即戦力は外国人?

 2月22日、曇りのち雨

 さて、病み上がり。

 咳は続くが、熱が下がり倦怠感も改善したので無理をせずにロードバイクで出勤した。

 のんびりとこぐつもりが徐々にあがっていくケイデンス

 本能に任せていると、どんどん負荷があがってしまうので、あえてケイデンスを70rpmに固定して走った。(ちなみに、普段は85-90rpmで走っている)

 今日は執刀の手術も無かったのでデスクワークをしたり、病棟業務をしたり、外来で患者を診たりゆったりと仕事をしていた。

 そして、コーヒーを飲みながら医局の新聞を片っ端から読んでいた。


 私は、バラエティー番組は好きだが、お笑い番組は大嫌いである。

 世界の果てまでいってQは好きだが、吉本芸人だらけのお笑い番組は大嫌いである。

 人を馬鹿にしたり、たたいたり。日本人の品のなさが目立ち、不愉快きわまりないからである。


 さて、話を元に戻しましょう。

 新聞は良く読む。

 朝日新聞以外を。

 主に読むのは産經新聞日経新聞。それと、New York Times

 今日、日経新聞を読んでいて気になったのがこちら。


 日本企業が積極的に外国人を雇用しようとする動きを報じている内容だった。

 インド人や中国人。彼らは当然のようにバイリンガルで熱意もあり、仕事も良く覚え世界に通用する人材になるという内容だった。

 さて、この内容に対して、”そんなことはない!” と思ったのではなく、”そのとおり!!!” と思ったのだった。


 一方、先日、ニュース番組で報道されていた内容。

 近頃の若い女性は普通を好み、高望みをせず、リスクを恐れ、交際相手に望む職業は公務員!!!

 それを見ていて、ため息しか出なかった・・・。

 なんとも情けない国になったもんだ、祖国日本よ。


 これまで日本の研究室で中国人やメキシコ人と働き、アメリカでは現地人、インド人と働いた。

 中国人、メキシコ人、インド人。彼ら、彼女達は母国を離れ、異国の地で戦っている。

 その勢いは凄い物があった。こちらがちょっとでも油断していたら、その立場を陥れられそうになることもしょっちゅうあった。闘いの日々。

 しかし、なんと言うか、清々しささえ感じた事もあった。なぜならば、彼らは議論を好む。そして、議論を尽くして私の話に納得すると、私の仕事を信頼しついて来てくれるのだった。

 当然、彼らはバイリンガル。そして、教養も持ち合わせていた。様々な国の文化や考えを聞かせてくれる。そして、これから進むべき道を熱く語り合う。普段は”敵”である彼らと共感することができる時間がそこにはあった。上司であれ、自分が正しいと思う事を理論的に説明すると、納得し私の考えに従ってくれる。逆に、私の仮説、考察が間違っていれば、相手にもされなくなる。まさにインテリジェンスの点において弱肉強食の世界。なんとも居心地が良かった。と、同時に油断する間もなく頭はフル回転していた。

 日本に帰国し、外科医として働いている今。ここら辺の事に関して考える機会が非常に多い。

 まず、日本の学生。特に医学生はあまりにも幼稚である。

 親の保護のもとで育ち、世間の厳しさを知らぬ者が大半。

 授業に出て、部活をして、バイトに行く。これの繰り返し。

 一般社会を知る事は無い。部活という小さな世界で暮らしているようなもんだ。

 そう、井の中の蛙


 アメリカの医学生はそうではない。

 一度、大学を卒業し社会人として生活し、そして再びメディカルスクールの門を叩き、医者になる。

 私のラボにもメディカルスクール志望の若い研究者が沢山いた。

 彼らは自らお金を稼ぎ、社会人経験を積んで、夜勉強し、メディカルスクールに入学する。

 日本の医学生のようにチャラついた奴は少なかった。

 政治や文化にも興味を持ち、常に向学心に溢れていた。


 さて、話があっちゃこっちゃにぶれてしまっているが、このまま、思いつくままに。


 今の日本の研修医制度は昔より悪いのか良いのか?

