外科医の日々

 8月29日、晴れ。

 暑いよ・・・・・。午後11時過ぎの外気温30.2℃・・・。

 いい加減、秋になってくれよ・・・。

 さて、月曜日。

 いつも通り朝から手術。

 未だ、昨日の沖釣り、ジギングの影響が残る。

 手術をしていても左手が期待値をしたまわる動きをする。

 それでも、その期待値を補正しながら手術をすれば良いだけで、無難に予定通り手術をこなして午後3時に昼食を摂取。


 こんな暮らしをしている日本人外科医の私だが、最近、時々嬉しい事がある。


 先日、緊急手術をして無事救命した患者が、外来にやって来た。

 外来再診してもらった理由は創部ならびに全身状態の確認の為なんだが、その若い患者がこう言った。

 患者 ”先生に手術をしてもらってよかったです。有り難うございました。”

 私 ”そうおっしゃっていただけてとても光栄ですが、どうしてそう思うのですか?”

 患者 ”だって、先生、おもしろかったから”

 私 ”・・・・・・・・・・・・・・”

 どういう事やねん!!!

 でも、小さな穴で手術(腹腔鏡下手術)して術後経過も良好であっという間に社会復帰できたわけで、だから感謝してくれてるんだろうなって思った。


 そして、今日も病室にて。

 患者の家族 ”先生に手術をしていただいてよかったです。でも、最初は不安だったんです。だって、担当医(私)の先生が外科部長じゃなくて、外科副部長(私)だったから・・・。でも、今は感謝の気持ちでいっぱいです。良い手術をしてくださって、手術の翌日から今まで通り元気で、こうしてすぐに退院する事が出来て。それと、この病院の看護師さんは良く訓練されていて、大切にしてくれて、とても気持ちがよかったです。これからも何かあったらこの病院で治療を受けたいです。”

 患者 ”そう、本当に嬉しかったです。手術をする前は、切腹して死んでしまうんだろうなって思ってましたから。”

 私 ”ずいぶん正直に言いますね。でも、そう言っていただけるとこちらも元気が出ますよ。看護師さんたちにも伝えておきます。それとね、うちの外科医は全員手術がうまいです。肩書きなんか関係ありません。”

 関西人てのは正直に物を言う。

 こうして素直な意見を言ってくれるので、助かりますわ。

 でもね、肩書きで人を判断したり、不安を抱くってのは”非科学的”です。

 海の向こうでは肩書きも立派な方々が、しょぼい手術をしてますからね。