長女7歳、そしてCRL4.4cmの生命体

7月10日
長女7歳になりました。これまで大きな病気もせず、元気で大きくなってくれてありがとう。そして突然アメリカに連れてこられたのに文句や泣き言を言わず、地元の学校に行って言葉が通じなくても、慣れない食生活でも、いつも笑顔でいてくれてありがとう。妹やお母さんが具合が悪いとき、一緒に家事を手伝ってくれてありがとう。そして今日は高いプレゼントを買わせてくれてありがとう。どんな困難でも何とかしようと立ち向かっていくあなたの姿勢、そしてすてきな笑顔が父さんの誇りそして生き甲斐です。

 今日はとてもすてきな日でした。仕事を休み、家族そろってあるところへ。そこで見た白黒の画面、CRL4.4cmの存在、5mmぐらいの心臓が力強く鼓動していました。思わず、大きな声を上げてしまいました。感動です。そういえば、長女の時も次女の時も仕事が忙しくてこの映像を一緒に見ることはなかったです。

 日本にいた頃はいつも使っていたこの器械。
 この器械を使って、ある時は急性腹症の鑑別診断を行い、手術適応の有無を判断し、ある時は抗がん剤の効果判定を行い、ある時は乳がんを見つけ、ある時は胸水の有無を確認し、ある時は心タンポナーデの診断を下し、ある時は大腸癌が映し出される、そんな日々でした。薄暗い部屋で、白黒の画面に集中し、異常を見つけたときに私を襲うのは激しい緊張感と責任感。そしてそんなことを悟られまいと表情を変えず検査を続ける。そして検査を続けながらどんな手術しようか、どんなムンテラをしようか考えていた。私にとってこの白黒の画面が映し出す結果はあまりいい物ではなかった。そう、私はいつもこの器械で病気を探していた。

 しかし、今日は違います。説明を受けるまでもなく、5mmぐらいの心臓が動いているのが分かります。こんなに感動するとは思いませんでした。映し出された瞬間、おもわず絶叫していました。いやーエコーっていいですねー。正直言って今まで大嫌いだったエコーが今日は最高にすてきな道具に感じられました。

 日本で忙しく働く、男性の皆さん、仕事を休んででもぜひ奥様と一緒に行ってください。そしてこの白黒画面の映像を見てください。感動すること間違いなしです!