いつもと同じ朝

 12月17日、晴れのち雨

 昨日の歴史的な選挙が終わり、さめやらぬ興奮と落胆を感じつつ起床した。

 晴れていた。

 いつも通り、ジテ通。

 風邪による体調不良のため、心拍数が150bpmで頭打ち。

 それ以上、運動負荷をあげようとすると激しい呼吸苦に襲われる。

 そう、酸素化が出来ない体になっている。

 肺がかなりやられているなって印象。

 いつもだったら35km/hで楽々巡航できるはずが、30km/hでもかなりしんどかった。

 何も変わらぬ日常。


 出勤して若い医師達に選挙に行ったか聞いた。

 驚くべきことに、研修医達は全員選挙に行っていなかった・・・。

 おもわず、”たわけ者!” と叱責してしまった・・・。

 ”誰に投票して良いか分からないからいきませんでした・・・”

 ・・・・・、愚かにもほどがある。

 まあ、日々の仕事で頭がいっぱい疲労困憊の研修医諸君は政治を日本の未来を真剣に考える余裕もないのも理解できるが、あまりの無関心ぶりにあきれてしまった。

 こんなことだから、日本の政治は衆愚化するんだよ。


 今日も、朝から予定手術をこなし夕方からは緊急手術をこなして先ほど帰宅した。

 そう、いつも通りに働く。

 このふざけた社会保障制度、社会主義的な日本の医療制度に苦しみながらも、世界最高の医療・手術を同朋達に提供し続けている。

 今日の緊急手術を要した患者は、これでもかというほどの生活習慣病の持ち主で、かなりハイリスクな患者だった。

 でも、無駄のない手術。最新の手術機器を駆使して術中出血量はかすり傷程度。そして、確実な手術を行い、手術としては何の憂いもない内容だった。

 そして、術後、ICUに入る。

 麻酔をかけてくれた麻酔医の仕事ぶりも完璧だった。

 術後は完璧に落ち着き、有能な麻酔科医達は各種薬剤を絶妙に使いこなし、有能なICU看護師も完璧な仕事をする。

 自画自賛にもほどがあると自分でも思うが、うちの病院は凄い。

 他の病院が、あまりのハイリスクに匙を投げて、うちにその患者を紹介してくれた訳だけれど、そのハイリスクな病態を完璧に制御している。

 これは我々外科医のみならず、麻酔科医、手術場の看護師、ICUの看護師、循環器内科や消化器内科が優秀だから出来ること。

 こんな診療を日々行っているが、それでも病院の収益としては赤字になってしまうときもあるってのが許せない。

 俺達 established doctors は時給3000円で働いているんだぞ。看護師諸君はもっと少ない時給だ。

 それでも赤字ってのは、どういうことだ!!!


 かつて長期にわたって日本の医療を崩壊させ、国民を堕落させた自民党。その大罪を犯した党が、与党に返り咲いた。

 日本の医療の未来はどうなるんだろうか。