福祉国家亡国論

 3月19日、晴れ

 今日はいきなり本題に入ろう。

 今日の産經新聞の9面に掲載された”正論”


 この正論は私にとってあまりにも衝撃的だった。

 なぜならば香山氏は1975年の時点で現代に生きる私の考えと全く同じ事を主張していたのだ。

 ぜひ、良識ある日本人の方々、御一読ください。

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 ローマ人が怠惰になって『パンとサーカス』を求めたように、日本人は福祉や減税、平等、利便を求めて自立精神を失い、政治はそれに迎合して赤字を増やす。

 医療を無料にすれば確実に病人が増える。老人医療が無料になってから、人々は大晦日(おおみそか)に救急車を呼んで病気の老人を病院に入れると自分たちは家族そろって旅行に出掛けることを覚えた。そして首尾よく入院させてしまえばもう引き取りにこない

 国が1000兆円もの借金を抱え、少子高齢化で年金や医療財政の破綻が予想され、生活保護費が国や地方自治体の財政を圧迫している現在を予測した「瞠目すべき予言」である。


 ≪『英国病の教訓』の予言≫

 香山氏の主張を一言でいえば「福祉国家亡国論」である。78年の『英国病の教訓』(PHP研究所)では「福祉国家というのは、初期においては理想に燃えて、この社会の中でハンディキャップを負っているために貧しい生活をしている人たちがいる、こういうことがあってはならない、その人たちに愛の手を差し伸べなくてはならないとか、あるいは病気に罹(かか)った人たちが非常に苦しい生活をしているのを見捨てるわけにはいかない、みんなで助けようということから出発して、非常に面倒みのいい国ができたわけなのです」と述べながら、「ところが、そういう理想に燃え、夢を実現するための動きの中で、予期せざる重大な副作用が発生し、拡大してくるという大変皮肉な結果がもたらされてきました」と説いている。

 「重大な副作用」「皮肉な結果」とは、重税や財政破綻、国民の健全な勤労意欲の喪失や人間同士の絆の希薄化のことである。
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 まさにその通りになってしまっている。

 そして、7面に掲載された記事 北京春秋 病院は格差社会の象徴

 咳が止まらなくなり北京で米国系の良い病院を受診しレントゲンを撮って咳止め等の薬を処方されて、請求額が5万2千円!!!

 アメリカ在住時代に書いた記事でも触れたように、アメリカで娘が食中毒にかかり、クリニックを受診して請求されたのが9万円。診察だけで9万円!!!


 今、日本政府は”社会保障と税の一体改革”なんてのをすすめようとしているが、それが亡国へと突き進む事になると理解しているのだろうか。

 まあ、ここで再び私の考えを述べるまでもない。

 ぜひ、今日の”正論” 高崎経済大学教授・八木秀次 蘇る香山氏の「福祉国家亡国論」 を読んでください。