梅雨明けと熱中症

 7月17日、快晴。最高気温摂氏32度。

 朝、起床。

 ベッドルームの窓から外を望む。

 激坂の上の家に住むからこそ得られる眺望がそこにはある。


 庭の芝は青く、その彼方には海が見え、さらに遠くには島が見える。

 そして見上げると空は快晴。


 お、今日は晴れか。

 梅雨仕様は必要ない。


 そして、朝食を摂取してジテ通。

 暑い・・・。

 よし、のんびりいこう。

 激坂を下る。

 のんびりいくつもりが、下り坂なのにペダリングしている・・・。

 太陽がこの肌を熱く焦がす。

 そして、東西方向に移動を開始する。

 のんびり行こうと出発時には思っていたが、自転車馬鹿には”のんびり走る”のは無理らしい。

 気がついたら40km/hで快走している。


 滝のように流れる汗。


 そして、職場に到着。

 服を着替える。

 流れる汗をタオルで拭きながら階段を走って上り、外科病棟に到着。

 そして詰め所に入った瞬間・・・、ぐらっときた。

 そう、めまいがして転倒しそうになった。

 脱水、熱中症・・・。


 通勤で熱中症になる外科医って・・・。

 途中、スポーツドリンクを飲みながら走っていたが・・・。

 ちょっと反省。

 これからはもっと気をつけよう。

 いつもはシャワーを浴びてから仕事を始める時間があるんだけど、今日はちょっと余裕が無かったんだ・・・。



 そして、昼食を摂取しながらテレビのニュースを見ていたら”梅雨明け”の報道があった。

 ・・・・・・。

 ・・・・・・・・・。

 これからもっと暑くなるのね・・・。

 すてき・・・。

 雨が少なくなって嬉しいような、悲しいような・・・。

 まあ、どうでも良いか。

 暑かろうが、雨だろうが、ジテ通するんだから。

 そこに激坂がある限り、俺は登ります。


 そして今日は珍しくデスクワークをしていた。

 論文を読みあさり、少なくなって来た必要な資料(患者説明用資料)をMRさんに電話して届けてもらうようにお願いする。


 なんだかんだで、娘達の下校時刻になり、気になったので家に電話した。

 私 ”なあ、(娘達は)ちゃんと帰って来たか? 倒れてないか?”

 妻 ”大丈夫!!! ちゃんと帰って来てるよ。 プールに入って涼んでるよ。”


 よかった。

 約2kmの激坂を登坂して、この炎天下をはたして娘達がちゃんと帰宅出来たのか気になっていたんだ。


 帰宅してから、長女と次女に状況を聞いた。

 長女 ”大丈夫だよー、お父さん。水筒のスポーツドリンクを時々飲みながら、日陰を選んで歩いて。時々、日陰で休憩しながらお友達と帰って来てるから。”

 次女 ”うん、おねえちゃんと同じ。私は休憩しなかったけど、なるべく日陰を歩いて帰ったよ。それに水筒があるから大丈夫。”


 どうやら心配性のおやじの不安は、杞憂だったらしい・・・。


 ただでさえ激しい坂を、1Lの大きめの水筒にスポーツドリンクを充填して肩から下げて通学している我が娘達とご近所のお子さん方。逞しいぜえ。強いぜえ。


 力強く語る、逞しく澄んだ娘達のまなざしがとても美しく感じた日だった。

 I love you, my girls.

 俺たちは今生きている。自然の中で生きている。

 そう、俺たちは自然の一部なんだ。

 今、生きている。

 そして、必ず死ぬ。

 今一度言わせてくれ。

 I love you! My girls!!!