ノロ外来

 12月24日、晴れ

 全国を寒波が襲い、雪国では激しく雪が降っている。

 ここも雪が降り、ホワイトクリスマスとなるかと思ったけれど、ただ寒いだけだった・・・。


 さて、ここ最近、当直をしていても嘔吐・下痢を主訴に受診する人が多い。

 そう、ノロウィルスが猛威を振るっています。

 老若男女を問わず、皆さん吐きまくり。

 救急外来のベッドでは吐きまくって下痢しまくってげっそりとした人々が、点滴を受けている。


 そんな救急外来で、外傷の処置をする外科医と処置を受ける患者、処置の補助をする看護師。

 ・・・・・・・・・。

 ノロウィルスだらけのこの空間で・・・。

 働く医者・・・。

 処置を受ける患者・・・。

 例えばですよ。

 これで医者がノロにかかったら労災?

 これで外傷で受診した患者がノロになったら病院の責任?

 そんなことを考えながら働いている。

 そして、1日に何十回も手を洗うから手の皮膚はがさがさです・・・。


 ノロウィルスは怖いから気をつけろなんて記事が新聞に掲載されていて、吐いちゃったら病院に行かないと命が危ない?なんて思い込んでる人いませんか?

 あの、ノロウィルスにかかっても高齢者以外ではほとんど死ぬことはありません。

 よほどの脱水でなければ、点滴も不要です。

 なので、吐き気止めと整腸剤を処方する程度です。


 すなわち、ノロにかかったかなと思っても、病院に行ってもほとんど意味がありません。

 そう、行くだけ無駄。

 外出してあらゆる所でウィルスをまき散らすのはやめて、自宅でじっくりと療養し、吐いてもいいからスポーツドリンク等を飲む。

 それで、大多数のヒトは治ります。


 未だに忘れない。

 アメリカで知人が、インフルエンザにかかったと思うから受診したいとクリニックに電話を入れたら、”インフルエンザだと思うなら、外出せずに家でおとなしくしときなさい” と言われたことを。

 まあ日本だったら、インフルエンザになったらとっとと病院に行ってイナビルの処方を受けた方が早く症状が消えて楽なんだが、ノロはね、病院に行ってもマジで意味ないよ。だって、ノロウィルスに効く薬なんかないんだから。


 しかし、吐き気がひどくて全く飲めない食べられない、脱水がひどくておしっこも出ない。そんな方はぜひ病院へどうぞ。