環境は人を変える

 1月24日、曇り

 引っ越ししてからというもの毎日が楽しい。

 なぜならば毎日片道約10kmの道のりを自転車で走られるからだ。

 しかも坂!!!

 坂馬鹿にはたまりませんぜ!!!

 実のところこの神戸には主に、阪神、阪急、JRの3路線が走っているのだが最寄り駅まで歩くだけで30分以上かかってしまうこの家。普通に考えたら不便きわまりないところに住んでいる訳だ。

 引っ越し先について先輩に話をきいても ”やめとけ、不便過ぎるだろ・・・。お子さん達もかわいそうだ” と言われた事を思い出す。

 そう、娘達は片道約2kmの坂を歩いて通学している。

 登校=下山、下校=登山である。

 しかし、娘達は弱音なんかいっさい吐かない。

 詳しく話を聞くと、下校途中、1回、すわって休憩するそうな。

 それでも坂を歩き、階段を上り、ちゃんと毎日帰ってくる。

 おかげで娘達も夜、あっという間に寝るようになった。


 不便な立地=不幸な人生 では決して無い!!!

 便利さを求めすぎた結果、日本人は弱体化し、平和ぼけし、生きている喜びを感じられなくなったのだよ。

 私はこの交通の便が決して良く無い坂の上の家に住む事によって娘達が強く逞しく育ってくれると信じて疑わない。


 さて、私も通勤が容易ではないんだよな。

 電車で通勤しようものなら1時間はかかってしまう。その内訳は徒歩50分、電車10分。

 しかも電車代を払わねばならぬ。


 ああ、自転車馬鹿、坂馬鹿万歳。

 こんな環境がたまらなく嬉しい。

 ジテ通最高。


 今朝、自転車通勤ルートを見直した結果、出勤時間が20分34秒だった。

 これまで25分前後だったのが、大幅に短縮された。

 心拍数160bpm台で巡航。巡航速度は38km/h前後だ(途中何度か信号に引っかかるので平均移動速度はそれを下回る)。

 最高に気持ちが良い。


 今朝の外気温2℃。職場の人たちは”こんなに寒いのに頑張ってますね”なんて言ってくれるのだが、私にとってはこの2℃という外気温はちっとも寒く無い。

 ミネソタ在住時代、外気温-20℃なんて世界で通勤していた訳で、2℃はめちゃくちゃ温かい訳だ。

 Tシャツ1枚でも寒く無い。もちろん、自転車に乗ると体感温度は2℃を遥かに下回るので冬用仕様のサイクルウェアで通勤している。



 我々、動物は祖先から受け継いだ遺伝子によってその身体を得る訳だが、成長するに従い、生活環境がその身体や精神に大きな影響を及ぼす。

 ミネソタで暮らした事が、私の体と精神を獄寒にも耐えうる物に変えてくれたのだった。


 今、激坂の上にある家。

 その坂が日々、強靭な体を得る為の因子として作用している。


 皆さん、”便利”って”良い事”なんですか???