草むしり

 5月1日、曇り

 ゴールデンウィーク前半が終わった。

 このゴールデンウィーク、いつも通り朝出勤して昼前に帰宅し、毎日のようにしていた事がある。

 それは草むしり。

 庭に芝生を造成する前に、片っ端から雑草を駆除しようとしているのだ。

 これが結構楽しい。

 家族全員で雑草を見つけては掘り起こして地下茎を片っ端から取り除いていく。

 そのなかに非常に手強い奴を見つけた。

 地面からちょろっとひげのように生えているだけなのに、掘ってみると地下茎が縦横無尽に張り巡らされ、これからいくらでも出てきそうな雑草があった。

 掘っても掘ってもいくらでも地下茎が続く・・・。

 こいつを家族総出でやっつける。

 気分は宇宙戦艦ヤマトガミラス掃討作戦。

 しかし、手強すぎる・・・。

 地面から生えているのを見つけてはそこを掘るのだが、翌朝になると違うところから新しいのが生えている・・・。

 恐るべし! ガミラス


 そんな地下茎を夢中になって掘り続けている。そしてふと、我に返る。

 まるで今の日本の社会のようだ・・・。

 無数の問題が山積し、そしてその問題のすべて、根が深い。

 このブログでもその一部を論じてはいるものの追いつく事は無い。


 雑草の根を掘ってみなければその根の深さに気がつく事も無い。

 そう、現代に生きる日本人のその大半は”草むしり”をしない。

 それも問題の一つだ。



 連日起きる悲惨で無慈悲な交通死亡事故。


 無免許で運転し、遊び回って居眠り。そして母であり、妻であり子を宿した母体であった尊い命を殺す。

 車を運転しているという時点で”少年”だからと言って減刑するべきではない。

 むしろ厳罰と超高額の賠償金を本人、および親に負わせるべきだ。

 この親は、息子の教育が十分に出来ていない事を認めている。そう、親としての義務、責任を放棄している。その償いを高額の賠償金でするべきだ。さらに一緒に服役せよ!と言いたいがそれは無理か・・・。

 いずれにしてもno mercyで処罰するべきだ。だって、その原因に情状酌量の余地はないのだから。



 睡眠不足でバスを運転し、居眠り運転。そして複数の乗客を殺した運転手とその会社。

 あまりにも罪深い。

 しかし、この事故はこの運転手やこの会社だけが問題なのではない。

 格安のバスツアーを求める日本国民。そして、その需要に応える事でもうけを出そうとするバス会社。

 問題の根は、格安ツアーを求める国民と、運転手を酷使してもうけようとする会社にある。

 まるで日本の医療のようだ。

 格安で医療が受けてられて当然と思って疑わない日本国民。激安の診療報酬なのに医者やその他の医療従事者を酷使してなんとかもうけを出そうとする病院・・・。


 ニュースや新聞記事は決まってこう言う。

 ”命を扱う仕事である事に緊張感と責任を持ってもらいたい!” とね。

 この発言、一文には ”ええかげんにせえ!!!” と言いたい。

 だったらバス運転手(医者)に十分な休養と給料を与えよ!!!

 バス運転手と医者を同じ視点でとらえている私もどうかと思うが、その専門性の違いは大きいがミスを犯せば人が死ぬという点では同じだろう。


 外科医として働き十数年経つ。

 これまで”過労状態”で手術した事など無数にある。

 それでも目の前に横たわる患者の命を救うため、居眠りなどする間もなく頭と手を動かし続ける。

 そう、バスの運転手とは違うんだよ。バスの運転手とは!!!

 と、粋がってみたところで同じ”ヒト”である。

 先輩外科医が執刀する。彼も連日の激務で疲れきっている。

 明らかに動きがおかしい。やるべき事を忘れそうになる。そんなときは第一助手や第二助手が補助してミスなく手術を終えるのである。

 そう、バスの運転手は一人っきりで数十人の命を殺しうる立場にいるのに対して、外科医は3人で一人の命を奪いうる状況にあるのだ。その点では外科医は恵まれている・・・。


 なんだかいつも通り何が言いたいのか分からない文章になってしまった。


 交通事故に関する話に戻る。

 アメリカから帰国して1年以上が経つ今、帰国直後に感じていた日本の異常さが分からなくなってしまっている。

 その一つが自動車を運転する人のマナーの悪さ。

 歩行者が横断歩道を渡ろうとしていても、全く気にする事なく、停止する事も無く通過する。

 横断歩道を渡っている人がいるとその直前を凄い速度で通過して行く。

 アメリカではこんな事はまずあり得ない。

 車を運転していて歩行者や自転車に乗っている人に怪我を負わせたら、その罰則もさることながら賠償金が日本人の我々からすると超高額だからな。

 アメリカではそう、人をはねたらとんでもない事になるって意識が根付いている。

 一方、日本。人をはねても大した事無いとしか思っていないとしか思えないような運転をする奴が多い。

 さらに、中国人。人をはねたら、さらに何度かはねて殺してしまえと考える。

 殺してしまった方が賠償金が安いらしい・・・。

 日本人の精神性がアメリカ人と中国人、どちらに近いかと問われたならば、圧倒的に中国人に近いと答える。

 結局はこの粗野で洗練される事の無い、教養を持たぬ ”愚民” は ”金” でしか物事をとらえる事が出来ないようになったのだ。

 だからこそ、交通事故の厳罰化ではなく、”高額賠償化” をすべしと考えるのだ。

 人をはねたら一生をその償いにあてねばならぬほどの高額賠償を課すべし。

 そうでもしなければこの国の国民は目覚めぬのだ。


 ここに述べた事を不快に思う日本国民も多数いるだろう。

 そんな人に尋ねたい。

 ”なぜあなた方は信号の無い横断歩道を渡ろうとしている人がいるのに、ためらう事無く減速する事も無く通過出来るのだ? 道路交通法違反と知っているのか?” と。


 そう、これらの問題は非常に根が深い。

 その根の根は、日本が敗戦後に戦勝国から押し付けられそれを受け入れた今の日本国憲法にあると思うのだが、どうだろう。

 今こそガミラス掃討作戦を!!!



 さて、ゴールデンウィーク後半も草むしりをしよう。