当直開けも緊急手術で

 5月2日、晴れ



 緊急手術の嵐が収まる気配がない。



 先日の事、当直開けで外来をしていた。

 外来予約率100%オーバー。

 最終的には2時間待ち。

 12時になって、1時間待たせた患者さんを中待ち合いに呼び込むも、来ない・・・。

 午後1時になって、やっとその患者さんが来た・・・。

 お昼ご飯を食べにいっていたらしい・・・。

 はあ・・・。

 そうね、朝ご飯抜きで病院に来て検査してさらに、診察を1時間も待たされて、そりゃ空腹で耐えきれずにご飯を食べにいっちゃうわな・・・。

 うん、仕方ない。

 患者さん ”先生、すみません。ご飯食べてました。”

 私 ”こちらこそ、長い間お待たせして申し訳ありません。そりゃ絶食で来たら、お腹すいてふらふらですよね。”


 さて、そんなこんなで午後2時。

 もう眠い。

 当直開けで、この外来業務。

 午後は特に仕事の予定がなかったので、のんびりと昼食を食べて入院患者の管理をして、定時に帰ろう。

 そう思っていた。

 しかし、救急外来をしている内科医から電話がかかって来た。

 あ・・・・・・・・・、そう、そうね。

 はい、緊急手術の適応ですね。

 いつするの? そう、”今日でしょ!”

 いくら疲れていても、理論的に考えて導きだした ”緊急手術を要する” って結論に対して ”保存的に治療してくれ” と言う為の”屁理屈探し”は絶対にしてはならない。そんな事をすると、患者の状態は悪化し、後手に回る事になる。

 そして、予定手術を終えたあと、緊急手術を始めた。

 当直開けでも夜から緊急手術。

 なんでこんな事になるかって言うと、予定手術をこなす為に私以外の外科医が全員手術に入っていて、唯一自由に動ける状態だった私が、急患の対応をせざるを得なかった訳。

 そして、慎重に緊急手術を行った。

 理性を保ち、集中力を保ち、執刀する訳なんだけど、そうはいっても当直開け。

 いつものコンディションではないはず。

 よって、いつも以上に丁寧に慎重に執刀するんだよ。

 そして、術中出血量0mlで緊急手術を終えて、術後、患者の状態は安定。


 激坂をいつも通り快走し、帰宅した。

 ひげは伸び放題。

 この歳になると肌もかさかさ。

 加齢臭を放っているんじゃないかと心配にもなる。

 いや、まだそんな歳じゃないか。

 久しぶりに家族にあった気がする。

 みんな元気で何よりだ。



 明日からゴールデンウィーク後半。

 平穏な休日となるのか、このまま緊急手術がつづくのか・・・。

 神のみぞ知る。