカやフランス人等の手術を見ると・・・・・。

 よくもこんなへたくそな手術を堂々と投稿するよな・・・・・。

 え、これってライブ中継した映像の録画か?????

 あなたは世界中に恥をさらしたかったのか?????

 って、思うほど我々日本人外科医の手術とは全く違うんだ。

 層も認識していない。細かい操作が出来ずに損傷すべきでない血管や臓器を損傷している・・・・・。

 え、あんた有名なの????? へーーー。

 そう、びっくりするぐらい堂々とライブ中に視聴者と話(当然英語で)をしている。

 そして、視聴者からの質問を受け付けているが、当たり障りの無い質問しか無い・・・・・。

 そして術者は自分の手術のすばらしさを力説している。

 え???? ”なんで今、大切な肝臓を損傷したんですか? 必要も無いのに肝臓に穴をあけるんですか? それでも問題ないんですか?” って私だったら質問したくなっちゃうんだけどな。




 拝啓、日本国民の皆様へ。

 そう、日本の皆さんご安心ください。

 今の日本の政治家は”ぼんくら”だけど日本の外科医は”世界最高”です。

 それを正当に評価出来るようになって欲しい。

 あなた方の思考はガラパゴス化されていないと私は信じたい。

                  敬具

   時給3700円で人命を救い続ける日本人外科医より





 いやー、いかんいかん、また愚痴みたいな記事を書いてしまった。最近、少々、フラストレイティッドかもしれんな。

 そうそれと、皆さん!新聞読むなら産經新聞! 朝日はね・・・・・。


 それと、ただ今、朝鮮戦争について勉強中・・・・・、なんでなんだろう・・・・・、自分でも良くわからないがいろいろと調べては熟読している。