Casio EX-G1レビュー

 1月15日、ミネソタ曇り、時々、雪

 昨年の12月に購入し大活躍中のコンパクトデジカメ Casio EX-G1、日本での発売が発表されました。


 意外に早く日本での発売が決まったような印象です。楽しみにしておられた方も多いのではないでしょうか。

 防水、防塵、防寒、耐衝撃性をもつコンパクトデジカメ Casio EX-G1、私は大変気に入って使っています。

 しかし、購入を検討されている方でこのブログを参考にしていただいた方もおられるので、今日はあえて不満を感じる事を書きたいと思います。Casioさん、ごめんなさい。

 それはずばり、”手振れ補正” です。

 最近は防水コンパクトデジカメにも手振れ補正機能が搭載されています。それはレンズシフトやCCDイメージセンサーシフトなどのメカニカルな手振れ補正機能です。例えばパナソニック社製DMC-FT1にはトリプル・ブレ補正が備わっておりそのひとつとして光学式(レンズシフト式)ブレ補正が装備されています。
 さらに、Canon社製PowerShot D10にもレンズシフト式手ブレ補正(IS)が装備。発表されたばかりのオリンパス社製μTOUGH-3000にもCCDシフト式手ぶれ補正機構が備わっています。

 EX-G1も”ブレに強い”と宣伝されていますが・・・・・・・・。その正体はこれです。”手ブレの失敗を防ぐ ブレ検出オートシャッター”と”被写体ブレとノイズを抑える ISO感度コントロール”

 ブレ検出オートシャッターは、シャッターボタンを押した後、カメラが ”手振れが少ない状態” が来るのを待ち、”手振れが少ない状態”になると自動的にシャッターを切るという機能です。

 ISO感度コントロールはその名のとおりISO感度を高めにしてシャッタースピードを早くして ”手振れの発生を少なくする” 機能です。

 これで ”ブレに強い” って言うのはどうかなと思います・・・・・・。”先進機能が手ブレ・被写体ブレを防いで、きれいに写す”ってホームページには書いてありますが・・・・・・、そうですか?

 いくつか写真を撮ってみました。ブログに添付するために元画像をCanon社製ZoomBrowser EX6.4.1で画像サイズを小さくしています。すべての画像はクリックで拡大可能です。

 EX-G1とDell Latitude E6400
イメージ 1

カメラ機種名 Canon EOS Kiss X2
ファームウェア Firmware Version 1.1.0
撮影モード プログラムAE
Tv(シャッター速度) 1/13
Av(絞り数値) 3.5
測光方式 部分測光
露出補正 0
ISO感度 800
レンズ EF-S18-55mm f/3.5-5.6 IS
焦点距離 20.0 mm
画像サイズ 4272x2848
画質(圧縮率) ファイン
ストロボ 非発光
ホワイトバランス オート
AFモード AI フォーカス AF
ピクチャースタイル スタンダード
シャープネス 3
コントラスト 0
色の濃さ 0
色あい 0
色空間 sRGB
長秒時露光のノイズ低減 1:自動
高感度撮影時のノイズ低減 1:する
高輝度側・階調優先 1:する


 次から、EX-G1を用いてパソコンデスクに置いたLatitude E6400を撮影しています。撮影者は椅子に座り、両手でカメラを構え脇を締めて可能な限り手振れが起きないようにして撮影しました。肘は宙に浮いていて机には固定していません。照明は電球タイプの蛍光灯です。”ISO感度コントロール”はoffにしています。

 EX-G1 フラッシュ発光
イメージ 2

カメラ機種名 EX-G1
Tv (シャッター速度) 1/40
Av (絞り数値) 3.9
露出補正 0
ISO感度 64
画像サイズ 2560x1920
ストロボ 発光
色空間 sRGB
ファイルサイズ 2651 KB


 EX-G1 フラッシュ非発光
イメージ 3

カメラ機種名 EX-G1
Tv (シャッター速度) 1/3
Av (絞り数値) 3.9
露出補正 0
ISO感度 400
画像サイズ 2560x1920
ストロボ 非発光
色空間 sRGB
ファイルサイズ 2248 KB

 ごらんのように手振れしています。


 EX-G1 奇跡の一枚
イメージ 4

カメラ機種名 EX-G1
Tv (シャッター速度) 1/3
Av (絞り数値) 3.9
露出補正 0
ISO感度 400
画像サイズ 2560x1920
ストロボ 非発光
色空間 sRGB
ファイルサイズ 2069 KB

