善意で満ちた職場、そして恫喝
9月29日、曇りのち雨
台風来襲直前。
今日は朝からプライベートの用事があったので、7時に出勤し朝回診をしていた。
アメリカから帰国してからというもの、外国人の方の担当医をする事が非常に多い。
先日も某国出身の担当医をしていた。
彼は母国語、日本語、英語ができる。
私は日本語、英語が話せる。
そんな二人の会話は、少々滑稽である。
まるでルー大柴のような話し方になってしまう。
どうせなら全部、英語で話せば良いのだが、彼も日本語でしゃべろうと努力してくれるので、日本語、英語が入り交じった会話になって、むしろ混乱してしまうのだった。
そして、彼の言葉、”Doctor、ありがと。ありがとござます。Thank you.”
ありがたい事に、今まで私が担当した外国人は皆良い人達だった。
悪意を感じた事は今まで一度もない。
日本人患者からの悪意を感じた事は数回あるが・・・・・。
外国人患者は皆、こちらが誠心誠意、適切な医療、説明を心がけている限り、それを疑ってかかって突っかかってくるなんて事はない。
しかし、一部の日本人患者、その家族から術前の説明(手術の前日などに、病状や予定術式、それに関する偶発症等を説明する)をしていてこんなことを言われた事がある。
患者家族 ”せんせえ、ここ(病状説明書、手術同意書)に書いてある偶発症って、結局のところ、起きたとしたら医療ミスってわけやんな。これもこれも起きたとしたらあんたがミスしたって事やんな。”
私 ”ミスではありません。偶発症というのは、こちらが確実な手術をしても起きてしまうのが偶発症です。ミスではありません。”
患者家族 ”あんたがそうゆうてもな、こんな事(偶発症)って聞いた事あらへんで。てことは(起きたとしたら)ミスやんな。”
私 ”ミスではありません。確実な手術をしても、起きてしまうのが偶発症です。なので、そういった偶発症が起きる可能性があるという事を覚悟していただく必要があります。それが ”手術” です。覚悟していただけましたら手術同意書に署名してください。もちろん、これらの偶発症は滅多に起きる事ではありませんし、確実な手術を常に心がけておりますので、その点はご安心ください。”
患者家族 ”なんか、よう分からへんけど。せんせえにまかせるわ。せやけどうちのOOに下手な事したらただじゃ済まへんってことは覚悟しといてや。”