家族が帰って来た、でも週の始まりは緊急手術で
8月22日、曇り
週末は比較的のんびりと出来た。本屋に読みたい本を買いに行ったら、なかった・・・。
でも、読んでみたい本を見つけたので衝動買いしてしまった・・・。
さて、月曜日。
いつも通り朝出勤。定期手術をこなす。
実は今日は、定時に帰りたかった。そう、午後5時には帰りたかった。
なぜならば、家族が3週間の帰省から今日、神戸に帰ってくる日だったから。
予定通り手術をこなして午後5時前・・・、帰れそうだった。
しかし、隣町の病院から緊急手術の依頼が・・・。
がーーーーーー!!!
こんな日に・・・。
毎度毎度の事ながら、当然のように私が執刀医となる・・・。
いや待てよ・・・、なぜ当然なんだろう??? 確かに皆忙しく仕事をしている。私はそろそろ帰ろうかって勢いでいたしな・・・。
そう、他の同僚達がまだまだ働いている事を知る・・・。
手があいているのは私と先輩一人だけだった・・・。
そして手術室と麻酔科の先生に緊急手術をさせて欲しい旨伝える。
すると、すでに知っていた・・・。
麻酔科部長に麻酔をお願いしたくて電話したら、電話に出るなり ”はいどうぞ!!!” と言われた・・・。まだ何も私の口からは説明していないのに・・・。
そしてすでにすべての準備は整っていた・・・。
ここら辺のチームワークはうちの職場はすごい。あっという間に急患の情報が広がり、受け入れに向けて準備があっと言う間に出来ている。
そんなこんなで、手術が始まった。始まる直前に、他の手術に入っていた若き外科医もこの手術に合流・・・。休む間もなく、手術のはしごか・・・。ありがとう・・・。
そして予定通り緊急手術終了。
これで帰られるわけではない。術後の点滴指示、疼痛時や乏尿時の指示などなど。そして受け持ち患者のカルテを確認し、現在の状態を見る為に消灯してしまった病室にこっそりと入る・・・。
その後、標本整理。これは手術で切除した臓器の写真を撮り、板に貼付けてホルマリンに浸して病理検査に提出する為の作業。これを夜中にやるわけだ・・・。
一人ぽっちで夜中にこの作業をするのは相当寂しい。
が、今日は標本整理室に入ったら、ちょうど若き外科医達が代わりにしてくれていた。彼らだって朝からずーっと手術をはしごして疲れているだろうに・・・。
そして ”今日もすばらしい手術でした! 早く帰ってあげてください! ご家族が待ってますよ!” ってね。
"Thank you!!! I really appreciate that!!! Have a good night!!!" と言い残して帰宅。
すると、もう寝る時間なのに、長女と次女は寝ずに待っていてくれた。
アパートの玄関のドアを開けると妻、長女、次女が ”おかえりー!!!” と声を揃えて言う。
そして、次女が走って来て私に飛びつく。次に長女が飛びついて来た。妻も笑っている。
三女は・・・。
寝てた。
寝てた。
でも、その後、長女と次女が私との会話で大はしゃぎしているのを聞いて起きちゃった・・・。
Who are you??? って表情・・・。
どうも私が父親である事を忘れてしまったらしい・・・。恥ずかしがって横目でちらっと見るだけ・・・。
どうも私が父親である事を忘れてしまったらしい・・・。恥ずかしがって横目でちらっと見るだけ・・・。
うがーーーーー!!!!
I'm your daddy!!!!!!!
って絶叫したかったがやめておいた・・・。だって3週間も会わなかったら仕方ないよな・・・。
さあ、こうして今まで通り、にぎやかで面白可笑しい家族が揃った。
やっぱり嬉しいね。
そしてつくづく思う。
俺の仕事ってのは沢山の人に支えられて成り立っている。
救急外来の看護師さん、放射線技師さん、検査技師さん、手術場の看護師さん、麻酔科医、外科医の先輩後輩、病棟の看護師さん、掃除のおばちゃん、事務のおねーちゃん、などなど、そして何よりも家族。
そんなたくさんの人に支えられていい手術が出来るんだよなって改めて思う。
日本国民の健康はこうして支えられているんだよ。
みんな、ありがとう。