 同条件で撮影した10枚のうち唯一、手振れがほとんど無いと思われた一枚です。


 EX-G1、先ほど紹介した ”ブレ検出オートシャッター” を利用して撮影した1枚。
イメージ 5

カメラ機種名 EX-G1
Tv (シャッター速度) 1/3
Av (絞り数値) 3.9
露出補正 0
ISO感度 400
画像サイズ 2560x1920
ストロボ 非発光
色空間 sRGB
ファイルサイズ 2161 KB

 シャッターボタンを押すと、液晶モニターの左下に手振れの状態を示すバーが表示されます。そしてひたすらじっと我慢してシャッターが切られるのを待つとこんな写真が撮れます・・・・・・・・・。そう、手振れしています。仕組みを考えたら当然ですが・・・・・・。


 次に、コンパクトデジカメとの比較用には大人気ないですが、デジタル一眼レフカメラ Canon EOS Kiss X2 を用いて同条件で撮影しました。手ブレ補正機構付きレンズを用い、手振れ補正機能はONにしています。


イメージ 6

カメラ機種名 Canon EOS Kiss X2
ファームウェア Firmware Version 1.1.0
撮影モード プログラムAE
Tv(シャッター速度) 1/4
Av(絞り数値) 4.0
測光方式 部分測光
露出補正 0
ISO感度 800
レンズ EF-S18-55mm f/3.5-5.6 IS
焦点距離 28.0 mm
画像サイズ 4272x2848
画質(圧縮率) ファイン
ストロボ 非発光
ホワイトバランス オート
AFモード AI フォーカス AF



イメージ 7

カメラ機種名 Canon EOS Kiss X2
ファームウェア Firmware Version 1.1.0
撮影モード プログラムAE
Tv(シャッター速度) 0.3
Av(絞り数値) 4.5
測光方式 部分測光
露出補正 0
ISO感度 800
レンズ EF-S18-55mm f/3.5-5.6 IS
焦点距離 33.0 mm
画像サイズ 4272x2848
画質(圧縮率) ファイン
ストロボ 非発光
ホワイトバランス オート
AFモード AI フォーカス AF




イメージ 8

カメラ機種名 Canon EOS Kiss X2
ファームウェア Firmware Version 1.1.0
撮影モード プログラムAE
Tv(シャッター速度) 1/6
Av(絞り数値) 4.0
測光方式 部分測光
露出補正 0
ISO感度 800
レンズ EF-S18-55mm f/3.5-5.6 IS
焦点距離 28.0 mm
画像サイズ 4272x2848
画質(圧縮率) ファイン
ストロボ 非発光
ホワイトバランス オート
AFモード AI フォーカス AF



 EX-G1と比較し、ISO感度やシャッター速度が若干違いますが、それでも手振れ補正機能の効果は絶大です。スナイパーの如く集中して撮影してもEX-G1だと手振れしまくっていたのが、EOS Kiss X2だとそれほど集中しなくても全ての写真が手振れが補正されて奇麗な写真が撮影できます。

 ”ブレ検出オートシャッター”は使い物になりません。ブレが少ないと判断された瞬間にシャッターが切られますが、実際にシャッターが開かれているときにぶれていると当然、全く意味がありません。そして実地ではシャッターが自動で切られるのを待つ間にシャッターチャンスを逃してしまうでしょう。
 ”ISO感度コントロール” は”余計なお世話”的な機能で、ISO感度を高めてシャッター速度を短くしてもノイズが目立つだけです。実際にこの機能を使用して撮影してみましたが自動的にISO感度が1600になり、ノイズでにじんだ写真が撮れました。シャッター速度は1/13になりましたが、それでも手振れを感じさせない写真を撮るのはなかなか難しいです。

 ”ISO感度コントロール”を用いて撮影した写真がこちら
イメージ 9

カメラ機種名 EX-G1
Tv (シャッター速度) 1/13
Av (絞り数値) 3.9
露出補正 0
ISO感度 1600
画像サイズ 2560x1920
ストロボ 非発光
色空間 sRGB
ファイルサイズ 2626 KB


 手振れ補正機能は、このEX-G1には実装されていません。そしてそれを補完するかのような機能が与えられていますが、その効果は????です。

 まあ、それでも十分魅力的なEX-G1です。私は大満足。タフでスリムでかっこいい!それがEX-G1です!!

 手振れ補正機能? いらないね、だってEX-G1だもん。
 (昔、スポーツカーにABSが装備されはじめた頃、スポーツカー乗りがそんなもんに頼っちゃイケねーよ、と思ったことを思い出します。しかし、手振れ補正機能もABSと同様、あったほうが良いのは間違いありません。)

 暗いところでフラッシュなしで撮影したければ、望遠で手振れの少ない写真を撮りたければ、EOS Kiss X2を使います。それで解決。