Good job!!! Guys!!!
3月7日、晴れ
金曜日。
今日はいつもの金曜日とは違うのだけれど、いつもどおりサイクルジャージに身を包みロードバイクで出勤。
ひんやりとした空気が全身を包む。
そして、職場に着き、駐輪場にロードバイクを留め、オフィスに向かう。
そう、今日はこの職場での勤務最終日。
いつもどおりに外来をする。
ただ、転勤する旨、患者さんに伝えると涙を流しながら抗議された。
昨日もそうだった。一昨日もそうだった。
”せっかくいい先生に出会えたのに”
”話を聞いてくれて、話しやすくて、これからもずっと診てもらえると思っていたのに”
”だれが、先生を異動させるんですか”
”以前診てくれていたM先生もいい先生だったのに辞めてしまって、先生も辞めるんですか”
そんな抗議にひたすら、”すみません” と謝りつづける日々だった。
”癌を見つけてくださってありがとうございました。おかげでこうして元気で生きていられます。”
”先生こそ、お元気で。”
こんな会話をここ数ヶ月間続けていた。
私は大先輩外科医M先生が診ておられた患者さんの大半を引き継いだ。
そしてその引き継いだ患者さん方は口をそろえてこう言った。
”M先生はとてもいい先生やったわ。話を聞いてくれて、困ったことがあったらすぐに対応してくれて、ええ先生やったわ。”
誰一人、M先生に批判的なことを言う患者さんはいなかった。
その絶大なる信頼を裏切ってはいけないと、強い責任を感じてこの責務を全うしようと働いた。
その、M先生とは2011年から約1年間、一緒に仕事をさせていただいた。
肝臓癌の手術も任せていただいた。
消化器癌の患者さんも任せていただいた。
私が外科医になってから十数年が経つ。
これまで、今日この日まで、消化管の手縫い吻合による縫合不全、皆無である。
そう、手縫い吻合による縫合不全率0%。
ここで、腹黒い外科医たちがこう言う。
嘘やろ、と。
嘘ではない。
ただし、以前も書いたことがあるが、CDHによるDSTで縫合不全をきたしたことがこの外科医人生において1例だけある。
直腸の進行癌で切離ラインが肛門に近く、手縫い吻合が不可能な位置であったため、DSTを実施した。
そして、術後約1週間目で縫合不全をきたした。
その時、休日だったが優秀な看護師さんから携帯電話に電話がかかってきた。
状況を正確に伝えてくれ、すぐに私は病院に向かった。
そして、腹部の所見、緊急CTの所見から再手術が必要であると判断し、手術を手伝ってくださったM先生の携帯電話に電話した。
Armada ”先生、申し訳ありません。Aさん。縫合不全を起こしてしまいました。今、再手術の用意をしていますが、お力をお借りできますか?”
M先生 ”わかったー。今すぐいくからね。”
M先生は用事があって新神戸駅の新幹線のホームにいた・・・・・。
そのまま改札口を逆戻りして病院に来てくださった。
この会話の持つ意味を貴方は分かるだろうか?
まず、後輩の判断を信用している。
次に、その信用している後輩の窮地に、用事なんかそっちのけですぐに駆けつけてくれている。
これが、我々”本物の”日本人外科医の姿である。
ああだこうだと理由をつけて病院に来ない医者。
いるよな。
数日前、消化器癌術後の患者が手術を受けたその夜に腹腔内留置ドレーンから便が出始め(=下部消化管術後の縫合不全)、病棟のベテラン看護師さんが深夜、その事実を主治医に報告した。
が、”バイタルが問題なければそのまま様子をみといて” といった馬鹿がいた。
ただの馬鹿なのか、何年間も外科医をやっていて、おもらししまくって、術後合併症になれているのか。
その両方か。
さて、大先輩のM先生。
今もお元気でお過ごしで、大変嬉しいかぎりです。
話は少し変わるが、消化器外科医の皆さん。
消化管吻合はどの方法を選んでいますか?
layer to layerですか? 全層一層ですか? Gambeeですか? A-Lですか?
