年末はなんだか緊急手術が多い
12月26日
年末になり、予定手術は少し控えめでのんびりできるはずなのに、手術に明け暮れる日々。
なんで?
それはなぜか緊急手術が不思議なほどに多いからです。
壊疽性胆嚢炎、急性虫垂炎、汎発性腹膜炎、腸閉塞、鼠径ヘルニア嵌頓などなど。
例えばこんな感じ。
上司 ”もしもし。ねえ、アルマダ先生、今動ける?”
私 ”大丈夫っすよ。どうされました? (緊急)オペですか?”
上司 ”そう。内科のW先生がみてくれている患者なんだけど、free airがある(消化管穿孔による汎発性腹膜炎)らしい。頼めるかな?”
私 ”もちろんです。今すぐいきますよ。で、なんちゅう名前の患者さんですか?”
上司 ”あ、ごめん。OOさん。”
私 ”あの今、(外科医の)誰の手が空いてますかね?”
上司 ”そうやなー。今、(予定)手術中だしな。外来もしてるし。まあ、こっちで手配しておくから、任せといて”
電子カルテでその患者の経過と画像データ、採血データを確認。
そして、後輩の内科のW先生に電話する。
私 ”おーい、どないや。患者さんどこや。”
W先生 ”すんませーん。OO病棟に入院されてます。”
私 ”保存的(手術を行わずに治す事)には無理なんだな? 手術が必要ってこと説明してるか? 患者さんのご家族さん、おってか?”
W先生 ”データはこんな感じで、バイタルは今こんな感じです。このままいったらseptic shockになると思います。ご家族さんもおられますー。手術もすぐして欲しいっておっしゃってます。”
私 ”よし。これからは全部こっちでやっとくわ。合併症とかないんかな?”
W先生 ”合併症結構あるんですよ。高血圧あるし、糖尿病もあるし、心房細動があって抗凝固もされてます。”
私 ”ほう、そりゃ大したもんやな。まあ、(手術を)せなあかんしな。今から診察してムンテラしてすぐ手術するわ。後はまかせといて。”
そして、手術場の看護師さんと麻酔科部長に電話する。
手術場の看護師さん ”オーケーでーす。いつでもどうぞ。今すぐ用意します。”
麻酔科部長 ”分かりました。OO君(麻酔科医の中堅)に言っときますから”
患者さんの病室に向かい、ムンテラをする。
患者さん ”先生にお任せします。いや、私ね、知ってるんですよ。こちらの病院はちゃんとしたことをしてくださるって。以前も他の病気で入院したことがありますけど、素晴らしい治療をしていただきました”
そして、手術の手洗いをしていただく予定の先輩に電話する。
私 ”先生、パンペリ(汎発性腹膜炎)の話お聞きになってます?”
先輩外科医 ”聞いてるよー”
私 ”今、ムンテラ終わりました。(手術室)入室(時間)決まったらご報告しますー。よろしくお願いしますー。”
先輩外科医 ”了解!!!”
そして、その1時間後には緊急手術を始め、手術時間は約1時間。
術後、不整脈の影響で頻脈になった為、すぐに循環器内科の部長に電話で相談する。
循環器内科部長 ”すぐに、OO先生に診に行くように言っておくから。”
そして術後もぼちぼち安定し、何とかなりそうである。
以上の内容を読んでおそらく大半の医療従事者の方々に当院の良さが分かってもらえたのではないだろうか。