 何とも言いがたい。

 私が医者になった頃は、大学の医局に入局し、教授や医局長の仰せのままに関連病院を渡り歩いて働いていた。そこに、試験などは無く、医局まかせで飯が食える状況。逆に、自らの意志を持ち、希望した病院で働くのは非常に困難な状況だった。しかし、時間外ももらえず、週の労働時間が100時間を超えるなんて生活をした研修医の時代の経験が今の私を支えてくれている事は間違いない。

 そんな生活をしていると、仕事以外の事が考えられなくなる。教養を身につける時間など全くない。子育てをする時間など全くない。ただただ、毎日の仕事を無事こなし、生きて返る事を願う日々だった。

 おっと、さらに話がそれていきそうだ・・・。

 病み上がりでシナプスが所々切れているのかもしれない。

 今の研修医の先生達は、それなりの試験を受けて希望した病院で勤務する。そう、試験をくぐり抜ける必要がある。まあ、試験つっても実践的な試験ではないのだが。でも、その試験があるおかげで我々の頃よりはまともな医者になってくれるんだろうと期待している。

 それでも少々気になる事がある。研修医も後期研修医も精神的にあまりにも未成熟なのだ。まあ、若い先生に限った事ではない。我々副部長クラスでも精神的に未成熟な人は沢山いる。


 さあ、話を元に戻そう。

 中国人、インド人。膨張する人口と成長する経済。そして、若い彼らは外へと向かう。

 その外で戦う為の武器を母国で身につけ、他国で自分を試し、力強く生きていく道を選んでいる。バイリンガルである事は当然であり、その他の知識や技術、情熱をもち強く生きている。

 一方、今のひ弱な日本人。

 いや、ひ弱な奴ならまだました。

 理論的思考が出来ぬ日本人。

 義理、人情、面子、筋。私が大好きでもあり、大嫌いでもある言葉の数々。

 無能な人間、理論的思考が出来ぬ人間が、義理、人情、面子、筋を盾に世渡りをして行こうとする。自分勝手な持論、誰かを敵視し自分を正当化しようとする行為。それが当然であらんかのごとく振る舞う。

 そこに何ら生産性は無く、お互いの首を絞め合う行為にしかならぬ事を本人は知る事は無いだろう。そう、死ぬまで治らぬであろう。


 それでもあえて言わせてもらおう。

 井の中の蛙よ。世界を知ってこい。

 誰かを陥れて自らの立場を保とうとするなどといった愚かな行為はやめよ。その行為が、結局は自分を陥れる事になる。その事に早く気付け。

 挑戦する事をやめるな。戦う事に怯えるならば、さっさとこの戦場を去れ!!!

 自分が常に正しいと思うな。その思い込みが、組織を壊す。その先入観が不和を生む。

 人の話を聞け。議論を”口答え”と感じてしまうならば、あなたも愚民の一人だ。

 自らを鍛えよ。常に自分を律し、自分の価値を高める努力を怠るな。

 それが出来ぬのなら、今すぐ、荷物をまとめこの激戦地を去るべし!!!

 自らを省みよ!!! 人のことをとやかく言う暇があるあなた自身に大いなる問題がある事に気がつかぬか!!! 揚げ足を取るようなまねを即刻やめよ!!!



 なぜここまで、今の日本人は未熟なのだろうか。

 教養を深める為の時間を持つ事もなく育ったのか?

 そんな事は無いと思うが。

 ただ一つ言える事がある。

 職場において教養や知識を高める行為はアメリカにおいては”労働”であるが、日本では”労働”ではないらしい。

 そんな考えがある限り、首の閉め合いっこは続くんだろうな。


 日本の”大卒”ってなんぼの価値があんのかね?

 ハングリーさを失い、戦う勇気も持たぬ若者にこの日本を任せられるのか?

 まあ実務能力を優先する企業は外国人を雇用し、そうでなくて年功序列を重んじる古い企業は日本人学生を雇用するんだろう。

 なあ、若者よ。

 忘れないでくれ。

 Stay hungry, Stay foolish.


 普通で良いって?????

 ああ、そうだろう。

 日本では普通でもそれなりにまともな人生が送れるもんな!!!

 しかし、そうでない国があるってことを忘れんなよ!!!




 追記:

 雨の激しく降る夜。ロードバイクにまたがり帰路についた。先日記事にしたFERRISは付けていない。職場でどんな事があろうが、心を鎮め、路面状況に気を配り、この体が発生するパワーを使って前へとすすむ。やはり、後続車は十分な距離を保って私を追い越していく。赤色に瞬く2個の尾灯。これで十分なようだ。ドライバーの皆さん、安全に追い越してくださりありがとうございました。