病欠

 9月23日、ミネソタ曇り、時々小雨

 朝はどんよりとした天気、小雨も降っていた。

 職場に着くと、やはり活気がないような感じ。なんと今日は5人が病欠・・・・・・・・・。

 最近、大ボスとミーティングをする期会が増えている。

 今日も突然、セントポールの仕事場所を変更するからといわれ、中ボスと一緒に新しい部屋の視察と機材の移動を行った。

 ただ、新しいと言われて行ってみたら、古い建物で新しくは無かった。しかも室温が4℃に保たれているコールドルームだった。

 なぜコールドルームで作業をしなければいけないのか? 合理的な理由は全くない・・・・・・。

 これから極寒になるミネソタで、冷蔵庫に入って仕事をすることになろうとは・・・・・・・。

 身も心も凍りそうだ。でも、外気温が氷点下の世界で、4℃の部屋に入ったら温かく感じられるのかもしれない。

 さて、明日の仕事の準備のために再び、ミネアポリスに帰ってきた。

 ちなみに準備作業は私の仕事ではない。若いスタッフ(私とは雇用条件が違う)の仕事だ。

 しかし、今日はその若いスタッフが一人しかいない。しかも大ボスが作業内容を大きく変更したため、混乱が生じていてとても一人ではこなせる内容ではなくなってしまった。

 さて、この仕事を我々がするべきかどうか、若いやつらで集まって(幸ここでは私も”若いやつら”に入れられている)、話し合いをした。
 本来なら断って、病欠しているスタッフの回復を待つべきだったのだが・・・・・・・。みんな負けてしまった。

 何に負けたかというと、好奇心にだ。

 なんたって、とんでもない計画を大ボスが立案したため、本当にうまくいくのかどうか自分ですべてやってみたくなっちゃったんだ。

 全会一致で作業を手伝うことに決めた後、非常に楽しい時間が始まった。

 ”まじかよー、こんなに混ぜて良いのかよー” とか、”えーこれも入れんのかよー” など、まるでいたずらを始めた子供たちのように、みんなはしゃぎながら仕事をした。

 いつもなら自分の仕事以外のことをするのを極度に嫌うインド人勢も、非常に楽しそう。

 そして5人も休んでいると、元気に仕事をしている人たちで何とかしようという気持ちが沸いてくるんだ。

 明日の仕事もどうなるのか非常に楽しみ。大ボスは必ずうまくいくからと俺たちを説得してくれたけれど、どうなるのかは誰も知らない。

 そして、病欠者が復帰したら、絶対にこの仕事は引き受けないでおこうと皆で話し合ったのだった。


 帰り道は、夕日に照らされていた。