4月3日、大雨・強風

 この神戸も大荒れの天気。

 激しい雨と強風。

 だったらしい・・・。

 というのも昨日、当直。今日も朝から夜までぶっ続けで手術。外の状況を全く認知せず。

 当直開けで、昼前には帰宅って流れはもう無理。

 ここは日本。

 医者はぼろぞうきんのように安月給で働き続ける国。

 救急外来=コンビニ外来の国、日本。

 ほとんど寝られずに夜が空け、そのまま予定手術をこなす日々。

 昨夜も沢山診ました、軽症患者・・・。


 外傷で救急搬送された患者にもれなくついて来たお巡り。

 その不遜な態度に怒りを通り越してあきれるしか無い。

 まさに公僕たる奴らの態度の悪さには、あきれる事が時々ある。

 年寄りのポリ公と若手のポリ公。

 若手は非常に丁寧な物言いなのだが、年寄りのポリ公の態度は最悪。朝から深夜まで緊張感の途絶えぬ状態で働き続けた外科医には我慢ならん物があった。

 診療を邪魔する。患者の家族にえらそうな態度で質問を繰り返す。医者に対する敬意も無く、繰り返される不遜な言動。こんなやからも今の日本の医療崩壊の原因の一つである。

 警察官の業務評価をもっと厳格化した方が良いんじゃないか?

 これほどまでに品格の無い、野坊主な警察官が跋扈しているっていうのに。

 おもわず救急外来の看護師さんに ”あのおっさん、ほんまにおまわりか!!!!!?????” とぼやいてしまった。


 自衛隊や海保の皆さんのことは尊敬しているし、感謝していますが、ポリ公は大嫌いです。

 これまでに当て逃げにあった事が何度もあるが、物的証拠があるにもかかわらず一度も検挙に至らず、日本の警察ってなんなんだよって感じている。

 ポリ公に嫌な思いをさせられた事は何度もあるが、助けてもらった事は一度も無い。

 日本の治安を守ってくれているのだと信じたいが、十分とは思えない。

 学生時代、同級生が地元のヤンキーに襲われて車をめちゃくちゃにされたが、駆けつけたポリ公は加害者が知り合いの子供だったので逮捕する事も無く被害者の私の同級生に責任を押し付けて去っていったって事もあった。

 ええかげんにせえや!!!

 これも日本が堕落している証拠だろう。

 アメリカのPolice officerのように殉職する確率は高く無く、平和ぼけしているんだよ。

 日本でよかったな!!!


 さて、ぼやきはこの程度にして。


 この4月。

 私にとっては特に変化はないのだが、新人の看護師さんや医師が赴任し現場はやや浮き足立っている。

 平常心を失いインシデントが起きそうな匂いがぷんぷんする。

 そんな時、おっさん外科医の私は平常心を保ちいつも通り心と体を水のようにメスを持つのだった。

 我ながら思う。

 私は世界最高の手術をしていると。

 虚栄心、見栄、我欲、面子。

 そんな物とは無縁の心。


 無心。

 手術中は無心の境地。

 当直中に感じた怒りからは解き放たれ、無心の境地で行う手術。

 美しく無い訳がない。

 これが本来の日本人の生き様です。



 さて、雨はやみ強風が続く夜。

 妻が電話をくれた。

 ”凄い風が吹いているよ。迎えに行こうか?”

 その申し出を断り働き続ける。

 夜になり病院を出る。

 凄い風。

 もしもヤバいと思ったら妻に電話をして迎えを依頼する予定だったが、気にせずロードバイクにまたがる。

 走り始める。

 凄い風だ・・・。

 横風にあおられる。

 その度に体を風に預けふらつく事無く車道を激走する。

 当直開けで手術をぶっ続けでしたこの体。

 自分の期待以上に動くぞ!!!

 自然の中で生きている事を再確認する。

 我は我はこの地球の自然の一部でしかない。

 その自然との一体感をこの強風の中で感じ歓喜に包まれる。

 そして心拍数は170bpmに至り、自宅に無事辿り着く。

 玄関を開けた。

 娘の声が聞こえる。

 ”おかーさーん!!! お父さんが帰って来たよー!!!”

 ただ帰って来ただけで喜んでもらえるとは・・・。

 嬉しかった。