寒波

 2月2日、雪

 日本を襲う寒波と豪雪。

 人々は口を揃えて異常気象と言う。

 しかし、石原慎太郎にいわせたら当然の事らしい。

 人類自らが招いた当然の結果だと。


 さて、今朝、外気温1℃。

 路面が凍結しているかもしれない。

 慎重に路面状況を把握しながら心拍数をあげていく。


 そして、夜になり帰宅。

 外気温0℃。

 病院を出る前に妻に電話すると、”道路は凍結しているし、庭には雪が積もっているから迎えに行くよ。”

 ”心配するな。”

 この程度の寒さ、雪なんかでは自転車馬鹿の心は折れない。

 積もっているとは言っても積雪2mm程度。

 自宅のある坂の上の道路は凍結していても病院の周辺の道路は凍結していないはず。


 病院を出て素手で雪の積もった道路をじっくりと触る。

 凍結していない。

 積雪も大した事は無い。

 でも、風が強い。


 フロントライトは普段は点滅させているのだが、今日は路面状況を把握する為にHigh modeで常時点灯。電池の消費量が大きいが、帰路は持つはず。

 慎重に走り出す。


 ロードバイク乗りは知っているだろう。

 凍結路面で落車するとどうなるかを。

 滑った!と思った瞬間、なす術無く道路に叩き付けられてしまう。

 後輪が滑ってもなんとか姿勢を戻せるが、前輪が滑ってしまったらあっという間に体に激痛が走ることになる。

 しかも車道を走っている。

 その責任は重い。

 車道側に落車してしまったら、後続車両を運転するドライバーを交通刑務所送りにしてしまうかもしれない。

 慎重に走る。

 当然、心拍数には余裕を持たせて走る。


 いやしかし、この神戸のドライバー達は無理な追い越しをしない。

 複数ある車線の左端を尾灯を点滅させつつ走る私を視認すると、右側の車線に移動して余裕を持って私を追い越してくれる。

 幅寄せする人はいない。クラクションを鳴らす人もいない。

 ドライバーの皆さん、ありがとう。

 おかげで無事、落車する事も無く帰宅出来ました。