KID K.O.

 7月13日
 K-1 WORLD MAX2009をロケフリ(録画)で観ていた。いま山本“KID”徳郁が韓国のムエタイ選手チョン・ジェヒにK.O.負けした。綺麗な右アッパーを受け意識が飛んだところで左フックをもらってマットに沈んだ。
 KIDはK1デビュー戦からその衝撃的な戦い方が印象に残っている。一発一発が重く大きく、当たったら吹っ飛びそうなパンチ。そしてスタミナは無尽蔵ではないかと思わせるほど、打ち続けられる拳。身体は小柄だが、鍛え上げられた筋肉がまるでグラップラー刃牙の登場人物のようだった。
 今日の彼の動きは試合開始直後から良くなかった。皮膚の張りは以前の物ではなく、明らかに筋肉量が減っていた。あとさらに2,3発打ち込むなと思うような場面でも、手が止まっていた。あれ?、なんで打ち込まないの?と思いながら観ていたが、若き韓国人に綺麗に打たれて負けた。
 今年、KIDの愛車ハマーH2が売りに出ていたことを思い出した。愛車を売るって事は、良くないことだ。経済的に問題でもあったのだろうか?気分一新したかったのだろうか?
 ぜひ、以前のような熱い戦いをして欲しい。草食系男子が増えていく日本において彼はまさに野獣だった。アメリカっぽく表現すれば、ビーストもしくはモンスターだろう。もう誰も彼の勢いは止められない、そう思わせる試合をまたして欲しい。

 そして今、辰吉丈一郎の弟子、渡辺一久がボクサーらしく、恐ろしく伸びる右ストレートでK.O.勝ちをした。私たちの世代にとって辰吉もまた、ヒローの一人だろう。今はもうその弟子が戦っている時代だ。ちょっと頭がおかしいんじゃないかと思う動きだったが、それでもやはりいいパンチをしていた。私だったらまったくよけられていないだろう。

 時はたち、格闘技会では20代の選手が主役になっていく。もし私が格闘技会に身を置いていたならば、すでに引退していただろう。でも、今いる世界は、これから花実を咲かせるべき世界。まだまだ闘志は10代20代の頃と変わってはいない、と思ってますが、どうだろう。ちょっと丸くなり過ぎちゃってるかもしれない。

 学生時代は部活の後輩から”先輩って鎬 昂昇(しのぎ こうしょう)みたいっすよ”って言われてましたが、どうだろう。確かに体型やその動きは似てるかもしれない。