民主政治の崩壊と日本の医療の崩壊
11月18日、晴れ
民主党がこの国にもたらした災難は今後の日本史に置いてどう語られる事になるのだろうか。
尖閣諸島周辺を中国船舶がごろつきのように出現する事が常態化し、日本の経済、産業は力を失ったまま。
かつては誰もが信じて疑わなかった、日本のエレクトロニクス・家電業界の強さ。
しかし、今や日本企業は技術力はあっても大赤字。
新聞を読んでいても、日本の技術力は凄いんだから大丈夫だなんて論調の記事が目につくが、むしろむなしさを感じるのみ。
技術があってもそれをうまく商品としてパッケージング出来ていない事を真摯に受け止めるべきだろうに。そして、日本企業はエリートたる開発者・技術者をその他の単純労働者とそれほど変わらぬ粗末な扱いをしたおかげで、Samsung等の韓国や中国企業に大量に引き抜かれ、韓国勢・中国勢に良いようにやられてしまっているではないか。
今日、家電小売店に行って来たが、かつてのにぎわいはなく、テレビを見ているのなんか私独りだった・・・。
しかも、LGとSHARPが並べておいてあったが、LGのテレビの方が画作りが良かった・・・。残念で仕方がない。
さて、民主党の崩壊は大歓迎。しかし、医療の崩壊は喜べない。
夜間・休日に日直や当直をしていて感じる医療崩壊。
その原因は、日本人の死生観の欠如、自己責任能力の欠如、自己管理能力の欠如、恥という概念の欠如、そしてそれを助長する阿呆みたいに安い診療報酬、医療費である。
なぜ、こんな症状で深夜や早朝の救急外来を受診する?って事があまりにも多い。
電話で緊急性がないから平日に一般外来を受診するように説明しても、”心配だから見てくれ。緊急性がないなんて事を言うが、何かあったらあんたが責任をとってくれるのか!” と病院に押し掛ける。そして、抗生剤の塗り薬をもらって満足して帰宅する・・・。
来月の選挙。
正直に言ってどの政党、候補者に投票すれば良いのか全く分からない。
外交問題、領土問題はどうなるんだ???
橋下さんの外交意識のお粗末さにあきれた身としては、今や日本維新の会を応援する気にはならぬ。
どうするんだ、どうすりゃいいんだ。
そうなると安倍さんか?
うーん、自民党政権下で日本の医療は崩壊へと突き進んだ事実をどう受け止めるか・・・。
ああ、どうしようもない政党ばかりになってしまったって事か・・・。
これぞ、衆愚政治。
もう、やめてくれよ衆愚政治。
例えば、救急医療に関して言わせてもらいたい。
夜間、休日の診療報酬を現行の10倍にして、アメリカ並みの診療報酬とせよ。
そうでもしなければ、今や愚民と化した少なく無い”一部”の日本人のコンビニ受診はとまらんよ。
え? そんなことしたら本当に緊急性のある患者に受診抑制がかかって適切な医療を提供出来なくなる?
ああ、そうだろうな。
そう、例えばだが、汎発性腹膜炎で緊急手術が必要な患者であったならば、診療報酬を10倍にするのではなくて2倍に抑える。
例えば、脳出血で緊急開頭手術が必要であったならば、同様に。
一方、数日待ってからの受診でも問題ないような疾患であったら10倍請求する。
すなわち、診断に応じてそれを変動させる。
そんな感じでメリハリを付けるのが妥協案かと思う。
そんなのめんどくさいというのであれば一律、救急外来での対応には10倍の診療報酬を。
さて、こんな事を書いて、なんて過激な外科医だ! って感じた方もおられるだろう。
同業者の人でも、そう思う人が残念ながらいるかもしれない。
しかし、言わせてもらおう。
先日、救急隊員が泣きそうな声で電話をかけて来た。
”先生、こうこう言う状態の患者を収容したのですが・・・。ええ、御無理申し上げているのは承知です。でもなんとかお願い出来ませんか。もう、8カ所の病院に断られてしまって。もう・・・・・。”
この原因が医療従事者の怠慢にあると貴方は言うか?
何も知らないくせに。
救急医療に十分な人員配置を行う事なく運営され、現場で働く医療従事者達は過労死を覚悟で働いている。
なぜ、そんな相対的に不十分な人員しか提供されないのか?
それは診療報酬が少なすぎるからに他ならぬ。
そう、十分な人員を確保したら大赤字になるからである。
そして、コンビニ受診をする愚民の存在に他ならぬ。
そう、コンビニ受診の影響で、相対的に人員が不足するのである。
それが、なぜ分からぬのだ。