これに関してはまた後日。
今日で今の職場での勤務を終え、有給休暇に入ります。
以前、研修医に”有給休暇を使い切ってやめていけ!!!” と言いましたが、恥ずかしながら自分も出来ていません。
約40日の有給休暇が残っていて2月から丸ごと2ヶ月、休みをとっても良い状況でしたが、異動が決まった数ヶ月前の時点で2014年2月末まで外来予約がかなり入っていたので、多数の患者さんに挨拶もせずにやめることになると思うと休暇に入るのがためらわれた。
外来のやりくりと、外来chemo中の患者さんの引継ぎを何とか済ませたのが、今日だった。
約40日間残っている有給休暇のうち13日分を使うのがやっとだった・・・・・・。
金曜日。
今日はいつもの金曜日とは違うのだけれど、いつもどおりサイクルジャージに身を包みロードバイクで出勤。
ひんやりとした空気が全身を包む。
そして、職場に着き、駐輪場にロードバイクを留め、オフィスに向かう。
そう、今日はこの職場での勤務最終日。
いつもどおりに外来をする。
ただ、転勤する旨、患者さんに伝えると涙を流しながら抗議された。
昨日もそうだった。一昨日もそうだった。
”せっかくいい先生に出会えたのに”
”話を聞いてくれて、話しやすくて、これからもずっと診てもらえると思っていたのに”
”だれが、先生を異動させるんですか”
”以前診てくれていたM先生もいい先生だったのに辞めてしまって、先生も辞めるんですか”
そんな抗議にひたすら、”すみません” と謝りつづける日々だった。
”癌を見つけてくださってありがとうございました。おかげでこうして元気で生きていられます。”
”先生こそ、お元気で。”
こんな会話をここ数ヶ月間続けていた。
私は大先輩外科医M先生が診ておられた患者さんの大半を引き継いだ。
そしてその引き継いだ患者さん方は口をそろえてこう言った。
”M先生はとてもいい先生やったわ。話を聞いてくれて、困ったことがあったらすぐに対応してくれて、ええ先生やったわ。”
誰一人、M先生に批判的なことを言う患者さんはいなかった。
その絶大なる信頼を裏切ってはいけないと、強い責任を感じてこの責務を全うしようと働いた。
その、M先生とは2011年から約1年間、一緒に仕事をさせていただいた。
肝臓癌の手術も任せていただいた。
消化器癌の患者さんも任せていただいた。
私が外科医になってから十数年が経つ。
これまで、今日この日まで、消化管の手縫い吻合による縫合不全、皆無である。
そう、手縫い吻合による縫合不全率0%。
ここで、腹黒い外科医たちがこう言う。
嘘やろ、と。
嘘ではない。
ただし、以前も書いたことがあるが、CDHによるDSTで縫合不全をきたしたことがこの外科医人生において1例だけある。
直腸の進行癌で切離ラインが肛門に近く、手縫い吻合が不可能な位置であったため、DSTを実施した。
そして、術後約1週間目で縫合不全をきたした。
その時、休日だったが優秀な看護師さんから携帯電話に電話がかかってきた。
状況を正確に伝えてくれ、すぐに私は病院に向かった。
そして、腹部の所見、緊急CTの所見から再手術が必要であると判断し、手術を手伝ってくださったM先生の携帯電話に電話した。
Armada ”先生、申し訳ありません。Aさん。縫合不全を起こしてしまいました。今、再手術の用意をしていますが、お力をお借りできますか?”
M先生 ”わかったー。今すぐいくからね。”
M先生は用事があって新神戸駅の新幹線のホームにいた・・・・・。
そのまま改札口を逆戻りして病院に来てくださった。
この会話の持つ意味を貴方は分かるだろうか?
まず、後輩の判断を信用している。
次に、その信用している後輩の窮地に、用事なんかそっちのけですぐに駆けつけてくれている。
これが、我々”本物の”日本人外科医の姿である。
ああだこうだと理由をつけて病院に来ない医者。
いるよな。
数日前、消化器癌術後の患者が手術を受けたその夜に腹腔内留置ドレーンから便が出始め(=下部消化管術後の縫合不全)、病棟のベテラン看護師さんが深夜、その事実を主治医に報告した。
が、”バイタルが問題なければそのまま様子をみといて” といった馬鹿がいた。
ただの馬鹿なのか、何年間も外科医をやっていて、おもらししまくって、術後合併症になれているのか。
その両方か。
さて、大先輩のM先生。
今もお元気でお過ごしで、大変嬉しいかぎりです。
話は少し変わるが、消化器外科医の皆さん。
消化管吻合はどの方法を選んでいますか?
layer to layerですか? 全層一層ですか? Gambeeですか? A-Lですか?
これに関してはまた後日。
今日で今の職場での勤務を終え、有給休暇に入ります。
以前、研修医に”有給休暇を使い切ってやめていけ!!!” と言いましたが、恥ずかしながら自分も出来ていません。
約40日の有給休暇が残っていて2月から丸ごと2ヶ月、休みをとっても良い状況でしたが、異動が決まった数ヶ月前の時点で2014年2月末まで外来予約がかなり入っていたので、多数の患者さんに挨拶もせずにやめることになると思うと休暇に入るのがためらわれた。
外来のやりくりと、外来chemo中の患者さんの引継ぎを何とか済ませたのが、今日だった。
約40日間残っている有給休暇のうち13日分を使うのがやっとだった・・・・・・。