浅田選手おめでとう

 2月25日、ミネソタ晴れ


 浅田選手、銀メダルおめでとう。


 キム・ヨナ選手の演技の完成度は非常に高かった。すべての動きが計算され、まったく無駄な動きがなかった。ジャンプに入るまでの動作、ジャンプ、着地後の動作、すべてが最高のパフォーマンスだった。

 外科医の私なりの表現をさせてもらうと、とんでもなく手術のうまい人の予定手術を見ているようだった。

 昔、外科医の大先輩にこう言われたことがある。

 ”すべての動作に意志を持て”

 手術中のすべての動作、持つ、引く、切る、結ぶなどすべての指の動き、自分の呼吸などを意識して行えという意味だけれど今日のキム・ヨナの動きにもそれが感じられた。


 浅田選手もトリプルアクセルを2度決めたが、高評価にはつながらずそれほど得点は伸びなかった。

 フィギュアスケートってのはそういうスポーツなんだなと思わされた日だった。

 それでもスコアリングシステムに強い不満を抱いて演技していた男子フィギュアのロシアのプルシェンコと比較して浅田選手はよくやったと思う。

 今回のオリンピックでフィギュアスケーターたちが目指すスケーティングがこれから大きく変化するのではないかと思う。

 高難度の技はそれほど評価されず、技のつながりや表現力が重要視される。

 これから浅田選手は、トリプルアクセルを生かしつつ、それ以外の技術をさらに磨くのだろう。

 これからが楽しみだ。