会議に明け暮れた日
6月28日、ミネソタ晴れ、曇り
さて、月曜日。天気がよろしい。しかし、風は涼しい。もしかしてもう夏は終わりか・・・・・、厳寒の冬が近いのか?なんて不安を感じる。
そしていつもの早朝センスレスミーティング。
しかしなんだか今日は様子が違い、かなり内容のある議論が続くぞ。なぜか? それは事務方の人が誰も来ていなかったから。
純粋に大ボスの教授をはじめとした研究者・科学者しか来ていなかったからだ。
先週、気がついたことを各々が説明し考察を加える。年配の研究者も彼なりにデータをまとめてきていた。
どうも最近、同僚たちの元気が良い。
私が口を酸っぱくしてobservationこそ研究の命だと言い続けた影響か、以前ならだれも気にしていなかったことも真剣にデータを取り始めた。
そうそれと、実験中に採取する膨大なサンプルの顕微鏡写真をとり、それを画像解析するという作業を私が勝手に始めたのだが、サンプルの数が30個以上にもなり、1個のサンプルの写真を撮るのに5分もかかるという作業。2週間前からこれをアルバイトに来てくれている大学生がしてくれるようになった。ありがたい限りだ。写真を撮って記録に残しそれをコンピューターを用いて画像解析するという作業の価値を大ボスが高く評価してくれたからだった。
そして昼前に会議を中断し、私は霊長類を用いた実験を行うために受けておかないといけない講習を受けに行った。
約1時間、担当者から説明を受けたのだが、その内容とは人畜(人獣)共通感染症の危険とそれを防ぐために行うべきことだった。
これまであまり気にすることなく霊長類の組織を扱っていたが、この話を聞いているとだんだんと怖くなってきた。
たとえばCercopithecine Herpes Virus 1というウイルスを持っているサルがいるのだが、サルにとってはそれほど病原性の強くないウイルス。通称Bバイラス。しかし、ヒトに感染するとなんと!致死率85%以上・・・・・・・、やばいぜこれ。
ほかにもエボラウイルスを持っている可能性だってあるなんて恐ろしい話を次々聞かされる。
そんな話ですっかり食欲も失せたが、それでもおなかがすいていたので昼食をとる。するとすぐに大ボスからお呼びがかかり会議を再開しようといわれ再び議論に加わった。
当然の事なんだけれど、これだけ大量の実験を行っていると膨大な写真とともに膨大な定量的データを解析してプレゼンできるので同僚たちは私のプレゼンを楽しんで聞いてくれる。自分たちが感じていたことを写真とデータを見て納得できるので楽しいようだ。
大ボスもexcellentを連発していた。
ただね、肝心な実験結果はここ数週間振るわないんだよ。
私たちがしている実験は無数と言えるほどたくさんの因子に影響を受ける。たとえば微妙な室温の変化でさえも影響してしまうんだわ。
その数々の因子を観察測定し、可能な限りdeviationを減らす作業が研究そのもののような感じ・・・・・・。
正直言って気が遠くなりそう。
このまま毎日実験のことを考えていたらあっという間に冬が来てしまいそうな気がする。
今のうちに夏を楽しんでおかなければ・・・・・・。
さて会議を終えてオフィスに戻ってみるともう夕方だった・・・・・・。
サッカーはどうなったんだろう。
明日は日本が戦う日、た の し み だ !