地震
4月13日、晴れ
午前5時33分、強い揺れで眼が覚めた。
ゆさゆさと家が揺れ始め、すぐにがたがたと強い揺れに変わった。
揺れを感じてから5秒後ぐらいに携帯が今まで聴いたことの無いような音を立てた。
携帯の画面を見てみると緊急地震速報だった。
ついにきたか。この時が。
思ったより早かったな。
布団に入ったまま、天井を見つめ、揺れを感じていた。
このままでいい。
慌てて飛び起きる必要はない。
この家は軽量鉄骨の耐震性を持つ家。
ご存知のとおり坂の上にある。津波は”絶対に”来ない。
衣装ダンスが倒れたとしても大丈夫な位置に寝ている。
そう、大丈夫。
程なくして揺れが収まった。
そしてこの程度の揺れで収まったということは、震源地の被害もかの大震災のようなことにはなっていないだろう。
不思議なほどに冷静だった。
隣のベッドルームで寝ている家族を見に行く。
皆起きていた。無事だ。
ベランダから神戸の町と瀬戸内の町並みを見る。
建物もいつもどおり、火災も起きていない。
いつか来る巨大地震にそれなりに備えている。
仕事柄、夜中に携帯がなることが多いので、私だけ別のベッドルームで寝ている。
そこには昔から使っている衣装ダンスがある。
いつも妻が綺麗に布団を敷いてくれてそれに寝るのだが、必ずその布団の位置を確認してから寝ている。
そう、タンスが倒れても下敷きになることはない位置に布団を移動してから寝ている。
下敷きになっても死にはしないと思うが、それなりの怪我を負う。
夫として父として外科医として、怪我をするわけにはいかない。
その思いがあるから毎晩、布団の位置を確認してから寝ている。
さまざまな備えをしているが、ひとつ気になることがある。
それは我が家はオール電化住宅ではないことだ。
風呂もキッチンも暖房もガスを使っている。オール電化どころか”ほぼガス化”住宅である。
ガスは電気と違い震災に弱い。
火災の原因となるし、復旧までに時間がかかる。
こういった観点からもスマートグリッドをさらに推進しないといけないよなと思う。